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2016年8月13日土曜日

和製Kingは俺だ!中野坂上の古豪Cross Field - アプリ開発者インタビュー

アプリ広告業界の中には知ってる方も多いかと思いますが、僕が昔から "隠れた実力派" だと思っているデベロッパーの Cross Field (クロスフィールド) さんにインタビューしてきました!

タイトルは僕が勝手に付けました (彼らが言ってたわけではないです) ww




ぼく:よろしくお願いします!Cross Field さんの最新作は、バードライフでしたっけ?

醍醐さん (以下「醍醐」):実は先日 (2016/6/3)「フォレストライフ ハッピーガーデン」という街づくり系のやつも出したんですよ。

 
 フォレストライフ -ハッピーガーデン【動物たちと箱庭ゲーム】

ぼく:それ僕まだ見てない。醍醐さん Facebook とかにあげてました?

醍醐:あげてないですね。(キリッ

ぼく:あげましょうw 気づかないっすよ。

醍醐:SNS にあげようかあげまいかいつも迷うんですが、まだ一回も自分であげたことないですね。(キリッ

3 マッチパズルを軸に進化


ぼく:「フォレストライフ ハッピーガーデン」は街づくり系。おなじみの 3 マッチパズルゲーム要素もあるんですか?

醍醐:ちょこっと入っています。パズルをしながら街づくりに関わらせていくような形になっているので。さすがに数年間使っていたパズルを手離すっていうのも、もったいない。

ぼく:今まで出されてきた、「キャットライフ」とか「ハムスターライフ」とか、僕の一番のお気に入りは「わんこライフなんですけど、基本ステージ制のパズルで、育成要素はオマケみたいな位置付けだったじゃないですか。「バードライフ」では、育成メインになってて少しビックリしました。

醍醐:基本的な形はほとんど一緒なんですけど、ちょっとキャラクターに寄りにしてます。見せる順番を変えて。

ぼく:最初のチュートリアルが育成から入って、「あれ、パズルじゃないの?」ってちょっと面食らいましたw 以前までの形だと、みんなパズルはやるけどあんまり「育成」してくれないなぁ、とか課題があったんですか?

醍醐:継続率が変わったんですよ。

ぼく:育成させた方が継続率が高かったんですか?

醍醐:そう、良かったので、シリーズのやつは全部育成 "押し" に変えたりとかして。

ぼく:あ、以前までに出されたやつも変わってるんですね。

醍醐:そうです。1 つ変えて良くなったものがあれば、他のタイトル横展開して。

ぼく:どれくらい継続率違うんですか?

醍醐:覚えてないですね。(キリッ

覚えてないですね!HAHA!

目指せハイブリッド!アプリ内課金によるマネタイズへの挑戦


醍醐:今回出した「バードライフ」では、途中で「24 時間限定パック」みたいな課金アイテムを出すというのも。やったことなかったんで、どれと思ってやったら、結構良くて。

ぼく:結構課金されてます?

醍醐:買っていただいた方がそのまま継続的に課金してくださるっていう、他では見られなかったデータが出てきたんです。

ぼく:じゃあ課金率も良くなりました。

醍醐:少しだけですけどね。そういった形でうまく課金率上げていくってのはやっていきたいなと。

ぼく:良い気がするなぁ。こういったカジュアルなパズルゲームって、LTV (Life Time Value = ユーザーあたりの生涯売上) 相当良いタイトルでも 300〜400 円ぐらいで、ソシャゲとかと比べると低い。ガチャとかあるわけでもないし、課金ガンガンされる系じゃない。その中でどこまで上げていけるかみたいなのは面白いチャレンジですね。

醍醐:でも某王様さんとかは、LTV がそれなりでも、数の暴力やばい。

ぼく:桁がおかしいですから。全部のゲーム合わせると MAU とかで 1 億超えてるんじゃないですか。ちょっと意味わからないw

醍醐:嘘の数字みたいですもんね。(遠目

ぼく:って疑うレベルですよね。中国の数の暴力もすごいらしくて、ちょうど先日 GAGEX さんのインタビュー記事も出したんですけど。

参照: 【前編】開発者インタビュー!大ヒット「昭和駄菓子屋物語2」GAGEX & 2D Fantasista 

醍醐:中国かぁ...うちは Android メインなので、パクられやすいですよね。(確信

目指すところは「広告で上手く儲けてる会社」ではなく


ぼく:醍醐さんとこのタイトル、結構海外ユーザー多いですよね?

醍醐:海外もいます。ちょうど先週の日曜日も、外国からのインストールが増えてたんですよ。特になんかやったわけでもなくて、ホントになぜか知りたいくらいなんですけど、たまに上がります。

ぼく:口コミでちょっと広がったりとか、メディアに紹介されたりとかしてるんですかね。

醍醐:どなたに、何をしていただいてるのか分からないですけど(笑)。ハムスターライフなんかも、累計ダウンロード数は国内・海外で半々くらいだったと思います。

ぼく:ホント Cross Field さんって、隠れたイケてるデベロッパーですよね。あんまり出てこないですよね、表舞台に。

醍醐:代表が喜びます(笑)。

ぼく:柿迫さんってホントは出たい方なんですか?

醍醐:どうなんでしょう。基本的にうちの方向性として、広告収益よりも課金収益でやっていきたいので、広告とかの文脈で「上手くやってる会社だねー」って言われても、たぶんそんなに響かないというか。僕なんかは人に褒められたら、嬉しいですけど。(照

ぼく:会社としては、きちんと売上立ってると見られていきたい。

醍醐:そうですね。ちゃんとした商品なんだよ、みたいな感じが理想じゃないですかね。

ぼく:なるほど。じゃあ、普段ぼくなんかが勝手に「和製 King だ!」ってネタにしてるのもあまり嬉しくないのかな。(困惑

醍醐:わかんないです。それは、おいおい確認していけば(笑)。「やられちゃいました」って言えば、許されそうな気もしますけど。

ぼく:坂本が勝手にこんな記事タイトルにしやがった、って言っといてください。

醍醐:どんなタイトルになるのかな(笑)。

「折角なんでデカイこと言っちゃいましょうよ!」

ゲーム性の似た複数タイトルの展開


ぼく:これで「ライフ」シリーズ何作目ですか?

醍醐:6 作ですね。

ぼく:ユーザーって結構、「ライフ」シリーズ全部やってるよって方が多いんですか?

醍醐:いますね。全作やってますとか、このアプリから来ましたとか。

ぼく:パズル部分はほぼ一緒っすよね?

醍醐:演出若干変えたりとか、ステージの配置だったりとか、中身変えたりするんですよ。

ぼく:さすがに全部丸コピーではないんだ。

醍醐:システムは基本的な部分は一緒ですけどね。ギミックに関しても、最初の方に入れていたものを外したり、逆にこっちはこのギミックを入れてみよう、ってのはあります。それに皆さん気づくかどうかっていうと、ちょっと分からないですね。ステージ数多いので…

ぼく:めっちゃ多いですよね。

醍醐:全部検証する方がもしいれば、何かしらのご意見いただきたい。

ぼく:そんな方がもしいたら、雇ったほうが良いと思います。好きすぎるでしょその人w

醍醐:King さんもしかり他のゲーム会社さんもしかり、相当ステージありますしね。どれだけ作っている人の負担があるのか知らないですけど。

ぼく:全部ちゃんとクリア出来ないといけないですしね、適切なトライアル回数で。バランス調整も難しい。でも同じステージが 2, 3 個くらいあっても気付かなそうな感じしますよね。

醍醐:僕は気づかないと思います(笑)。

一発屋にならないために


ぼく:話だいぶ戻りますが、今回から課金もガッツリ改善し始めてる感じですか?

醍醐:今までも改善はしてたんですが、改善の仕方が。バードライフに関しては、単純に新しい課金メニューを出して時間制限の形で売ったりとか。海外のパズルゲームのセオリーみたいなものをちゃんと参考にさせてもらって、ユーザーさんの反応見ながら、どういうのが売れるのか、どんなの欲しがっているのか、て言うのをちゃんと確認しながらやりたいなぁって思います。

ぼく:今で、1 ダウンロードあたりの収益はどんくらいですか?

醍醐:それでいうと、うちはものすごい低いですね。数円のものもありますし、数十円、100 円届いてないよってのとかもあります。

ぼく:やっぱそういうのは広告売上がメイン?

醍醐:タイトルにもよりますけど、まぁそうですね。課金も含め全部いれて、そんな感じなんで。がっつりプロモーション打てるようなタイトルは、まだ出来てないですね。やりたいですけどね。

ぼく:今回は、課金がちょっと良さそうって感覚?

醍醐:気持ち、良い感じはする、ってぐらいですね。その分、例えば海外は広告を日本ほど掲載してないとか、調整してるんで。

ぼく:海外はバナーとか人気ないですもんね。

醍醐:自分にムチ打ちながら(笑)。バナーも出したいには出したいんですけど、短期的な売上出してもしょうがないって会社の方針なんで。苦しい状況でも、常に次に繋がる学びがあったほうがまだ良いかなと。

ぼく:面白い。

醍醐:たまに僕は個人的には、もうちょっと売上あげてもいいじゃんって思いますけど(笑)。

ぼく:でも長い目で見て、ちゃんとコンスタントに打てるバッターになるために。

醍醐:そうですね。この作品でバカ当たりしようとかってよりは、ちゃんと積み重ねを継続してやらなと。そうじゃないと、なんか出しては潰し、出しては潰しみたいな、体力勝負になるんで、あまりそれはやりたくない。

ぼく:なるほどね。それは、過去に出しては潰しをやり続けてきた反省もあってのことですか。(皮肉

醍醐:いろんな経験を踏まえて(笑)

ぼく:結構出してきていますもんね。

醍醐:そうでしたね。過去のやつはアカウント的には大変な数になっちゃってるかもしれないですね。ずっとは続けられない(笑)

カジュアルゲームデベロッパの事業構造


ぼく:僕、今日すごい個人的に興味あって、聞きたかったのがそこのところで。大手のカジュアルゲームデベロッパさんって、基本的にはユーザーに短期間で飽きられる前提のアプリをひたすら出して、開発費・プロモ費以上の売上を短期間で回収して、それをひたすら続けていく、ってモデルじゃないですか。Cross Field さんって、一個一個のアプリを短期間で売り上げてる感じに見えないんですよ。

醍醐:売上は、欲しいんですけどね(笑)。

ぼく:アップトーキョーやってる感じでもないですし、そもそも Android だから、そんなにブーストもきかないですしね。

醍醐:そうですね。

ぼく:その事業構造どうなっているのかって、いまいち分からなくて。過去から出していたアプリの継続的な売上の積み重ねで、P/L で見たら黒になってますみたいな世界なのか。実はゲーム事業単体はトントンか赤だけど、受託で売上上げてて、そっちで食ってますみたいな会社もありますし。Cross Field さんってどんな感じなんですか?

醍醐:そもそも自社タイトルしか開発していないですね。エンジニアも自前ですし、外注としてコストになるのは、一部のデザインぐらい。

ぼく:でも結構社員さんはいますよね。

醍醐:そうですね。10 数名プラス、アルバイトやインターン数名、ってぐらいです。

ぼく:だったら普通に固定費だって、月1,000万、2,000 万とかかかってくるわけじゃないですか。

醍醐:どうにかトントンのレベルで。

ぼく:それがすごいですよね。僕とか SSP みたいなアプリ業界の人は分かると思うんですけど、一般のユーザーは Cross Field さんっていう会社名も、代表的なタイトルも、そんなには知らないですよね。CM やってるような大手ゲームとかと比べると。

醍醐:まぁ知らないでしょうね。

ぼく:一般に広く認知されるレベルのヒットをバカスカ出してるわけでもないけど、ちゃんと過去に出してるアプリを、ユーザーが継続して遊んでて、そっからの売上が上がり続けてるから事業継続できてる、って感じなんですかね。

醍醐:そうですね。ほぼそれだけだと思います。新着でめちゃくちゃ上にいったりとか、なんかネタ的に盛り上がったりっていうのは、正直まったくないに等しいですね。唯一「ハムスターライフ」は数年前に出した時に、可愛いということでワァっとランキング上がったりしましたが。今言ってもどうしようもない(笑)。

ぼく:ダウンロード数とかって、だいたい 1 作あたりどんなもんなんですか?

醍醐:少ないものは、ホント数千で止まっちゃう。継続的に、恐らく検索から入ってきてる人とかがいるものに関してはわりと積み上がってて、ハムスターはこないだ累計で 700 万ダウンロード超えました。

ぼく:700 万。すげぇ。すげぇなマジで。

醍醐:長生きしてると思いますよ。2012 年 7 月リリースなので、まる 4 年たちました。

ぼく:いまだに、1日数十とか百とかインストールがあるってことですか。

醍醐:もうちょっとあります。

ぼく:もっとある?数千くらい?マジっすか?!

醍醐:地味なんです。でも海外とかでもデザイン好まれているみたいなので、検索から来る方もいますし。SNS でのシェアも、そんなに促進してるわけでもないですし。おまけ程度に(笑)。

ぼく:そっかぁ、そんなにダウンロードされてるんですね。「ライフ」シリーズ6作合わせると、もう何千万ダウンロードみたいな。

醍醐:まぁ、そんな感じですね。一瞬でいくこともないですし、特にイベントうってるわけでもないので。

ぼく:じわじわと。

醍醐:ずーーーーっと。でもちゃんと積み重ねになってるのと、ユーザーは 1 つ遊んだら他のライフシリーズに行って、ファンとしていろんなアプリを遊んでくれているので。弊社アプリのなかでの循環みたいなのは、良くできているんじゃないかなぁとか。

ぼく:おもしろい。仮に LTV が 10 円だったとしても、1 日 2,000 ダウンロードされれば、1日 20,000 円の売上が上がり続けてるってことですもんね。1 タイトルだけで。

醍醐:逆を言えば、それくらいの人がいると離脱もやっぱそこそこあるんで、そこの改善を大至急やらないと、すごくもったいない。

ぼく:意外とバケツにどんどん水が入ってきてるから、塞いでおこうと。

Mission: バケツの穴を塞げ!


醍醐:今御社で、うちの中で一番収益出てるのが「ビンゴ」っていうタイトルなんですよ。 eCPM $20 超えてきてて。


ぼく:あれ最初の方は eCPM そんなに高くなかったけど、だんだん良くなってきましたね。

醍醐:そうなんですよ。あれもリリースしたの凄い昔で。

ぼく:いつ頃でしたっけ?

醍醐:3 年前ですね。このゲームも、来たユーザーがまるまる抜けていってる状態でした。実はたくさんユーザーが来ていたんですけど、収益的にも社内で目立ってなかったんで、気づかなかったんですよ。

ぼく:MOTTAINAI.

醍醐:ある時気づきまして、これ結構イケるんじゃねってことになって、改善して今の形になったら、着実にこう伸びて、収益結構上げてくれるタイトルになりました。

ぼく:何を一番変えたんですか?

醍醐:何を変えたかかぁ。ほぼ全てです(笑)。ビンゴはビンゴです。ステージ制にして、お得意のパズルにもっていったという。

ぼく:それまで、そうじゃなかったんですね。僕、今の「ビンゴ」しかやったことなくて。

醍醐:ちょっと前のはお恥ずかしい感じの、連打ゲームですね(笑)。そりゃ離脱する。ほとんどアメリカのユーザーばかりだったんですが、怒られまして、「何これ」って…。僕らも「そうだよね」って…。

ぼく:そんなレベルだったんですねw

醍醐:だいたいビンゴって、海外だとカジノゲームのイメージじゃないですか。連打ゲームなんですよ。怒られますよね(笑)。

ぼく:ゲーム性が思っていたのと全然違うみたいな。

醍醐:今の形にしてから継続率もいいですし、収益もかなり改善されたんで。

ぼく:それでもユーザーが、入ってきてたってことは、やっぱビンゴとかいうキーワードで検索流入で入ってきてたとかですか。

醍醐:たぶんそうですね。検索して結構上の方にいったような気がします。特にプロモーションをしてたわけでもないので、勝手に入ってきたー、抜けてたー、フタしよー、みたいな。ちゃんとゲームにしよう、ってレベルから。

ぼく:目線低いw そういう機会に誰が気づくんですか?

醍醐:だいたい代表が気づいて、アクションしてけって指示出してくるんですよね。すっげぇなぁって(笑)。よく気付くなぁって。

ぼく:今って、エンジニアリングとか開発に関わってないビジネス側は、相変わらず少人数で。

醍醐:代表と、もう一人取締役と、私の 3 人です。最近出た「フォレストライフ ハッピーガーデン」は取締役が企画して。

ぼく:タイトルごとなんですね。醍醐さん今は?

醍醐:僕は今「バードライフ」です。あと、今は「ビンゴ」のように過去のやつをきちんと改修して、ユーザーが入って来てるやつの穴にしっかりフタをして、ちょっと上げてきたいのがいくつかあるんで、それを今いじくってるところです。すいません、地味ですね(笑)。申し訳ないです。

海外展開は「やって当たり前」


ぼく:でも過去のタイトルを改修できるっていうのは、改修したリターンがある程度は見込めるからってことですよね。

醍醐:そうですね。日本のユーザーだけに向けてやっていたら、できなかったですね。

ぼく:ですよね。たぶん売上もそんなに継続的に上がらないから、アップデートのために開発費かけられないよねって話になりそう。

醍醐:それだったら、ホント短期間で数出してっていう形になってかもしれないですね。うちは最初から海外にバーッと出してましたね。

ぼく:それって当時としては結構普通でした?3〜4 年前とかですよね。

醍醐:ヒットしたらラッキーっていうそういうレベルですけどね。なぜか海外でものすごくダウンロードされちゃった、っていう現象は数年前からちょこちょこあったので。出さない理由も特にないですし。ただ、皆さんみたいにめちゃくちゃこう、翻訳を頑張ろうねとか、カルチャライズやろうねとか、そこまではちょっと出来てないです。正直、ホントに翻訳レベルですね。

ぼく:長いセリフが出てくるようなゲームじゃないですもんね。基本的な機能の説明だけだから、ただの翻訳だけで十分だよねみたいな。

醍醐:あとはパズルゲームの場合は、たくさん出てるじゃないですか、全世界で。共通語のような感じになってるんで。

ぼく:それこそ、King さんのパクr(ry みたいなゲーム性ですもんね。いわゆる 3 マッチのテンプレートというか。

醍醐:ユーザーさんはどう認識されてるか分からないですけど、慣れてるユーザーは直感的にゲーム出来ると思いますね。

ぼく:先陣が、共通言語みたいなのを作ってくれてるから。

醍醐:特にこちらから喋らずとも、ユーザーさんがやってくれてると思っていたい。3 つ並べたら...揃う…消える...あっコレね、って。狙ってるつもりはないけど、結果としてそうなってますよね。

ぼく:なるほどー。まぁでもパズルゲームに限らず、街づくり系とか、ソシャゲとかも、ゲームプレイ以外の仕組みのところは、こういう感じだよねみたいなテンプレはありますよね。

醍醐:うちはキャラクターの世界観を重視して、可愛い世界観にしてるってところが特徴としてはありますね。街づくりのゲームだと、「ゲームシステム」と「可愛いデザイン」に、「パズル」も一緒に入れて継続率上げて。今まで別の街づくりゲームをやっていた方に、別の形でまた遊んでもらいたいっていう、ひとつの "新商品のご提案" ですね(笑)。

複数タイトル遊んで欲しい!クロスプロモの話


ぼく:御社のゲームだと、複数タイトルを次々にやっているユーザーもいると思うんですが、クロスプロモーションとかって、どうやってるんですか?

醍醐:自社広告を出してるぐらいです。外部のツールは使ってないですね。起動時に他のアプリの紹介を出せるようになってるんで、設定して。

ぼく:ポップアップで出てきますよね。

醍醐:例えば、「バードライフ」をリリースしたから、他のタイトルから「バードライフ」に送客しよう、って。

ぼく:出てる出てる確かに。それ見たことある。

醍醐:極力、世界観にハマっていただければ、これ幸いという感じで。

ぼく:自分とこのサーバーで運用なんですか?どのアプリからどのアプリに何人いったかとかも分かるようになってるんですか?

醍醐:そうです。その辺も結構前から、気にしてやっていた部分なので、けっこう便利になってきてます。今更変えるのも手間だし。でも皆さんやられてますよね?自社広みたいのって。

ぼく:どうかなぁ。全部のところがしっかりやれてるわけでは、決してないと思います。Goodia さんとかはセミナーで、自社広告が効果良いとか言ってましたけど。

醍醐:あの数のアプリ群から、ご集約されたら大変なことになりそうですよね。うらやましい。

ぼく:でも、Goodia さんみたいな戦い方は、金額の桁みてるともう個人で出来ないなって戦いになってきてますよね。あのペースでアプリ出し続けるだけでも厳しいのに、プロモーションひとつとっても、何十万円って金額も個人ではなかなか出せないですもん。

醍醐:マネタイズ方法として、広告だけをやってるアプリは、実際減ってきてる感じありますか?

ぼく:まだ、恐る恐る課金を試してるかんじだと思いますね。

醍醐:まだまだこれからってところですね。是非うまくいった事例とか聞きたいんですよ、他社さんの。課金と広告をちゃんと両方ともやってる方で。

ぼく:これから課金をがっつりトライする、っておっしゃってるところはいくつかありますねぇ。GOODROID さんとか。

(参照: ロングインタビュー!「坂本ですが?」開発GOODROIDのアプリ企画・開発・経営の裏話 )

醍醐:「中年騎士ヤスヒロ」とかめっちゃうらやましかったですけど。こんなに LTV 出るんですかって。

ぼく:そうですね、期待していた以上によかったです。韓国の LTV と比較しても、日本は相当良かったですよ。

(参照: カジュゲとソシャゲの間を狙え! 坂本達夫氏が語る「アプリ内課金が小規模開発者にもたらす可能性」)

醍醐:こんな出たらプロモーションうつのも楽しいじゃないですか。

ぼく:次のタイトル準備中ではあるんですけど、半年以上、ヤスヒロの一本足だけでずっと食ってますからね。固定費少ないってのもありますけど。

醍醐:ああいうのを色々見ていって、勉強したいですね。

ぼく:まだこれからじゃないですかね。ホントにうまくいくのが出てくるのは。

醍醐:うちも目立てるように頑張ります(笑)。

打席に立ち続けること


ぼく:クロスフィールドさんは実はすげぇぞって思ってますけどね。安定して 10 数人食っていける収益上げてるっていうのは、普通にすごいと思いますけどね。

醍醐:どうなんでしょうね。皆さん大きい収益を上げて目立ったりとかして、フタ開けたら数人ですってところも、すごく多いじゃないですか。

ぼく:そういうところもありますね。

醍醐:数人で作って、1 年に 1 本とか 2 本とかしか出さない方とかいますけど、それもすごいなと思って。ウチとかは人数がいるからある程度、担保されてるような気もしますし。

ぼく:御社の場合、うまくいったやり方を横展開出来てるってのは、組織でたくさん打席に立ってる強みではあるのかなって気はしますけどね。

醍醐:また違うタイトルで、別の種類のユーザーさんにサービス提供するってのを、今後やってみたいなぁとは思うんですけどね。なかなか簡単に当たる訳ではないので、そこ苦戦中ですね。

ぼく:ほげほげライフ系以外も結構チャレンジはされてると?

醍醐:してるんです。けど、そういうことですよね(笑)。ちょっとうまく出来てないですね。プロモーションかけないと、やっぱりユーザー来ないよねっていう状態で、かと言ってプロモーションしたらまるまる流血になってしまう可能性もあるので、簡単には進められないですね。

ぼく:それまでは試して、試してって感じですかね。

醍醐:ネタで一発みたいなことは、きっとやることはないでしょう(笑)。

ぼく:そういうキャラクターの会社ではまずないですね。

醍醐:結構まじめな方なんじゃないかな。

ぼく:ホントそう思います。かたいですよね。

醍醐:「仕事だ」っていって仕事しています(笑)。

ぼく:もともと広告の会社なんでしたっけ。

醍醐:そうでうすね。代表と取締役がもともと広告やっていてっていう経緯なんで。

ぼく:ゲームはもともと完全新規事業として始めた。

醍醐:そうですね。いつの間にかゲームがメインになってました。ゲームやってる会社に僕も途中から入ったみたいな感じですね。

ぼく:醍醐さんも別にゲーム畑ってわけではないですもんね。

醍醐:代表と取締役と同じ会社だったんです。その二人の後輩で。普通に営業マンだったんで。

新商品のご提案です

ぼく:入ったときは広告の人として入ったんですか?

醍醐:そん時はすでにゲーム一本の会社で、別のビジネスモデルをちょっと作ってみようよっていうタイミングだったんですよ。それがちょっとうまくいかなかったので。

ぼく:結果ゲームになってる?

醍醐:吸収された(笑)。私をどうにか使ってくださいと(笑)。

ぼく:でも思想は共通してるんでしょうね。広告ってカタいビジネスじゃないですか。原価が決まっていて、それより高い売りをだせば、こんだけ利益になって、後はその回転率で計算する形。ゲーム事業のアプローチも思想はそれに近い。

醍醐:根本はそこですよね、きっと。事業続けられない状況じゃないので、安定したものがちゃんと固まってきたら、もっと冒険していくっていうのが理想ではあります。

ぼく:面白いなぁ。深堀って話聞くと、会社を作った方とか中の人のバックグランドや思想って、結構ゲーム作りに出ますよね。

醍醐:方向性にも出そうな気がしますね。例えば一発ネタ系とかって、うちの場合はもう怖くて出来ないですね。仮に当たっても、飽きられたら終わりじゃんって。

ぼく:なんにも積み重ね・資産にならないじゃん、みたいな。

醍醐:何か残していかないと怖いじゃん、ってとこあるんで。

ぼく:クロスフィールドさんは渋いっすよね。モバイルゲームで一発当てるぞみたいなところの中では、わりと渋い、なんか職人的な。

醍醐:ちゃんと夢は持ちつつも、ちょっとクールぶってなんかカッコつけていたいんです。そんなことはないか(笑)。ここカットでお願いします。

動画広告をどう実装しているか


ぼく:あと、AppLovin のこと褒めて下さい。

醍醐:AppLovin はホントに、海外メインの Bingo で抜群にいいですね。

ぼく:海外、特にアメリカとか北米英語圏はソーシャルカジノっていうカテゴリーがデカいじゃないですか。広告主としても媒体としても、AppLovin って元々ソーシャルカジノカテゴリで圧倒的に強いんですよ。たぶん Bingo とかもソーシャルカジノ系の案件とか結構でて、相性よくて。

醍醐:ハマったかんじなんですかね。 

ぼく:っていうところもあるのかなって気がします。今はソーシャルカジノに限らず、全カテゴリ強いですけどね。

醍醐:日本だと広告主さんはソシャゲが多いですよね。

ぼく:海外みたいに、カジュアルゲームも動画広告作ってプロモーションする、って事例が少ないですからね。

醍醐:女性向けの恋愛ゲーム広告主とかは、うちの媒体と合ってるよって聞きます。

ぼく:それは確かにあるかも。最近、そのカテゴリの広告主増えてますね。

醍醐:女性が多いからでしょうね。単純に。クライアントさんにちゃんと効果返さないと、収益性上がらないですもんね。

ぼく:今作ってるタイトルは、AdMob のメディエーション使ってらっしゃる感じですか?

醍醐:基本的には。動画リワードの方も AdMob メディエーションで入れだしました。

ぼく:SSP とか一時期使ってましたよね。

醍醐:使ってみないと、いいとこ悪いとこ分かんないので、どういうものかなって使ってみたかったという。AdStir、アドフリくん、アドジェネ全部使ったことあります。

ぼく:おー全部経験者。

醍醐:全部ちょびっと使いましたが、今はほぼ AdMob で構成されてますね。

ぼく:SSP より、各ネットワークとの直取引のほうがいいなぁって感じですか?

醍醐:AdMob で特に不満はないという状態なので。使い慣れちゃったんでね。

ぼく:ぼくが AdMob チームにいた頃から、ずっとですもんね。

醍醐:でもあんまり皆さん使ってないみたいですね。

ぼく:意外と使ってないですよね。普通に便利だと思うんですけどね。

醍醐:SSP さんの方がやっぱ人気ありそうですよね。

ぼく:今は SSP の方が人気ありそうな感じですね。AdMob メディエーション使ってるところは時々見るってぐらいですね。SSP は去年の夏からやってる中で、AdMob は確か動画リワードのメディエーションが公式に出たのが 4 月くらいとかで、まだ試しに入れてみてるみたいな感じじゃないですか。

醍醐:これからですかね。

意外と知られてない「動画インタースティシャル」の良さ


醍醐:AppLovin 自体のメディアさんの増え方って今どうなんですか?

ぼく:順調ですね。特に動画リワードが日本だと去年くらいからフィーバーして。アイコン広告が死んで、なんか他にねぇか、動画リワードあったわ、みたいな。けど、実はうちって日本だと半分動画リワードなんですけど、もう半分はインタースティシャルとネイティブで売上立ってるんですよ。動画と静止画どっちも。

醍醐:動画リワード以外でそんなにあるんですね。

ぼく:日本のメディアでもちょいちょい使ってるとこ出てきてます。動画リワードでの AppLovin の知名度と高評価に比べると、インタースティシャルとネイティブは、日本のメディアさんまだ、そもそもやってること自体知らないとか、使ってない方も多いです。

醍醐:やってないですね、うちも。

ぼく:けっこう有能なんですよ。レクタングル出してるだけみたいな、国内のインタースティシャルよりは余裕で収益性高いです。

醍醐:入れてみますか。

ぼく:入れてみましょう。動画のインタースティシャルが収益性良いですよ。

醍醐:動画のインタースティシャルですか。

ぼく:インタースティシャルなんですけど、動画で出てきて、5 秒後から消せる、正確にいうと「スキップできない」「スキップできる」のオプションがあります。スキップできないほうが収益性は高いです。スキップできるやつでも、静止画とかレクタングルよりは段違いに儲かりますよ。

醍醐:クライアントさんは、海外の広告主が多いんですかね。

ぼく:動画リワードで出てるクライアントは全部インタースティシャルにも出してます。なので国内広告主もいっぱい出ます。広告主は、別に「動画リワードに出してる」「インタースティシャルに出してる」っていうふうに分けてなくて。同じ動画ですし、パフォーマンスで判断してるんで。

醍醐:じゃぁ国も関係なく。

ぼく:動画リワードで出てるのと同じクライアントが出てきますね。クライアントも普通に多いし、収益性高い。

醍醐:だとすると今収益性が動画リワードで良い、例えばビンゴとかにインターステシャル入れちゃえば。

ぼく:結構儲かると思いますよ。AdMob のメディエーションの中にも入れられますし。

(参照: AppLovinのインタースティシャル広告の実装手順 )

ぼく:あと、静止画のインタースティシャル、表示されたら速攻クリックできちゃうじゃないですか。だから割とミスクリックしやすいんですよ、出すタイミングに よっては。

醍醐:あー、なるほど。

ぼく:動画は最後まで見てそこで初めてクリック出来るようになるので、誤クリック少なく、ユーザー的にもやさしいと言っているデベロッパーもいます。

醍醐:あー、なるほど。 

ぼく:日本だと割と、「動画?インタースティシャルで?えっ...」って拒否反応示すデベロッパーさんもいますけど、割とユーザビリティも悪くないので。

醍醐:ビンゴでやってみたいです。動画リワードで効果がよければインタースティシャルでもいいよねって感じですよね?どっちかだけ良いとかそういうことあるんですか?

ぼく:あんまないですね。違いが出るとしたら、表示させるタイミングや頻度とか、どっちかというと、広告側というよりアプリ側の理由になりますね。

醍醐:帰ったら、開発スケジュールの確認します(笑)。

ぼく:うぇい!

他のアプリデベロッパーさんについて


醍醐:その中で、いきなりですが、今注目のアプリ・デベロッパーさんは!?

ぼく:一番注目ねぇ。こないだ、(Select Button) 中畑さんのときには、AppleTV デベロッパー伊与田さんって答えちゃったんですけど。

(参照: ロングインタビュー!マンボウは大ヒットだったけど「ハントクック」はぶっちゃけどうなの?SELECT BUTTONに聞いてきた )

Dungeon Tiles (iOS / tvOS)

ぼく:そういえば「ソーセージレジェンド」の Milk さんとこないだお会いしたのもテンション上がりましたw

醍醐:おーあのゲームですね。

ぼく:AppLovin にアカウントが新規登録されると、システムから通知メールが届くんですが、日本のデベロッパーさんのときは「ありがとうございます、なんか分かんないことあったら日本語で聞いてね」っていうメールを毎回書いてるんですよ。

醍醐:おぉ豆ですねぇ。

ぼく:普通そういうのって、自動で届くじゃないですか。なので件名にわざわざ [手動メール] って書いてw

醍醐:うわぁあざとい(笑)。

ぼく:実際に手動でメールしてるのでw それに返事がきて「あっそういえば AppLovin 実装しました。ソーセージのやつなんですけど」って。「おーーーっあそこだーーっ!!」みたいなww

ソーセージレジェンド (iOS | Android)

醍醐:ソーセージのやつ、でわかりますね(笑)。

ぼく:メールいただくまで、お恥ずかしながら気づいてなかったんですよ。最初メールしたときはまだ「ソーセージレジェンド」もリリースされてなかったし。で見たら、ホントだ収益上がってる、みたいな。

醍醐:どんな方が何を思ってアレを作ったのか。

ぼく:ホントに。また出来が良いから憎いんですよね。つくりが雑じゃない。アイディアは雑?なんですけどね。

醍醐:キレッキレすぎますよね。

ぼく:「ソーセージ戦わせたら面白いじゃないか」って、完全に居酒屋の 23 時 40 分のネタを、あそこまで高めましたよね。

醍醐:たぶんそこにあったんでしょうね。ソーセージが。

ぼく:あったんですかね。絶対アルトバイエルンの方が強いよ、みたいな話から発展したのか。

醍醐:ドイツビールのお店にでもいったんですかね。

ぼく:いったのかもしれないですね。グルグル巻いたやつとか。こんなソーセージって種類あるんだぁって。よくそっからこのアプリを作ったっすよホントに。

醍醐:すごいですよね。何がすごいって分かんないですけど、もう全部すごかったです。

ぼく:全部すごいですね。インパクトがありすぎる。あと「Fits」ていうパズルゲームってのがあるんですけど、MagicAnt っていう会社さんが作ってるやつ。

Fits (iOS | Android)

醍醐:たぶんやったなぁ前。

ぼく:もともとうちの動画リワードを入れてくれてて、インタースティシャルもやりましょうよみたいな話をメッセ上でしてて、最近ようやくやりますかみたいな話になって。で、住所調べたら、ここから徒歩 1-2 分の超近所でw えーっ!!てなって、うちの目の前のフレッシュネスバーガー待ち合わせで、来週お茶しよう、ってなりました。

醍醐:そんな近所だったんですね。

ぼく:ビックリしました。

醍醐:この辺多いんですかね。

ぼく:フレッシュネスバーガーそのうち、行くと誰か絶対アプリの話してるよな、みたいな聖地になるかも。

醍醐:たまり場(笑)。

ぼく:クロスフィールドさんも是非。

醍醐:まだ引っ越したくないな(笑)。

通勤が長いのとかホント嫌だよねって雑談


ぼく:中野坂上から離れないですもんね。

醍醐:個人的に家から近いんで離れたくないだけの話です。

ぼく:家から近いて大事っすよね。

醍醐:そうなんですよね。電車乗って出社しろって言われたら、しないわけにはいかないんで、もちろんしますけど、歩いていきたいな(笑)。

ぼく:今徒歩ですか?

醍醐:徒歩です。

ぼく:それ健全だと思うんですよ。

醍醐:近すぎてギリギリだったりするんですよ。社員もその周辺に住んでるんで、気抜くと(笑)。休みの日は危ない。

ぼく:でもホントに満員電車に揺られながら、1 時間半とか 2 時間かけて通ってますって人とか、すごいなって思いまよね。

醍醐:そうですね。満員電車がなければまだ何かするかもしれないですけど。

ぼく:大学時代、田園都市線で通学してたんですよ。ホント身動きできない状態で。鷺沼から渋谷まで乗車率 200%、カバン手離しても床まで落ちませんみたいな世界で。それで往復 3 時間強、月 50 時間とか超えるじゃないですか。5 万くらい高く出して近くに住んでも、1 時間1,000 円、全然いいはずだよなぁって。

醍醐:えげつないっすね。

ぼく:必然的に大学からも足が遠のき、ゼミをクビになりww

醍醐:ゼミをクビって初めて聞きましたよ。

ぼく:だから、近くに住みたいとか、ストレスを極力少なくしようってほうが、まともなんだと思います。

醍醐:仕事の時間をちゃんと確保して、それ以外であんまり疲れたくないですよね。

ぼく:仕事の他では無駄に疲れたくないですよね。皆よく我慢できるよな満員電車、って思っちゃいますね。

醍醐:僕も昔は埼玉から片道 1 時間半、往復 3 時間かけて通勤してて。片道 30 分のところにすれば 2 時間寝れるなって思って、引っ越そうって。

ぼく:眠いですよね普通に。2 時間睡眠時間違うとだいぶ違いますよね。

醍醐:だいぶ変わりますね。2 時間余計に遊んだだけなんですけどその後は。結局寝てない。意味ないですね(笑)。

ぼく:でもそれが生活のクオリティですよ。

醍醐:残念です。

最後に、プログラマー募集してます!


ぼく:人は募集中なんですか?

醍醐:プログラマーさんとかは、いい人いれば常に。

ぼく:会社的にはどうなんですか?人をドカッと増やしていきたいとか、いい人がいればちょっとずつ増えればいいのか。

醍醐:優秀な方がいれば、それだけ新しいことにトライするチャンス増えますし。むしろ優秀な方がいたときにパッと「来て」って言えるような状態にしたいので、門戸は常に開いてます。良い人いても、すぐ採用できなかったら、どっか行かれるじゃないですか。

ぼく:タイミング大事ですもんね。今ちょっと募集してなくて...ってなって他の会社に就職しちゃったら、その人が次が転職活動するのは、また何年後とかですもんね。

醍醐:そうでしょうね。そういうのもあって。「特に今募集してません」とかってのは年中通してあんまないですね。その分、売上を上げないといけないので、頑張りまーす。



以上、終わり!

Q

2016年8月4日木曜日

COPPAとGoogle Playと広告について

Twitter とか見てると、一部の/複数のアプリデベロッパーさんのところに Google Play から
  • あなたのアプリは、米児童オンライン プライバシー保護法 (COPPA) の対象となる子ども向けのアプリなんじゃない? (って報告を受けたよ)
  • だから 30 日以内に「子ども向け」ってフラグをコチラ側で立てるよ
  • アプリが子ども向けじゃないときは申し立てしてね
って趣旨のメールが届いたらしいです。

そちらについて、僕が知ってることを解説。

COPPA って何?


すっげー端折って説明すると、米児童オンライン プライバシー保護法 (COPPA) ってのは、2000 年から施行されてるアメリカの法律で、13 歳未満の子どもの個人情報を守るっていうのが目的。

それとアプリや広告がどう関係するの?


実は広告のターゲティングやトラッキングに使われている広告 ID、つまり iOS における IDFA (ID For Advertising) と Android における GAID (Google Advertising ID) が、COPPA における個人情報に該当するんですよ。
(永続的な識別子、に該当)

IDFA も GAID も、ちゃんとユーザーが「私のことはトラックしないで欲しい (から、私の ID は渡さないわ)」って OS レベルで (端末側で) 設定することが出来るし、あとからリセットすることも出来るようになってます。
なってるんですが、13 歳未満の子どもについては「いや、そもそも最初っからとるな」っていうことなんです。

対応するとどんな良いことがあるの?


App Store がどうか把握してないんですが、Google Play には「子ども向けアプリ (Designed for Families)」っていうカテゴリがあります。
そこにアプリを載せたい場合は、ちゃんと「13 歳未満の子どもの GAID (を含む個人情報)」を取得しない仕組みにしとかないといけない、っちゅうわけです。

そうしてないと法律違反になっちゃうので...どうなるんだろ、そういえば。
少なくとも「子ども向けアプリ」カテゴリからは追い出されるはず。

自分のアプリが、例えば「人面あんパンのひらがな超暗記バトル」みたいな、明らかに 13 歳未満のユーザーだけをターゲットにしている場合は、きちんと COPPA に対応した上で、「子ども向けアプリ」カテゴリに入れてもらうと良いですな。
「子ども向けアプリ」カテゴリからアプリを探す人からのダウンロードが少し増えるかもしれないし、何よりいちユーザー (子どもの親) として信頼できる。

対応したときのデメリットは?


ひとことで言うと、広告の収益性はけっこー下がります。

広告 ID が使えない = 個人を特定してターゲティングする広告が配信できない、ってことなので、例えばユーザーの興味関心に基づく広告や、リマーケティング / リエンゲージメント広告は配信されなくなります。

また、広告 ID を使った効果測定が出来なくなるため、広告主からすると「このアプリに広告配信してるんだけど、そこから何件インストールされたかとか、全然見えねぇ」っていうマヌーサ状態になっちゃうわけです。
なので当然、単価を下げられたり、配信が止まったりすることが考えられます。

なので「明らかに 13 歳未満だけが対象」ってアプリじゃない限りは、「子ども向けアプリ」カテゴリ入りを諦めて、COPPA にも対応しないっていうのがビジネス的には推奨。
全年齢が対象のアプリを、たまたま 13 歳未満の人がプレイする可能性がある、だから COPPA 対応しろ、っていうわけではないのでご安心を。

ちょっと手間がかかるけど、ゲームスタート時に年齢確認を行い
  • 13 歳以上だった場合、通常の一般的な広告を表示。
  • 12 歳以下だった場合、COPPA 対応の広告表示、若しくは広告表示なし。
 って方法にすれば、「子ども向けアプリ」カテゴリにも入れるし、13 歳以上のユーザーにはターゲティング可能な広告を配信できます。
(あるルートでこちらが OK であることを確認済み)
ただ、13 歳未満ユーザーが多かった場合、広告の収益性が下がることは避けられないですが。

どうやって設定するの?


 広告ネットワークによって違います。

AdMob はコードレベルで変更しなくちゃいけないみたいで、広告リクエストを送るときに tagForChildDirectedTreatment ってフラグを YES/TRUE にしないといけないみたいです。
具体的な実装はこちら (iOS | Android)

我らが AppLovin は、管理画面でアプリごとに ON/OFF を切り替えるだけで OK。
便利!AppLovin 便利!

SSP 経由で使ってる方は、SSP の担当者またはぼくに直接言ってくださいな。
アカウント持ってる方は Monetize タブ → Analytics → 該当アプリを選択 すると、中に下記のチェックボックスがあるよ。
これにチェックを入れるだけで OK

 他にも COPPA 対応してるアドネットワークは多いので、やり方はそれぞれ調べるなり聞くなりしてください。
日本のアドネットワークは...どうなんだろう。知らないや...


ぼくが知ってるのはこんなところです!
ここ違ってるよとか、追加情報がある方とかは、ぜひ教えてもらえると嬉しいです。

Q

2016年8月3日水曜日

続・非ゲームアプリの挑戦 - MUJI passport、すかいらーくのケース

対談記事「しば談: 非ゲームアプリのマーケティングについて語ったよ」にインスパイアされた座談会の書き起こし記事、後編です!

前編はこちら→ 非ゲームアプリの挑戦 - MUJI passport、すかいらーくのケース

[ゲスト]
濱野 幸介さん (良品計画)、神谷 勇樹さん (リノシス)

[モデレータ]
向井 俊介さん (App Annie)、坂本 達夫どん (AppLovin)

[議事録]
高木 千尋さん、芳田 佳奈さん (いずれも App Annie)

<以下敬称略>

MUJI passport の目指す世界とそれに対する打ち手


濱野:MUJI passport の概念なんですけど、なんで passport っていう名前なのかにも通ずるんですけど、元々のコンセプトは「無印良品王国への入り口」っていう位置付けだったんですよ。

坂本:なんか、ディズニーっぽいですねw


濱野:いや、本当に。だから無印良品の入り口への GATEWAY、でも「MUJI GATEWAY」はさすがにないよねって。それに変わるものってなんだろうって考えて「passport」になったんですよ。

坂本:なるほど。世界観出てますね。

濱野:あと今やってて面白いと思ってるのが、タイムラインみたいなのをアプリの中に入れてるんですけど、月間で 200 万人以上が月 1 回は起動してくださってる状態なんですね。

坂本:MAU 200 万人って相当多いですね。母数いくつなんでしたっけ?

濱野:DL 回数が約 700 万、DL した端末でいうと 500 万ちょい。

坂本:全体 DL のうち 30% 以上が月に 1 回は見てるってことですよね。やばいっすね!

神谷:端末買い替えとかあるから割合でいうともっと高いですよね?

濱野:そうですね。同じユーザーの重複 DL を全部カウントして 500 万なので。

坂本:高いですねえ。

濱野:で、200 万人が見てるアプリの中に “from  MUJI” というタイムライン機能があって、買ったことのあるお店やお気に入りしているお店の情報が流れてくる様なものなんですけど。その中には「苔玉のワークショップ」とか「お菓子のワークショップ」が記載されていて、ネット上から予約できる形にしてるんですよ。今までは電話で予約だったのですごい手間だったんですけど、こういう形にしてみたらすぐ埋まるようになりました。

坂本:へー!

濱野:すごい喜ばれてるし、一つの形だよねってなってます。なので、あくまで入り口です。

坂本:ユーザーと接する頻度を高めて、アプリがなかったら年に数回しか無印良品に接してなかった人が、月に 1 回アプリを開いてくれるようになったと。そのあと最終的なゴールは店舗に来ることですか?

濱野:無印良品って商品は「普通に売っているもの」なんですよ。ペンもカレーも、他のところで普通に買えるものが多い。ただ、品目数が多いんですよ、7,000 品目もある。

神谷:だいたい店舗だと全部置いてるもんなんですか?

濱野:旗艦店かどうかによって違います、これは小売どこでもそうだと思うんですけど。有楽町などはほぼフルの品揃えであります。


坂本:逆にそうじゃない店舗は、品揃えは多少旗艦店に劣ると。

濱野:購買は大事ですが、CRM の既存概念にある購買だけでなく、購買の前後の「お店にチェックインした」「ブランドサイトで ”欲しい” “持ってる” した」「くらしの良品研究所で商品の改善アイデアを投稿した」など、購買には至らないがブランドに共感し、ブランドの活動に参加したことをエンゲージメント行動と捉えて「マイル」という形で可視化しています。

坂本:なるほど。

濱野:なのでマイルは金銭的な価値だけでなく、ブランドの参加度合いを測るメジャーとなり、これが多いほど LTV が高くなるという考え方です。

坂本:実際、いっぱい参加してるユーザーは、いっぱい買ってくれるようになるんですか?

濱野:もちろん買ってもくれるんですが、イベントに来るということも一つの大きな体験なので、それをやってくれることを大事にしようという考え方です。それが表れている例としてはチェックイン機能です。日本だからというのもあるんですけど、チェックインができる様になってて、でもお店の中に入らなくてもお店から半径 600m 以内でチェックインできる様になってるんです。

坂本:600m って結構広いですよね。

濱野:広いです。

坂本:有楽町駅に着いたらお店に行かなくてもチェックインできるみたいな。

濱野:そうなんです、それでもいいと思ってるんです。思い出してもらえるから。10 マイル付与しているのですが、それで無印良品のことを思い出してくれるな全然いいと。未だに beacon とかを使わないのはそういう理由です。そういう目的じゃないから。

神谷:それを聞いて自分も真似しました(笑)。

唐突に AppLovin の話を振ってくる AppAnnie 向井さん


向井:AppLovin みたいな動画広告は、ブランドを覚えてもらう・思い出してもらうだけじゃなくて、ダウンロードして、起動して、プレイしてもらって、課金してもらうっていう施策ですよね?

坂本:そですね、ブランディング広告主はほとんどいないです。スマホの動画広告が来るぞ来るぞと言われていましたが、結局去年までは来てないじゃないですか。今までの来るぞ来るぞと今回の違いはまさにその広告主の種類、これまではブランディング広告主を追いかけていたんですけど、去年はパフォーマンス広告主が本格的に動画でお金を使い始めて、ようやく市場が動き始めました。

向井:広告主の目的が、ただ動画を見られれば OK ってだけじゃなくなってきたと。


坂本:AppLovin に出稿している様な広告主は、動画広告から何人のユーザーを獲得しました、そのユーザーからどれくらいの売り上げが出ていて、ROI がどれくらいかというのを見ていて、効果が高ければ単価も上げる。AdWords の キーワード広告に出すノリで出せるようになってきたっていうのが、大きな違いですね。

向井:なるほど。そういう広告主は、継続的に出稿し続けますしね。

坂本:ブランディングって結局効果わかんないじゃないですか、なんとなく担当者と広告代理店の肌感覚で、継続するかどうかが決まる的な。だからスマホ動画広告って、ブランディングの予算を取りにいったアドネットワークが、毎年 1〜2 社没落してたんですけど、パフォーマンス広告主がつき始めた去年からは安定して数社成長してきてるっていう感じです。

向井:1 社が頑張ってるだけじゃなく、市場として伸びてきてるってことですね。

そこから上手くユーザー獲得について話を広げる坂本


坂本:ユーザー獲得でいうと、無印良品もすかいらーくも今の話だと、すでに既存のお客さんが店舗に来ていて、その人たちをアプリに寄せていくという話であって、アプリ起点で新規のお客さんを呼ぼうという発想ではないですよね?

濱野:今はあまりないですね。ただ、今後どうするかというところに関しては議論してます。

神谷:某社でいうと、純粋な意味での新規ってほとんどいないんですよね。

坂本:初めてガストに行く中学生とか?

神谷:若年層も、ちっちゃい頃には行ってるので、純新規ではないんです。むしろ大手の小売・飲食企業だと、新規をとるよりは、年間 1〜2 回来てた人がもう 1 回来てくれるだけで売り上げ 10% 以上 伸びるような企業も多いから、そっちの方が割がいいんですよ。だったらそこをやった方がいいよね、って。

坂本:なるほど。そういうお客さんのほうが数としては多いんですね。

神谷:年間 10〜15 回来てた人がもう 1 回来ても大したインパクトないんだけど、2〜3 回来てた人を 3〜4 回来させることならできるんじゃない?っていう考え方で、そっちを狙ってます。

濱野:無印良品もその考え方です。レジ通過数ベースでプラスもう 1 回するにはどうするか、っていう。むしろ新規って誰?という議論をしているんです。無印良品って認知率 90% 台 とかなので、純粋な新規っていうのはいない。でも、以前ファミリーマートに売ってたのを買ったことあるけど店舗に行ったことないっていう人とか、以前行ってたけど最近行ってない人たちに、どう来てもらうか。今のアプリを拡張した形でどうできるかっていうのを考えています。

坂本:今のアプリは、すでにお店によく来てる人やファン度が高い人に向けてデザインされていますよね?

濱野:そう、だからこのアプリにダイレクトで新規を集客することは考えていないです。無印良品に合う人/合わない人って結構分かれるので。

坂本:例えば 109 の店員さんとかは行かないでしょうね(笑)。


濱野:そうなんですけど、一方でライフステージもあるので、例えばそういう人でも引っ越すときや家族が増えるタイミングで「無印良品にはインテリアアドバイザーっていう人がいますよ」って知ってもらうと「だったら相談してみようかな」ってなるかもしれないですよね。そういう時節のタイミングを捉えて、「1 回来てもらう」ところはちゃんと設計しなきゃねとなっている。

坂本:なるほど。

濱野:そこから先は MUJI passport でいいと思うんですけど。その辺がゲームと違うのかなって思いますね。

神谷:GREE でゲームやってた時は、いかに少数にお金を使ってもらうか、というところを考えていましたからね。10 万円以上月に使ってくれている人がお客さんだった世界から、年間で 2〜3 回来店して 2,000〜3,000 円しか使ってないお客さんに、もう 500〜600 円使ってもらうっていう。業界や業態によって引けるレバーは違うなって感じですね。

濱野:元の話に戻ると、みんなスマホ使うようになって 80% の時間はアプリを起動していてブラウザ閲覧は減ったし、20 代女性を増やしたいという課題が明確に無印良品にあるわけなので、アプリやモバイルを意識しないという手はない。打ち手の 1 つとしてアプリがあるし、あんまり自社アプリにこだわってるわけでもない。他のアプリに出現しても構わない。そういう意味での bot というものはあってもいいし、例えば LINE で繋がっているお客さんには LINE 上で ID を表示できたりしてもいい。

神谷:環境やタイミングによってベストは変わると思うんですが、小売とか顧客接点を持ってる会社だとアプリがいいかなって感じはある。

アプリ上での売上を伸ばそうとは考えないのか?


坂本:アプリは CRM ってお話でしたが、無印良品って WEB で直販もしてますよね?アプリでそこ伸ばそうっていう考えはないんですか?

濱野:無いことはないんですが、重要なポイントとして、無印良品のネットストアの売り上げ、EC 化率は 7-8% しかないんですよ。日本の小売業界全体で 4-5 %くらいなので、まだ僕らでも上の方です。

坂本:一般からすると高いですよね。

濱野:そうですが、リアルの売り上げが 9 割なので、そこに対して EC 的なアプローチで解決できるものがないか、という考えをしています。EC っぽい買い方ができる様にしていかないといけないが、9 割に対して何かできることないんだっけ?と。例えば、Apple Store の Easy Pay みたいなもので、リアル店舗だけど自分の端末で決済する、というのはあってもいいと思ってます。

坂本:EC でいうところの「決済のステップを減らしてレジの通過率を上げましょう」みたいなことですよね?

濱野:そうです。何より大きいのはレジ待ちを減らせるんですよ。無印良品週間の時とか、お店のセールが重なると行列がすごく長くなってしまうんですよ。

坂本:おぉ、そうなんですね...

濱野:ルミネの店舗とか、ルミネ自体の 10%OFF と重なるから店外まで並んじゃうんですよ。


経営レベルにどうモバイル化・アプリ化・IT 化を認めさせたか


坂本:お 2 人とも外部から入ってきてるわけですが、web 化やアプリ化とかって「出来る人がいない問題」ってあるじゃないですか。

神谷:僕がすかいらーくに入ったときは絶妙で、それまでできなかったことが色々できるようになったタイミングだったんですよね。データ分析だと Redshift が出てきたり、アプリのトラッキングツールが出てきたり、ようやく色々できるようになった時代にたまたま入ったんで。3 年前だったらわからなかったなというのはある。

坂本:データ分析は何を使われてますか?

濱野:だいたい一緒です。Amazon Redshift, Tableau をベースに、大量の生データをそのまま蓄積するために Treasure Data 使ったり、Adobe Analytics を組み合わせて Redshift 上で集計したものを分析してるっていう感じです。多人数で展開する場合は Redshift から Microsoft Azure 上の SQL Server や ウィングアーク 1st 社の MotionBoard など別のツールに移して使ってます。割と普通です。

坂本:何のデータをとって、どう貯めて、どう分析するかは、入社後にご自身で決められたんですか?

濱野:はい。Redshift, Tableau は、入っているのが普通なんですよ。ただ問題はどこまで分析できているか、そこは差が非常に大きい。

神谷:Excel が PC にみんな入っているのと一緒。マクロも使いこなしてる人もいる一方で、電卓で計算してから Excel に打ち込む人もいる、みたいな。


濱野:無印良品では週 1 回マーケティング系の役員も出る会議があって、その中で役員にとって刺さるような分析結果を差し込んでます。例えば、「何人が 2013 年度に獲得して翌年何割が休眠してしまったか?」といった、レジだけでは取れない、現場もなんとなくでしかわからないデータとか。

坂本:それは経営レイヤーには刺さりそうですね。

濱野:また、「ネットストアの商品情報を見てからリアルの無印良品の店舗で買う人って何%くらいいるのか?」を数字で出したら、100 人中数十人だったんですよ、びっくりしちゃって。

坂本:驚異のコンバージョン率!

神谷:WEB とか適当に「こんなかんじでいいや」ってやってるとこも多いですけど、そうじゃないかもですね。

濱野:これ見た瞬間に、だったらもっと ネットストア上の商品情報に 集客しなきゃって話になりますよね。「購買する場所としてのネットストアだけじゃなくて、実店舗も意識した商品カタログ整備するのが大事なんだね」って、瞬時に役員と目線が揃うんですよ。

坂本:経営レベルではどこに投資するのが最適かって考えなきゃいけないのに、現場が自分の管轄だけ伸ばそうって思ってると、実は大きく伸ばせるレバーに誰も手をつけない、っていうことが起きちゃいますよね。

神谷:そうですね、そういうのは結構ありますね。

アプリ化はゴールではなく...


坂本:神谷さんは今、すかいらーく以外のいろんなとこを見てるんですよね?

神谷:すかいらーくはやめていて、今の仕事でもタッチはしていないです。

坂本:新しいクライアントと関わり始めた時、ステップとして何をどういう順番でやるんですか?

神谷:ケースバイケースですが、まず何をやったら売上が伸びるのかを考えます。初めはデータではなく、ディスカッションしながら、多分こういうところかなみたいのを頭の中でイメージをつけて、当たりをつけに行く感じです。

坂本:ディスカッションする相手はどんな人ですか?

神谷:色々です。マーケサイドの人もいれば経営陣もいれば IT みたいな人もいます。

坂本:色んな人に話聞いて、こういうビジネスモデルで、こういうフローになってるから、ここが一番詰まってるポイントだから直そう、って課題を探して解決してくみたいな感じですか?

神谷:そうですね。


濱野:無印良品の時も最初そうでした。送客 (店舗への集客) できなきゃ意味ないんですが、会員のデモグラ分布がこうだよねっていうのを見せながら、この人たちにこういうインセンティブでこういう刺激をしたらこういう数字の動きが生まれそうで、販管費とか含めると P/L インパクトはこうなりそうで、最低限だとこれくらいかなと損益分岐を示しながらディフェンスする、っていう。総合格闘技みたいなイメージ(笑)。

坂本:いち事業責任者として P/L を全部見るみたいな?

濱野:そうですね。

神谷:よくある話で、重要な観点としては「自分のお金突っ込んだとしてもやるのか?」ってところがあって。実現するのか?リターンはあるのか?いつぐらいにリターンが帰ってくるのか?などいろんな意見を出して、実現性とリターンの大きさでマッピングして、大きいところからやっていく。

濱野:アプリ企画という感じでもないんですよね。

坂本:お話伺ってると、経営コンサルをしていて、結果たまたまアウトプットがアプリでしたっていう感じがしますね。

神谷:そうですね。いろんな課題があるんですけど、ネットの世界を色々見てきてるのでこういう課題って多分こうやったら解けるよな、こう改善できるよね、というのが想像がつくわけですよ。それがたまたま出口としてアプリだったという。広告宣伝費の費用対効果なんて、ソシャゲ時代から TVCM の効果検証でさんざんやりましたからね。

坂本:GREE さん、その辺の対応は早かったですし、かなりきっちりやられてますもんね。

神谷:GREE は突っ込んでましたから(笑)。そんな感じで知見や経験を生かしながら、マーケティングだけじゃなくてオペレーションとかの問題も含めてどうやっていくかという方向から考えています。

濱野:日本のアプリあるあるだと「アプリ作りたい」から始まっちゃってる。なんかモバイル!なんかアプリ!ってなって。ちょっと待ってよ、と。

神谷:そうそう!そうそう!

坂本:確かに、ぼくがいた当時 (2008-2011 年) の楽天でも「全事業部アプリ作れ」って指令がおりてきて、作ったことある人誰もいないのに全事業部が作ったってことがありました。

神谷:アプリだけじゃなくて、最近だとこないだ「Pepper に喋らせたいんだよね」っていう案件の相談がありました。目的を何度聞いても「Pepperに喋らせたい」と。打ち手から入ってきちゃっているんですよね。

濱野:アプリ作ること自体が目的化しているケースは多いですね。

坂本:以前、大手の非ゲーム企業数百社に対して何個アプリがあるのか調べたら、6,000 個とかでてきたんですよね。誰一人プロモーションにお金使ってないし、こんなアプリあったんだ?っていうアプリが山ほど出てきてびっくりしたことあります。

濱野:たまに相談を受けますが、アプリにする必要あった?というものも結構多いし、頑張ってプロモーションしない方が正解なんじゃないかという時もある。そういう時はアプリと WEB の役割ってどうしたらいいんでしたっけというところから話したりします。


坂本:「アプリを使ってお客さんにはこうなってほしい」というのがスラスラ出てくるほうがレアケースかもしれないですね。

神谷:さっきの Pepper の例も、その前にアプリをゼロから作り直した方がいいよねという事例だったんですよ。Pepperも「店舗での接客をどうしていくか」という文脈の中でそれが必要な企業ももちろんあって、そうであればぜひやるべきなんですが、先ほどの例ではPepper やること自体が目的になってるんですよね。

対 Amazon をどう考えているのか?


向井:お 2 人に聞きたいのが、Amazon が最近プライム会員フックですごい勢いでユーザー数増やしているじゃないですか。日本のリテール出身のお 2 人から見て、こういうグローバルのリテールが日本の可処分所得や時間をとってるのはどう見てるんですか?

App Annie 向井さん

濱野:事情が違いますからね、無印良品はメーカーでもあるので、モールとは相性悪くないんです。究極的にはお店はショーケースになって、イベントでコトを消費してもらって、それでもいいかもしれない。

坂本:なるほど、別に無印良品として Amazon とか楽天で売ればいいって話ですもんね、いちメーカーとして考えると。

濱野:けどその他の小売事業者にとっては、正直きついと思う。特に小売って、リアルのお店は何したらいいんでしょうねっていうのを議論しておかないとやばいと思う。

神谷:小売はきついんじゃないですか。

濱野:Amazon が外資だからっていうよりも、ユーザーがデジタルにシフトするという観点で考えておかないときついと思う。

向井:逆に、Amazon が EC の観点で伸びたのはなぜだと思いますか?

濱野:利便性とエコシステムじゃないですかね、出品者も買う方も。買う方は最も欲しいものを勧めてくれるし 1 click で買えるし、出品者からも出荷とかやってくれるのは楽。双方にメリットがあるようになってる。

神谷:僕はどっちかっていうと利便性だと思う。エコシステムは利便性のためだし、(利便性が極まると) 値段をほぼ見なくなるから。某オンライントラベルを比較して消費者アンケートしたことがあるんですが、それぞれに定着したファンって「こっちの方が絶対安い」と信じ込んでるんですよ。本当は安い時もあれば高い時もあるのに。そこまで達すると勝ちだなって。

坂本:もう信者みたいになっちゃってると。

神谷:そういう状況になっちゃってるのが今の Amazon なんじゃないかなと。そこまでは色々頑張る必要はあると思うんですけど、競合の価格より安くするとか、セールをやるとか。いかにそういう状況を作れるかっていう話で、Amazon はそれを作っちゃった。他がひっくり返せるかっていうと大変。小売を自社でガチでやっているところは、そういう意味では、リアルの接点をレバレッジしないとダメだなと思ってます。

坂本:個人的に面白いなって思ってるのが「北欧、暮らしの道具店」 (http://hokuohkurashi.com/)ですね。考え方としては無印良品に似てますよね。

濱野:似てますね(笑)。

北欧、暮らしの道具店

坂本:EC なんですけど、全国民にそもそも届けようと思ってなくて、「うちの強いファンになってくれる人に届けます」みたいな世界が理想とするところで、その人たちは同じものがより安く Amazon に売ってたとしても「北欧、暮らしの道具店」で買います、みたいな。そういう世界観を伝えるための Web や、SNS を使ったお客さん誘致やブランディングで。Amazon とガチンコで戦うっていうよりは、必ずしも正面から戦ってはないけど生き延びてる。「その層のお客さんをとる」っていう戦いでは勝ってる。

濱野:無印良品でも結局同じで、何かっていうとコミュニティなんですよ。無印良品の商品すごくいいんだよって言ってくれる人がいて、勝手に NAVER まとめとか作ってくれて。ステマじゃないですからね(笑)。

坂本:すごいですよね、ユーザーさんが自分で作ってて。

濱野:そうなんですよ、だからそういうことだと思ってて。「1 億人の 3% を狙ってマスの媒体に打つ」っていうんじゃなくて、「100 万人の人に周りの 3 人に紹介してもらう」っていう感じのやり方が 無印良品 っぽい。多分「北欧、暮らしの道具店」も一緒なんですよね。インスタグラムのフォロワーもすごく多いでしょ?そこでジャムとか出した日に即完売するケースがあるとききましたよ。

坂本:ジャム作ってる工場見せてもらったことありますよ、国立で。スタッフも、元々ファンだった方とかを年間で一括で中途採用したり、よくわかんない...もといユニークな取り組みをやっててw

一同:へー!


濱野:面白いんですよ。

コミュニケーションの道具としての動画の活用


向井:世界観って話になると、動画ってすごく強いじゃないですか?今までの広告のモデルってなかなか世界観を伝えられないっていう一方で、動画になることでそこのメッセージって込められると思うんですけど、濱野さんからみたときにオンラインで動画で世界観を伝えるような広告を打つとかってありなんですか?

濱野:あるかもしれないけど、今の無印良品の状態だと単純な「広告」は難しい。一方で、実は無印良品の動画コンテンツってすでにかなり多いんですよ。MUJI to GO (http://www.muji.com/jp/mujitogo/) を見てもらうと、15 秒ぐらいの商品ごとのムービーがたくさんあるんですが、それらを通して見ると、全体で見ると旅に出るってストーリーになってるんですよ。



坂本:おー。メモを書いて、荷物詰めて、空港に行って、みたいに動画が流れになってるんですね。

濱野:「to GO」なんでトラベル用品のラインナップなので。それをソーシャルに流すときはひとつひとつの商品ごとムービーを流すようにしています。だからある意味その 1 つ 1 つが広告っちゃ広告なんです。今は出し先が SNS ってなってますけど。結構面白いですよ、見てると。

坂本:このサイトはここからそのまま購入できるんですか?

濱野:リンク先がネットストアになっているのでそこから購入、という導線ですね。視聴回数がどれくらいあるか、シェアされてどれくらい広がっているか、とかはずっと測定してます。

向井:ここからユーザーがどういう風に遷移していったかっていうのは全部測ってる?

濱野:いや〜ユーザー 1 人 1 人のレベルは難しいですね。ソーシャルに掲出したりすると測れない指標とかもあったりするんで。オーガニックとバイラルのリーチ数とかは当然見てるんですけど。無印良品に合いそうな人たちに提示するっていうのを、広告とは言わないで、「コミュニケーションだ」と体験含めて昇華させていけるなら、広告もありだなって感じですね。

神谷:言い方の問題は結構大きいですね。

向井:神谷さんがこれからリノシスとしてやろうとしている事業って、今までにない小売店でのロボットの活用とか、動画とかも、いわゆるプロモーション方法として考えてらっしゃるんですか?

神谷:プロモーションというか「どうお勧めするか」の工夫の余地は結構あるなと思ってて。

向井:お店で?

神谷:お店で。例えば、料理って匂いがメニューで伝わればいいんですけど、なかなか難しいんで、目から入れるっていいなっていうのはあります。静止画ではなく、肉が焼かれているジューっていうシズル感溢れるものを訴求すると、結構変わるんじゃないかなって思ってます。

濱野:わかる。最近すごい TASTY (https://www.facebook.com/buzzfeedtasty/) 好きで。すごい見ちゃうんだよなあ。

神谷:接客をどう人じゃなくてもできるようにするのかという中で、動画ってひとつ大きいとは思ってるんですよね。それとはちょっと違う話として、色んな外食の人と話すんですけど、「埋もれてるバリュー」はあると思っていて。「本当はこれもっと伝えたいんだけどなあ」みたいな。例えばガストだったら保存料や添加物はほとんどゼロでやってるとか。

一同:へー!知らなかった!

神谷:でしょ?安全なんですよ。しかも冷凍ってほとんどないんですよ。

一同:へー!

坂本:意外だ。超先入観ありました。

神谷:でしょ?っていう。もったいないんですよ。賞味期限とかも超短くて、平均 3 日経ったら廃棄してたり。だから管理大変なんですよ。前日発注で、朝の午前 3 時からセントラルキッチンで作り始めて、毎日お店に運んで、で、あの値段。だから普通の家庭の冷蔵庫よりフレッシュなんですよ。

一同:確かに!言われてみれば。

神谷:実はフレッシュなものが揃ってるし、添加物も使ってないし、安全でいいものを使ってるんですけど、それが伝わってないから伝えたい。じゃあどう伝えるのがいいかっていうと、色んなやり方があるんですけど、コミュニケーションの強さとして動画というのはやっぱりあると思ってます。

坂本:作り込みの難しさはありますが、メッセージの伝わる強さはありますもんね。

神谷:テクノロジー使って解決できることはいっぱいあると思ってて。それこそ、チェーンレストランのオペレーションって、セントラルキッチンで下準備された食材が来るから、店舗での簡単な調理や盛り付けだけならロボットとかで結構できるはずなんですよ。

向井:実際、自動のロボットありますからね、バーミヤンでチャーハン炒めるロボットとか。

坂本:バーミヤンまじっすか。はんぱないですね。

神谷:でもあれって残念ながらハードウェアなんですよね。日本ってものづくりって言われてますけど、逆に言うとソフトウェアがないっていうとも言えるんで、そこにソフトウェアいれてフィールドワークかければ、効率化って面からもクオリティって面からも結構面白いことできるはず。っていうのを今、会社立ち上げてやってます。

坂本:そういうことをやる会社なんですね!

神谷:ミシュラン一つ星のクオリティを、チェーンレストランで 1,000 円札 1 枚で出せるようにするっていうのがミッションです。要素技術が結構あるんで、あとはやるだけっていうかんじです。

坂本:相当面白いし、でも相当高度ですね!

レガシーな会社のデジタル化で活躍できる人材とは?


坂本:1 つ聞きたかったのが、アプリとかデジタルのことがあんまりやれていないレガシーな業界や会社、いっぱいあると思うんですけど、どういう人がそういうところに入ったら面白い、入ってきてほしいというのはありますか?

神谷:色んなところで言ってるんですけど、ソシャゲーやってた人だと思います。絶対活躍できると思います。

坂本:ゴリゴリ分析して改善して〜みたいなことですか?

神谷:ネットサービス系だったらどこでもいいのかもしれないですけど、「何を使えば何ができるか」の土地勘があると思うんです。既存の事業を disrupt するようなときに、レガシーな企業には攻めの IT を上手く活用できる人がいないんで。今までの基幹系とか会計系とか受発注とかとは違うじゃないですか。それはそれで必要だし、これからも必要なんですけど、スキルやマインドセットやノリが違うものが求められるので、「IT 担当」ってくくりで同じ人がやっちゃいけないよねっていう話です。

坂本:攻めはフォワードにやらせるべきだ、と。

神谷:で、一番攻めてた人がソシャゲーの人間になるんじゃないかなと。

坂本:そういう人たちはレガシーな会社に行きたいんですかね?会社の風土とか仕事のやり方とか、全然違いますよね。

神谷:めっちゃ違いますよ。だからそこのハードルはあるんですけど、小売でも飲食でも今のままだと、働き手が減っててつらいんですよ。今日の日経でもあったんですけど、パート・アルバイトの人件費がどんどん上がってて。

坂本:都心のほうとか「え、バイト?」ってくらい時給高いですもんね。

神谷:でしょ?それだけ人がとれないから。毎年数パーセント上がっていってて、これが 5 年続いたら時給いくらになるんだっけという世界。このままいったら本当に崩壊する。っていうなかで、何か変えなきゃいけないというのを、今の常識でやってる人たちじゃ解決が難しいところがあって、ここに切り込んでいく人がいたら面白いなあっていう。

濱野:外からの外圧がないと難しいと思いますね。違う観点で言ったら、ネットショップの店長やってて、昔リアルのコンビニで働いた経験もあって、経営者と話せる人とか。中の人間だけじゃ変わらない。小売の事業会社ってすごいローテーションするんですよ。お店いったり、本部行ったりして。結果、専門職は育ちにくいかもしれないですね。

坂本:極論、何でもそれなりにしか知らない、会社の中のことだけ詳しいです、みたいな人が育っちゃうと。

濱野:無印良品は多分変わってるんですよね。今のメンバーが感度高すぎて、多分僕いなくてもなんかやってただろうなって。全然別の形だったかもしれないけど「さすが無印良品だね」っていわれることをやってたと思いますね。さっきのムービーも僕自身は全く携わっていないです。直接メンバーがクリエイターの方達とやってました。

向井:それって根本にあるのはなんなんですかね?ブランドを愛するところがあるからですか?

濱野:それもあると思いますけど、もともと無印良品って「オブザベーション」というものをやってるんですよ。実際にお客さんの自宅を訪問して、生活しているところを観察するとかっていうのを、昔から。本当に顧客に寄り添ってて、顧客の変化に敏感なんです。

坂本:IDEO っぽいですね、顧客の観察から入って。

濱野:うん、昔からですね。ネットの時代の前からずっとオブサベーションやってる。ネット関係ないんですよ。

向井:こういうところがもっと増えてきたらいいんですけどね。

濱野:だから再現性ないって言ってるじゃないですか(笑)。

神谷:いやでもやり方が再現性ないだけで、考え方としては再現性高いじゃないですか。

濱野:いやー、ハードル高いですけどね(笑)。で、さっきの話に戻りますけど、現場の感覚って大事だし、ネットってこういうもんだよねっていうのを「店長」の感覚で知ってて、さらに経営者とも話せるって、ハードル高いですよね。でも、現場をゴリゴリにやってたネットショップの店員のほうが、レガシーな会社は変えられそうな気がする。数字の感覚もあるし。

神谷:その辺が立ち上がってくると変わるんでしょうけどけどね。EC 化率 5% とかっていう数字だとなかなか変わらない。

向井:これが発信されてどういう反応になるのか…!楽しみですね。

坂本:濃すぎる、長すぎる、カット箇所多すぎる対談でしたが、非常に楽しかったです。ありがとうございました!


前編はこちら→ 非ゲームアプリの挑戦 - MUJI passport、すかいらーくのケース

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