ラベル Google の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Google の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019/08/25

アプリストアのスクリーンショットを変えてCVRを2倍にする方法 #ASO #アプリマーケティング

ASO に関するマニアックな知見を深掘った記事が一部界隈で人気の、知る人ぞ知る職人集団・リバティーンズ社
今回さらに ASO の中でも「スクリーンショット」という一要素にフォーカスして、詳しく話を聞いてきました。

え、スクショだけでこんなに内容あるの...?
ってぐらいのボリュームあるので、業界関係者の方はぜひ最後まで読んでみてください。
手前味噌ながら、けっこう面白いです!笑

ではいつも通り、インタビュー形式でどうぞ!



スクショってどうして大事なの?

ぼく:そういえば先日 Apple と一緒にやったセミナーどうでした?

リバティーンズ社 堂道さん (以下「堂道」):初めてのセミナーでめちゃ緊張しました。色々ボケたり笑いも取りつつ真面目に話したかったんですが、ほとんどボケられなかったです。

ぼく:セミナーでボケてスベるとほんと辛いんで、やらなくてよかったと思いますよ。


堂道:ただ言いたいことは伝えられたのかなとは思いますが...。この記事で補足できると嬉しいです。あと Apple の瀬尾さんはやっぱりすごい方でした。

ぼく:元 Google, Twitter のレジェンド・瀬尾さんですね。Apple の人ってセミナーとか出るんだ〜、ってちょっとびっくりしました。

堂道:勉強になりましたね。次のセミナーでは今回の反省点を活かしてがんばります。

ぼく:では今日の本題です。新しいアプリをダウンロードするときに、ぼくから見ても「スクショがイケてないなぁ」って思うことがあるのですが、ASO (App Store Optimization = アプリストア 最適化) 観点から見てもスクショって重要ですよね?

堂道さん feat.ハンバーガー

堂道:重要です。ASO は「インプレッションの最大化」と「CVR の最大化」の 2 つの両方を達成しないといけないのですが、プレビュークリエイティブ、いわゆるスクショは後者の CVR のほうに効いてきます。

ぼく:ふむふむ。ってことは、キーワードの順位だけ上げて「ASO できた!」って言ってるのは不十分?

堂道:その通りです。テキスト改善によってキーワード検索順位を上昇させ、ストア内でのインプレッションの最大化を達成できたとしても、実際にインストールまで繋げられないと意味がないですよね。

ぼく:検索でユーザーにアプリが露出されたとき「インストールされるか」に影響を与えるものがスクショなんですね。

堂道:だけではないですけどね。説明文の内容や、ユーザーレビューのスコア、アイコンなんかも CVR に影響を与える要素です。ただ、プレビュークリエイティブはその中でも影響が最も大きいものの 1 つです。

ぼく:やっぱそうなんですねー。

リバティーンズ社 中島さん (以下「中島」):例えばこれは一例ですが、海外のストアで「dating game」って検索した時に上のスクリーンショットと下のスクリーンショットどちらがわかりやすいか、という話です。上のほうが視認性高いですよね。

↑検索結果1位
↑検索結果2位

ぼく:1枚目のほうは、なんというか、1m 離れて見てもなんのゲームか分かりますね。

中島:そうですね(笑)。アプリがユーザーに表示されたあと、コンバージョンへのユーザーのモチベーションを支え、つなげる役割をスクショが担っていると考えています。

ぼく:スクショが悪いと、せっかくアプリがユーザーの目の前にあっても、目に止まらなかったり、「アプリ DL したい」っていう元々の気持ちが冷めちゃったりするわけですね。

中島:その通り。また、ここで言うコンバージョンとはインストールのみならず課金やリテンションなど、インストール後のユーザー行動まで含みます。

中島さん feat ハンバーガー

ぼく:なーるほど。運良くアプリを DL してくれたとしても、「このアプリすげぇ良い!使いこなしたい!」みたいな気持ちではなくなってしまうと。スクショがショボいと。

堂道:そういうことですね。なので、ストアクリエイティブは課金やリテンションにまで影響を及ぼす重要な要素であると言えます。

ぼく:深いなぁ。付き合い始めの男女が、すでに気持ちがちょっと盛り下がってるカンジに近いですね。

中島:ちょっとよくわからないです。

スクショ改善の TIPS


ぼく:スクショのクリエイティブを改善するって一口に言っても、単にデザインをオシャレにするってだけの話ではないんですよね?

中島:はい。デザイン性も低いより高いに越したことはないのですが、それより大事なこと、考えないといけないことがいくつもあります。

ぼく:差し支えなければ、そのへん詳しく教えてもらえたり...

堂道:っていうか今日の会ってそういう趣旨ですよね(笑)。

ぼく:いいんですか!?やった!!

ここのハンバーガー美味ぇ

中島:まず、ツールアプリなのかゲームなのかで、少しずつ最適な作成方法が違います。ツールアプリは機能を訴求し、ゲームアプリはゲーム内容だったり世界観を訴求したほうが効果がよいです。

ぼく:なるほど。非ゲームなのに、そのアプリで「出来ること」ではなく「世界観やビジョン」を推しちゃったり、ゲームアプリなのに機能を全面に押し出したりするのは、効果悪くなることがあるってことですね。

中島:そうです。例えば非ゲームアプリの場合、検索結果からいきなり詳細ページに行く前に、いくつか検索上位のアプリをスクロールして眺めたりしないですか?

ぼく:しますね。その中で気になったものだけ詳細ページを見にいきます。

中島:なので、スクリーンショットの視認性を高めることによって、詳細ページに至るまでのクリック率を上げることができます。

ぼく:なるほど。これ重要ですね。

中島:また、詳細ページに行かなくてもアプリのコアとなる特徴を強く押し出すことで、検索結果一覧ページからの直接のインストール(コンバージョン)を増やすことも出来ます。

ぼく:あー確かに。こんな機能を持ったアプリが欲しい、って明確な目的を持って検索してる場合とかは、1 枚目のスクショだけ見て問題なかったらすぐダウンロード、ってやるときありますね。

中島:なので、どんなキーワードで検索されたときに自分のアプリがよくダウンロードされているのか、っていうのを把握した上で、そのユーザーの検索欲求を満たす内容をプレビューに含めるというのは大事な ASO のテクニックです。

これとかスクショ上手いよね、みたいな話をしてる

ぼく:なるほど。スクショのところに動画を入れるのはどうなんですか?

堂道:ゲームに関しては静止画より動画のほうが良いことがあるので、そこの PDCA も回す必要がありますね。

ぼく:あれっ、動画のほうが絶対良いよ、ってわけではないんですね。

堂道:そうですね、実は 100% そうとも言い切れなかったりします。

ぼく:意外だ。他にどういう TIPS があるんですか?

堂道:アプリに関わらずほぼ共通するエッセンスとしてはこんなかんじです。
  • キーワードの掲載
  • ユーザーにとって具体的な表現
  • 重要なところをフォントサイズや色を変更して強調
  • アプリ内画面を訴求
  • スクリーンショットの配置

ぼく:多分いつものパターンからして、1 回外注していいの作ったら終わり、とはならないんですよね?

堂道:そうですね、それらを色々仮説立てしながら PDCA を回す必要があります。なので、数字を見ない・見れない立場の人や業者が担当するのはダメなんですよね。

ぼく:いわゆるグロースハッカー的なアプローチが必要なんですね。

堂道:その通りです。実際我々が過去に改善を手がけた事例で、ツールアプリで CVR が 150% 増、ゲームアプリで 300% 増になったものもあります。具体的なアプリ名を公開できないのが心苦しいです。

ぼく:ちゃんとやらない場合の機会損失は相当大きいですね。案件名はこっそり教えてください(笑)

教えてもらったのですが名前出せないので、ハンバーガーの画像をどうぞ

OS ごとの違いにも注目


ぼく:ぼく iPhone 使いなので、勝手に脳内で App Store を想定してたんですが、これ Android でも同じですか?

堂道:考え方は同じですが、iOS と Android ではクリエイティブ面で重要となる場所が異なります。

ぼく:といいますと?

中島:iOS はスクリーンショットが最重要ですが、Android はアイコンの重要性が iOS よりも大きいです。

ぼく:そうなんですね。Android ユーザーのほうがアイコンをよく見てるってことですか?

中島:ではないですね。iOS は基本的にはインストールは検索結果一覧の画面から発生します。キーワード検索ではない、カテゴリ検索でも基本的には同じ UI です。

ぼく:そうっすね。

中島:Android は実は検索結果画面以外の流入経路が iOS より多く、より目立つんですよ。例えば、アプリストア側で用意している特集コーナーや、類似のアプリなど。

ぼく:確かに、そういうの多いですね。

中島:そういった枠では、アイコン以外に注目されるポイントがないため、アイコンがより重要になります。

「google play 2019」の画像検索結果
一階層奥に入らないとスクショが出てこない Google Play

ぼく:iOS でも「その他のおすすめ」って欄ありますけど。

中島:アイコンが占める面積が Google Play よりも小さく、アイコン以外のタイトル・サブタイトル、もしくはカテゴリ名といったテキストが目立つため、アイコン改善によるインパクトが Android よりも薄いんですよ。

ぼく:なるほどおお。ここもっと詳しく聞きたいけど時間もないので、次のインタビューでお願いします。

さぁスクショの改善を始めよう


ぼく:これ実際にスクショの改善するってなったら、何から手をつけたらいいんですか?

堂道:Android は Google Play Console の機能で A/B テストがあるので、Android のみでやりがちですが、両 OS でやることが理想です。

ぼく:iOS か Android かどっちかだけじゃダメですか?

堂道:やっぱり理想は両方やることですね。ユーザー層が違えば、前述の通りアイコン・スクショが見られる場所も機会も違うので、OS によって違う結果が出ることがあるためです。

中島:両 OS で AB テストを回すと、OS ごとに最適なスクリーンショットが出来あがります。

「ポテトくれよ」「ちょww」

ぼく:でも、iOSはどうやってA/Bテストやるんですか?

中島:iOS は Apple Search Ads のクリエイティブセット機能を使うことで PDCA を回せます。Android はさっきも言ったとおり Google Play Console  にその機能があることは多くの方がご存知かと思いますが、ASA (Apple Search Ads) でも PDCA が回せるのはあまり知られていないのかなと思っています。。

ぼく:クリエイティブセットを使えば iOS でも A/B テストが…!しかも ASA で回すから、ポイントとして挙げられていた〈キーワード〉や〈表現〉など、スクショの中でどの要素を推すのかを決めるための検索広告のデータも得られちゃうんですね。

中島:ですです。なんの根拠もなく勘だけでPDCAを回そうとすると結局うまくいかないことが多いから、そこも注意が必要なんですよね。

ぼく:そのへんの運用・改善ノウハウがない場合は、リバティーンズさんにお願いすればいいんですよね。

堂道:はい。以前から記事に書いていただいているので坂本さんはご存知だと思いますが、我々は広告運用のところで手数料をいただくだけで、スクショやアイコンの改善はもちろん、ストア内でのキーワードの順位上昇というサービスも無料で行っています。

ぼく:広告運用だけやってくれる代理店よりもお得ですね(笑)。

堂道:運用部分でも実績が多いのできちんとパフォーマンスは出しますが、検索広告のミソはそこから得られたデータをどう ASO に活用するかですからね。どちらかしかやらない事業者を使うのは勿体無いです。

ぼく:理解できました。今日も色々教えていただいてありがとうございました!記事書くたびに「紹介してくれ」って連絡をたくさんもらうので、今回も多分いっぱい紹介をお願いすることになると思います(笑)。

また忙しくなっちゃいますね(ニヤニヤ



こんなかんじです!

リバティーンズさんのサイトはこちら
 
紹介ご希望の方は、フレンドの方は Facebook のメッセで、それ以外の方は Twitter @tatsuosakamoto (DM 開放してます) までお気軽にどうぞ!


Q

2018/09/22

中田英寿と就職活動

AbemaTV で『中田英寿20年目の旅 セリエA在籍5クラブを訪ねて』というドキュメンタリーが無料で公開されていたので、約 2 時間弱、食い入るように観た。


人に聞かれたらしばしば答えているのだが (多分この blog では書いてないと思う)、ぼくが新卒ファーストキャリアで楽天を選んだのは、「中田英寿が高校卒業後にベルマーレ平塚を最初のクラブにした」という選択に大きな影響を受けている。

高校時代から年代別の日本代表に選ばれていた中田英寿は、高校卒業時には J リーグの 14 チーム中 13 チームからオファーがあったそうな。
いわゆる名門チームに入るという選択肢もあった中、ベルマーレ平塚を選んだ理由は大きく以下の 2 つだったとのこと。

①チームが若い
②イタリア留学を認めてくれた

①をもっと細かく分解すると、上下関係があまり無く自由な雰囲気である (自分に合っている) というのと、(実力さえ示せば) 主力として試合に出やすいということ。

②は、当時から世界を意識していた中田英寿の考えにベルマーレは理解を示し、短期とは言えユベントス留学を確約してくれたとのこと。

いずれも、短期的に「今どのチームがベストなのか」ではなく、中長期的なキャリア (日本代表で活躍することや、海外リーグへの移籍など) を見据えて、そのために必要なものが何か (試合に出ることを通じた自らの成長、日本代表や海外のチームへのアピールの場、ストレスなく練習・試合に集中できる環境、など) を逆算して考えてのことだ。

最終的に入社した楽天のほかにぼくは、ミキハウスと Google から内定をもらっていた。

 
就活で色々な会社を見て、年齢に関係なく大きな仕事を任せてもらえるのは、「オーナー企業でビジネス規模が大きい会社」か「ネットベンチャー」だと考え、最終的にご縁があったのがその 3 社だったのだ。

子供服はその中でいうと、比較的自分が新しいバリューを生み出すのが難しそうだなと思った (インターネットサービスと比べると、新しいサービスやビジネスを創り出せる自身がなかった) ので、Google と楽天に絞った。

どうするかかなり迷っていたある日のこと。
2 世代上で新卒で楽天に入っていた、今でも尊敬する東大出身の先輩とお話する時間を、人事にセットしてもらった。

そのときに言われたことの 1 つを今でも不鮮明に覚えている。(つまりうろ覚え)

「Google とか、日本中の頭いい人から選抜されたやつらが同期になるのに、きみ (ぼくのこと) その中で目立てるぐらい頭よかったりするの?

「楽天は正直、頭より体力と気合で勝負するタイプが多く入ってくるから、東大出身でそれなりに頭よかったら、目立つチャンスは多いよ

確かに!
そっちのほうが若いうちから「試合に出れる」チャンスが多そうだ!

そう思ったぼくは、スーパースターが集まる (と思っていた) 銀河系軍団 Google の内定を丁重にお断りして、(2008 年当時、しかも東大からの新卒という文脈においては) ベルマーレ平塚の楽天に入団することにしたのである。

 
(ちなみについ最近聞いた話、Google が日本で文系の新卒採用を始めたのはぼくの代 (2008 年卒) が初めてだったのだけど、内定辞退はぼくが第 1 号だったらしい!)

えらく失礼なこと書いてる自覚はあります。
気を悪くされた方いたらごめんなさい。
あくまで世間知らずなぼくが、学生だった当時に思っていたことです。笑

まぁ実際フタを開けてみると、2008 年の楽天新卒同期 170 人弱で東大卒は片手で数えるほどしかいなかったし (その後年を追うごとに増えていった)、新卒採用始まって以来初めて、経営企画系の部署にいきなり配属されたり (アオアシでいうと、いきなり A チームの練習に参加させられるようなかんじ) と、確かに年齢・実力が至らない割には高いレベルでプレーさせてもらうことができた。

めでたし、めでたし?

ただ、この認識もかなり自己正当化バイアスがかかっている可能性はある。

結局 3 年半楽天にいたあと、Google に転職することになり、内定を辞退していなければ同期になっていたはずの人と一緒に仕事をする機会もたくさんあった。

そっちを選んでいたらスーパーすぎる人たちの中で埋もれていたか...というとそうでもない気がする。
成長する機会により恵まれていなかったのか...というとそれも判断が難しい。

将来どうなるかなんて考えても分からないし、判断が良かったか悪かったかを厳密に評価することも出来ないからねぇ、競馬の予想なんかと違って。

ただ少なくとも良かったのは、最後まで自分でじっくり考えて、自分なりの納得いく基準でもって選択したことかな。
結果がどうなっていても、その選択プロセスについては後悔することは恐らくなかったんじゃないかと思う。

というわけで、中田英寿の映像を見たことをきっかけに、時々学生さんとかからよく聞かれる「新卒でこの会社を選んだ理由」について書いてみました!

Q

2018/07/30

いよいよ日本でも開始!『Apple Search Ads』について必ず知っておきたいポイント

 
ぼく:以前から出る出ると言われていた Apple Search Ads (アップルの検索広告) ですが、いよいよ本当にこの夏に日本でもリリースされる (※) ということで、既に US で Apple Search Ads の運用をされていて色々詳しいというリバティーンズさんにお話を伺いにきました!

堂道さん (以下「堂道」)・山口さん (以下「山口」):よろしくお願いします!

後で出て来ますが、Search Ads Advanced は 2018/8/2 8AM、Basic は 2018/8/23 2AM から利用可能になります。(Apple 公式ページ参照)

ぼく:以前にもリバティーンズさんにはこの blog でインタビューさせていただきましたが、ASO と検索広告にむちゃんこ詳しいですよね。

参考→ 2018年注目の『アプリストア検索広告』とASOについて抑えておきたい5つのポイント

堂道:そうですね、ASO と、Google, Apple のアプリの検索広告に特化して事業を行っているので、日本では一番最新情報に触れているんじゃないかと思います。

堂道さん。元ケミストリー、ではない

山口:自分たちでもアプリを出していて、昔から試行錯誤を繰り返しながらノウハウを溜めてきているというのも、他の ASO 事業者さんにない特徴かなと思います。

ぼく:いつも色々教えてくださってて、すごい勉強になってます。早速なんですが、Apple Search Ads についてざっくり教えてください。

Apple Search Ads (App Store 上の検索広告) とは


堂道:Apple Search Ads とは、一言でいうと「App Store 専用キーワード検索連動型広告サービス」です。

ぼく:App Store 内でユーザーがキーワード検索を行った際に、検索結果一覧の一番上に広告枠が出てくるよ、っていうやつですね。Google Play では既にありますよね。

堂道:はい、その通りです。iOS11 の App Store から導入され、アメリカでは 2017 年 2 月 5 日からサービス開始していました。日本では 2018 年 8 月に開始されます。


ぼく:1 年半も間が空いてるんですね。US にアカウントがないと使えなかったんですか?

山口:アメリカ以外の企業でもアメリカに公開しているアプリであれば出稿可能でした。例えば日本の事業者のアプリでも、アメリカの App Store に公開されているアプリであれば Search Adsは実施できたんですよ。

ぼく:へー!じゃあ日本でも実は使ってた人はけっこういたんですかね。

堂道:どうですかね。英語にローカライズしていないとそもそもダウンロードされませんし、アメリカでプロモーションを行えるような日本のアプリ自体それほど多くないですからね。

山口:ただその中でも我々は自社・他社アプリ含めて Apple Search Ads をかなり運用してきて、ノウハウもけっこう掴んでいます。

山口さん、心なしか前回より痩せた気がして嫉妬

ぼく:相変わらず早いですねw ストアの検索上位に出したいというアプリパブリッシャのニーズを考えると、Search Ads 自体はかなり使われているであろうことが想像に難くないです。

山口:おっしゃる通りで、Apple の Search Ads の北米での売上は 2018 年 6 月末現在で約 1,000 億円あります。

ぼく:ぬおーまじっすか!プラットフォーマー強ぇ...

Apple Search Ads でできること


堂道:もう少し詳細に、Apple Search Ads で出来ることを説明しますね。

1. キーワード入札


iPhone・iPad ユーザー (選択可能) が検索したキーワードに合わせ、広告を出稿可能です。
例えば、「RPG」というキーワードを入札している場合、「RPG」と検索されたときに広告が表示されます。
Google と同じように「完全一致」と「部分一致」の概念が存在します。

2. 検索上位表示


広告はかならず検索結果の最上位に配置されるため、実質的に検索順位の最上位への掲載を実現可能です。
検索結果につき広告は 1 枠しか表示されません。

3. 掲載データの取得


Apple Search Ads では、特定のキーワードで広告が表示されたときの表示回数・インストール率等のパフォーマンスが詳細に閲覧できます。
ここから、効果のいいキーワードの特定などが可能です。

Apple Search Ads 実施のメリット


1. 市場規模の大きさ 


Apple Search Ads の北米での総売上は、2018 年 6 月時点で約 1,000 億円となっており、日本でも相当に大きなボリュームになることが予想されています。
巨大な市場内で、狙いたいユーザー層を選定可能です。

2. コントロールがしやすい


Apple Search Ads は入札キーワードの入札金額や、出稿したいユーザーの性別・地域など、詳細な設定が可能です。
これにより、パフォーマンスの可視化や調整・最適化が容易な広告媒体であると言えます。

3. 他方面へのデータ活用


Apple Search Ads ではキーワードの詳細な掲載データが閲覧できます。
これにより効果のよいキーワードを特定し、クリエイティブ作成や SEO (ASO) 施策へ活用できます。
また Search Ads は広告グループ毎に最敵なスクリーンショットの “出し分け” が可能で、効果的なスクリーンショットの提案にも繋げられます。

Search Ads と ASO の相互活用


ぼく:ありがとうございます。検索広告といえば最初にぶつかる壁が、キーワードの選び方だと思います。おすすめのキーワードの選定方法ってありますか?Google のようなツールがあったりするんですか?

堂道:Google のキーワードプランナーの様に具体的な月間ボリューム件数は把握できないですが、Apple Search Ads の管理画面で登録してみたいキーワードの候補を入力すると「人気度」みたいな形でおおよその検索ボリュームが表示されます。
画像をクリックして拡大

ぼく:なるほど。でもそれもキーワードの候補があっての話ですよね。

山口:そうですね。なので我々が運用させていただく場合には、過去の ASO や Google の検索広告の運用データから、それぞれのアプリに対し最も効果が高いであろうキーワードを推定し一度運用します。その後、結果の実数値と照らし合わせて再度キーワードを調整します。

ぼく:ほ〜、それは過去からやってきてる知見が活きそうですね。レポートではどのような情報が得られるのかも気になります。

堂道:Search Ads の管理画面ではキーワードごとのトラフィック、CVR、CPI、CTR、TTR (tap through rate) などが見れます。

ぼく:なるほど、とりあえず獲得のところまでは十分なデータが管理画面だけでもとれそうですね。出稿時の課金形態は、CPI/CPC/CPM でいうとどれになります?

堂道:Apple Search Ads の課金形態は CPC です。我々がクライアントに提案する KPI は CPI または ROAS が一般的ですね。

山口:あと、実は Apple Search Ads には 2 種類の出稿形態が存在するんですね。

ぼく:2 種類?

「2種類あるんだよねー♪」「ねー♪」

Apple Search Ads の 2 種類の出稿形態


堂道:はい。1 つ目 Apple Search Ads Basic は、大きく広告予算を使う余裕はないけれど固定の CPI でユーザーを獲得したいデベロッパーが実施可能なメニューです。月の予算上限はアプリごとに 50 万円で、現在はアメリカのみ実施可能です。

山口:今のところの予定だと 2018 年中には全世界で実施可能になるとは言われています。

ぼく:AppLovin でいう self serve みたいなもんですね。

堂道:もう 1 つは Apple Search Ads Advanced というやつで、こちらが CPC メインで大きくユーザーを獲得したいユーザー向けです。こちらは予算上限はありません。

ぼく:なるほど。CPI は保証されないかわりに、そのリスクの分だけ強くアクセルを踏めると。

堂道:はい、Advanced のほうは当然ながらきちんと運用しないと CPI が高騰してしまうリスクがあり、実際に他の代理店さんが CPI を合わせられずに撤退しているのを見てきています。

山口:特にアメリカで 2017 年に開始された時は色んな代理店やデベロッパーがこぞって参入した結果、全体的に CPI が高騰しました。でも 3 ヶ月後には効果が合わないといって皆さんやめていきましたw

堂道「パンうめえ」

ぼく:その速さはアメリカっぽいw

堂道:その中でも我々は顧客の要望を満たすことによってクライアントを拡大し、知見を得てきています。そのノウハウを最初からフル活用しながら、日本で最初に実施することで、良質なユーザーの囲い込むことが可能だと考えています。

リバティーンズの Search Ads 運用サービスの特徴


ぼく:これ聞いちゃうとノウハウ流出しちゃうかもしれないんですが...差し支えない範囲で、もうちょっと具体的に運用ノウハウについて教えてほしいです。例えば、ノウハウがないとどうなるんですか?

堂道:例えば、漠然としたキーワード入札により、キーワードランキング上昇がほんの僅か、最悪の場合一切上昇しない、なんてことにもなりかねません。

画像をクリックして拡大

堂道:まず施策の目的についてですが、他社は集客チャネルの一部としてのみ Search Ads を提供致しますが、ウチではオーガニック及び広告価値最大化による集客力の最大化を提供します。オーガニック・広告双方の集客効果を最大化し、アプリの集客を最大限高める施策をご提案可能です。

ぼく:すごい最大感ありますね!前回の記事でもおっしゃってましたが、広告単体でのパフォーマンスを高めて終わりではなく、広告で得た情報を ASO にフィードバックしてオーガニック流入を増やして、その逆もやって、っていうことですよね。

堂道:おっしゃる通り、リバティーンズの運用ではオーガニック・広告双方の効果を最大化します。それぞれどのような施策を行うかを紹介しますね。

①オーガニックに関して


オーガニックの最大化は、ASO (アプリストア最適化) によるキーワード順位上昇とオーガニック CVR 上昇で実現致します。それぞれ下記のように対応致します。

【キーワード順位上昇】

過去 8 年間に渡りASOを実施し続けていた経験から、キーワード順位上昇のためのノウハウを膨大に蓄積しています。
これにより、キーワード順位上昇のポイントを抑えたASOを提案可能です。

順位変動時や、App Store の検索アルゴリズム変更時などは、再度 ASO を提案し対応します。
(ちなみに多くのデベロッパーさんは気付いているかと思いますが、2018 年 7 月 15 日から App Store の検索アルゴリズムが変わっております。当然弊社では何が変わったかはすべて把握しております。)

ASO は基本的に無償で提供します。

また独自のノウハウにより、Search Ads の品質スコアや "類似アプリ" の最適化・パフォーマンスの調整が可能です。

【オーガニック CVR 上昇】

オーガニック CVR、つまりストアページに来たユーザーが実際にインストールしてくれる割合ですが、アイコンやスクリーンショット、レビュー等によって大きく変わります。
例えば、過去にスクリーンショット変更で CVR が 1.5 倍向上した事例もあります。

他の ASO 事業社さんの場合、ASO 施策ではキーワード上昇施策のみしか行われないことが多いです。
オーガニック CVR 上昇の施策を交えたご提案が、リバティーンズ運用の特徴であり強みです。

②広告に関して


リバティーンズの広告運用には下記2つの強みがございます。

【運用最適化】

過去 8 年間に渡り ASO を、アプリの検索広告はリリース時からずっと提供していた経験から、多数の知見を蓄積しています。
この施策は独自の運用により、ASO のキーワードランキング最大化にも寄与します。

【キーワードナレッジ】

過去の ASO の経験から、アプリのジャンル・カテゴリごとに、どのキーワードの効果が良いか、悪いかのようなキーワードナレッジを大量に保持しております。

このナレッジは広告運用の最適化を速め、ASO にも流用可能です。

両方やらんと意味ないねん、と力説

山口:他社では ASO・広告のどちらか一方を提供するケースが多いですが、リバティーンズでは上記 2 つの施策を組み合わせ、ASO・広告の効果を互いに最大化します。

ぼく:実際 ASO と広告って同時にやったほうがいいっていう客観的なデータとか根拠ってあるんですか?

堂道:実はあるんですよ。iOS において ASO と Search Ads に相関関係があることは、Search Ads 公式ページにも記載されております。
画像をクリックして拡大 / ソースはこちら

堂道:この画像はアップルのヘルプページのスクショです。

ぼく:ほんとだ...ASO きちんとやってれば、広告を出したときにもいい影響があるってことですね。逆にいうと、このへん知らずに適当にアプリ出してるだけだと、かなり機会損失生まれてしまいそうですね。

堂道:そうですね。実際我々が過去に運用したアプリでも、ASO と Search Ads を両方やった複合効果によってキーワード順位が上昇し、以降も安定した、みたいな事例がいくつもあります。ゲームでも非ゲームでも出来るというのもポイントですね。
画像をクリックして拡大

ぼく:ありがとうございます、今日もすごい勉強になりました。ぼくも AppLovin の新規事業で Lion Studios っていうパブリッシャーの立場になったので、あらためて色んな広告や ASO とかについても勉強しなきゃいけないなと思ってるんですよね。

山口:またアップデートがあったら話しに来ますよ。坂本さんの blog 読んで連絡くださる方、けっこういるのでw



今回の記事は以上です!
もしリバティーンズ社に ASO と Apple Search Ads 運用をお願いしたい・相談したい方がいたら、ご紹介可能なので気軽にお声がけください (*^ω^*)

この blog の内容が役に立った!っていう方はコチラから投げ銭をすることもできます。1 口 300 円、今後有益な記事を書いていくための原資にします!



Q

2018/04/26

自分が正当に評価されていないと嘆く君へささげる愛のメッセージ

前職時代の後輩が、人事評価について SNS 上で毒を吐いていた。

要約すると、彼は営業として非常に高い成果を上げていた (実際すごい出来るやつ。早く AppLovin に来てほしいw) にもかかわらず、アピール・社内政治が上手い人が評価され、成果を上げている人が必ずしも最高の評価を受けないという点が不満らしい。

自分が評価されないのが辛いという刹那的な愚痴ではない。
結果に対する正当な見返りがないことや、顧客や市場ではなく社内を向いている人が高く評価されていることが、(出来る人にとって特に) 精神的に苦痛であり、優秀な人からどんどん外に出て行ってしまうであろう現状を憂いた、建設的なネガティブフィードバックだとぼくは受け取った。


まず実態としてどうなのかでいうと、ぼく自身の経験を振り返っても、多かれ少なかれ彼の指摘は正しいと思う。

自分がその組織に所属していたのは 3-7 年前とけっこうもう昔になるが、クライアントから評価され数字的にも高い成果を上げていてもアピールが不足していたため昇進を逃し (超絶望した)、そこから半年間仕事はそこそこにやって社内アピールによりリソースを割いたところ高い評価で半年後に昇進!(違う意味で絶望した) というのを経験している。

2 つの時期を比較してみて、精神的に圧倒的に充足していたのは前者の、人事的には評価されないが、同僚やクライアントからは仕事を高く評価されていた期間だった。
(最後に絶望が待っていたのだけど。笑)

その経験を経た上で、評価や報酬といったものに対する今のぼくの価値観はこんなかんじ。

どれだけイケてる組織であっても、人を 100% 正しく評価することは不可能。


前職は色んなところから書籍が出まくっているぐらい、HR 文脈で優れた仕組みを持っていると世の中的には評価されている。
そんな組織でも実態としてはこんなもんなので、いわんや一般の大企業では、である。

あなたの働きっぷりを一番よく知っているのは、あなたが日々接しているクライアントやユーザー、そしてあなた自身。

同僚も、部下も、上司も、あなたがやっていることを 100% 把握・理解することは出来ないし、その価値を正しく評価することは出来ない。
仮に彼らが自分の評価が正しいと思っていたとしても、おそらく正しくない部分は必ずあるし、あなた自身の評価と 100% 一致することはまず無いと思ったほうがいい (自分に対する期待値コントロールという意味で)。

フィードバックを謙虚に聞くことも必要であるが、一方で、自分は価値ある・意味あることをやっていると信じていて、ただそれが評価されていないとしたら。
正しいのは自分で、分かっていないのは向こうだ、ってケースはとてもとても多い!

でも正しく評価されないことを憂いても無駄、だってそれがデフォルト状態だし、今後改善される保証なんてないから。

そこは諦めちゃったほうが精神衛生上は安定すると思う。

評価をするのは上司ではない。


仮に高い人事評価をうけて、ボーナスや給料で多少報われたとして、それは人生において何か大きな意味があるだろうか。
嬉しいことは嬉しいんだけど、それは一時的な、刹那的な快楽にしかすぎなくて、中長期的な充足感・満足感や生きがい的なものをもたらすのは、ドーパミンではないのだ。

ぼくの考えでは、本当に評価されるべき相手は上司 (概念的な意味で) ではなく、同僚、クライアントやユーザー、そして数字だ。

その理由は、これだけ「個人の時代」やら「評価経済」やら言われているなか、良い仕事をしない・できないヤツだ、(パフォーマンス以外も含めて) 一緒に働きたくないヤツだと思われてしまうと、その後の人生がマジでハードモードになってしまうからだ。

どの業界も十分に狭いので、リファレンスをとるのは容易だし、いちどついた評価・評判を覆すのはなかなかに難しい。
業界変えてリセットしちゃうほうがよっぽど楽だ。(年齢的にある程度タイムリミットはあるが)

おそらく上の人よりもマーケットやお客さんのことを知っているであろう、同じレベルにいる同僚 (いわゆる peer というやつ) から評価されるというのは、高い人事評価よりもよっぽど「いい仕事」をしているというサインだ。

クライアントやユーザーから評価される仕事をしているというのも、「いい仕事」の証明だし、さらには職場や仕事内容が変わったとしてもそれらはあなたについてくる (可能性がある)。

そして定量的な数字は裏切らないし嘘をつかない。

この 3 つから高く評価されていれば、短期的に今いる組織で評価されなかったとしても、中長期的には何らかの形で見返りがあるはず。

それは今の組織における昇進・昇給や、希望の部署への異動といった形かもしれないし、もしかするとより良い条件・楽しい内容の別の仕事のオファーという形かもしれない。
そういった即物的なものではない、感謝やリスペクトといった無形のものが得られることもあろう (あるねん)。

自分が例えば何かチャレンジをするとなったときに、 この類のクレジットが溜まっている人と溜まっていない人とでは、周りから得られるサポートがマジで全然違ってくると思う。

逆に、いくら人事的に評価されていても、同僚や部下からの評価が低かったり、ユーザーやクライアントから好かれていなかったり、アピールが上手いだけで数字で結果が伴っていなかったりすると、将来的にはつらい人生が待っているんじゃないかと思う。
ギャップがある分、なおさら。


というわけで、自分が正当に評価されていないと嘆く諸君。

組織や上司から正しく評価されるというのは幻想だから諦めよう!

自分が信じる、本当に正しい、価値のあることをやろう!

同僚や、部下や、クライアントや、ユーザーが喜んで、賞賛してくれることをやろう!

そっちはきっと正しく評価されてるから安心して!

そしたら長い目で見たらきっと良い人生が待ってる!

きっとね!(願望)


この記事が役に立った!という方は、よければ下記ボタンから投げ銭 (300円 | クレカ払い) をお願いします!ぼくのモチベーションが上がって、また良い記事を書くかもしれません!w



Q

2018/01/21

2018年注目の『アプリストア検索広告』とASOについて抑えておきたい5つのポイント

※『アプリストア検索広告』とASOについて、めっちゃ詳しいリバティーンズ社のお 2 人にお話を聞いてきたので、インタビュー形式でお届けします!記事タイトルは適当です。ポイントは多分 5 つどころじゃなくもっと沢山ありますw



ぼく:よろしくお願いいたします。リバティーンズさんについて、ぼくは「ASO (App Store Optimization = アプリストア最適化)」の事業をやっているという理解しかないのですが(笑)、何やってる会社なのか簡単に教えてもらえますか?

リバティーンズってどんな会社?


山口 雄大 (以下「山口」):リバティーンズの事業内容は大きく 2 つで、「ASO を用いた Search マーケティング事業」ならびに「海外マーケットに主軸を置いた自社アプリ開発」です。

山口 雄大
大学卒業後、モバイル広告ベンチャー企業に入社。2007 年リバティーンズ株式会社創業。モバイルに特化した広告代理事業、自社アプリ開発事業、アプリ開発受託事業の立ち上げを行う。2008 年よりアプリのマーケティング手法の一つである ASO に従事。2014 年よりアプリに特化した Search マーケティング事業(ASO 事業/広告代理機能)を立ち上げ、事業を大きく拡大させる。慶應義塾大学総合政策学部卒。

ぼく:はじめからその事業をやっていたんですか?

山口:いえ、弊社は 2007 年に創業したのですが、創業当初はモバイルといってもガラケーの広告代理事業などをメインで行っておりました。

ぼく:2007 年というとなんならスマホもまだ...

山口:そうですね、iPhone が発売されたのが 2007 年で、大きくアプリの流通が広がったのは 2008 年に iPhone3G が発売されてからです。弊社もそれをきっかけに、事業のほとんどの機能をスマホへシフトしております。

ぼく:その当時ってまだ「ASO」みたいな概念もほとんど無かったですよね。

山口:はい。当時はアプリ開発の受託や自社アプリ開発などを行っていたのですが、「アプリ広告」というもの自体が存在しておらず、アプリマーケットの中の特に Search やアイコン・スクショなどの見直しによる CVR (Conversion Rate = 転換率) の改善を行っていたんですね。

ぼく:なるほど、支援側というよりは自分たちがアプリを配信する側にいて、実際に手を動かして試行錯誤していたと。

山口:その後も、インストールを自然流入で増加させるためには何が必要か、どの様な調整を行うべきか、何をすべきないか/何をしてはいけないか、などをずっと分析し続けています。スマホアプリ市場の拡大と共に、そういったノウハウを一元化させ、新しいサービスとして現在の事業を立ち上げ、ASO と既存の広告の仕組みをかけ合わせて新しい価値を世の中にご提供しております。

ぼく:アプリ Search マーケティング事業、でしたっけ。ASO のコンサルとか、検索広告の代理店みたいなイメージですか?

アプリ Search マーケティング事業って何?


堂道 健太 (以下「堂道」):単なるアプリストア最適化や広告代理運用にとどまらず、オーガニックと広告を全て含めた集客最大化を目的として事業を営んでおります。

堂道 健太
大学卒業後 2006 年証券会社入社。2008 年リバティーンズに参画。ASO(アプリストア最適化)及び北米向けアプリ開発に従事。コンテンツ制作とマーケティングを担当。ASO のみで月間 100 万ダウンロード達成。その後アプリ Search マーケティング事業を統括。慶應義塾大学総合政策学部卒。

ぼく:そこって別々にやるのではなく、両方一緒にやったほうが明確にいいことってあるんですか?

堂道:数多くの相関関係やメリットが存在するのですが、一つ分かりやすい事例をあげると、「AdWords や Apple SearchAds で取得出来た情報を ASO に活かす」ということが出来るようになります。

ぼく:分かりやすい例を挙げていただいたのにスミマセン、よくわかりません(笑)。

堂道:例えば、ストアで何のキーワードを設定すべきか、どのキーワードの検索上位をとるべきかなど、詳細に把握するためには、どうしても推測的な側面が拭い去れないじゃないですか。

ぼく:確かにそうですね。

堂道:そのため、広告運用から得られたデータを ASO 側に還元することで初めて効果が最大化されると考えているのです。

ぼく:ほうほう。

堂道:例えば、どのキーワードが自社アプリにとって最も CVR が良くて ASO 的に重要か、件数を確保するならこのキーワードを押さえておくことが大事だといった分類が、広告のデータを使うことで初めて可能になります。

ぼく:なるほど〜!「どのキーワードが大事か」をそもそも特定するときに、アプリのタイトルや説明文の中でテストするのは物理的に難しいけど、広告ならたくさんキーワードがあってもデータとれますもんね。

山口:また、そこで得たデータをスクリーンショットなどに応用することで、そのアプリページそのものも効率的なものになります。ユーザーが「こういうアプリないかな」って探しているキーワードを、一番目立つスクリーンショットに入れることで、アプリページからの CVR も改善しようということですね。

ぼく:ぼく自身も以前アプリ出したとき、スクショに入れるキーワードとかはかなり感覚で選んでました。データが大事大事ってお客さんにはいつも言ってるのに、恥ずかしい、、、

何度見ても可愛い。漫画ウォッチャー (iOS | Android)

山口:そのため、ASO のコンサル部分に関しては無料でご提供し、通常の代理店と変わらない代理店手数料のみのビジネス形態にしております。どちらか一方だけの実施だと集客の最大化は不可能だというのが我々の考えなので、「どちらか一方だけ」という形でのご依頼はお受けしないことにしています。

ぼく:合理的ですが確かに顧客目線ですね。アプリでこの領域に特化してやろうと決めた理由は何ですか?

山口:やるなら No.1 を目指したかったので、敢えてアプリ Search の分野にセグメントを絞りました。需要は存在するにも関わらず、事業として成立させている事業者が居なかったというのが大きな理由です。

ぼく:ストア内検索ってかなり重要なファクターですよね?

アプリとストア内検索について知っておきたいことは?


堂道:はい、ユーザーの 63% が検索経由でアプリをダウンロードしており (※Nielsen/Google, 2013)、ストア内だけでなくブラウザ検索でアプリを見つけているユーザーも多いため、間違いなく非常に重要なファクターです。



堂道:また弊社が ASO の分野に注目した時期がで世界的にも早く、事業的にもかなりアドバンテージがあったということも大きいと思っています。当時は ASO の概念自体も曖昧でキッチリ定義した存在が無かったので、自分たちでその領域を定義していこうというのをずっとチャレンジしています。

ぼく:検索というと SEO がすぐに思い出されるのですが、アプリに注力されてるのにも理由があるんでしょうか?

堂道:スマートフォンやアプリの最大の魅力は、世界中にコンテンツマーケットの流通が成立していることだと思っているんですよね。国内だけにとどまらないビジネス展開の土壌が初めから備わっていることが、アプリに特化するに値する理由かと思っています。

ぼく:アプリストアという流通チャネルの存在が大きいと。

堂道:流通チャネルが世界共通だからこそ、世界のどこでもある程度同じ戦い方が出来るので、ノウハウが活きます。最終的にアプリの勝負は、有料プロモーションを駆使しながらもオーガニックも含めた総数であるため、お客様へ非常に有用な価値の提供が出来るというのも、アプリに特化している理由です。

ぼく:とてもよくわかりました。


どういうアプリパブリッシャが ASO と検索広告を活用すべきか?


ぼく:現在のクライアントの業種はどういうところが多いんですか?

山口:今は中~大手企業が中心ですね。理由はいくつかありますが、まずはコンテンツがある程度しっかりしたものでなくては、ASO 効果が発揮しづらいという側面があります。

ぼく:それはどういう理由ですか?

堂道:例えば GooglePlay は “有効インストール数” などを重要な指標に置いており、すぐに離脱するユーザーが多い (継続率が低い) アプリはそもそも上位表示が困難になる場合があります。そのため、ある程度ユーザーファーストでアプリの内容を考えられていないとそもそも自然流入増が困難な場合があります。

ぼく:なるほど〜。そもそも最低限のクオリティのアプリを作れていないと、小手先の ASO だけでは通用しないってことですね。

堂道:はい。また ASO 自体がそれ単体で機能するというより、あくまで複合的なものであるということが 2 点目の理由になります。キーワードだけ弄ればどうにかなるといった表面上の話ではなく、アイコン・スクショ・コンテンツ・キーワード・プロモーションチャンネル・プロモーション規模、その他多くの要素が絡み合って初めて大きな効果を発揮します。

ぼく:様々な施策をやってはじめてワークするから、そういった施策を行えない規模のところでは効果も見えづらいということですかね。

堂道:はい。そのため、必然的に中規模以上のデベロッパーさんでまだ ASO などを本格的に着手されていないお客様などが多くなっていき、顧客満足度も高くなっていく傾向にあります。

ぼく:アプリのカテゴリでいうと、どのカテゴリのお客さんが多いんですか?

山口:アプリのマネタイズが上手くいっているところの主流がゲームであるため、ゲーム会社様からの引き合いは多いことは事実です。が、クライアント構成自体は非ゲームもかなりの割合を占めています。

ぼく:どういうフェーズに御社のサービスが向いていますか?逆に、向いてない会社もありますか?

山口:アプリのフェーズとしては、本来はアプリのリリース期にある程度のプロモーションと共に行うことが最も重要だと考えています。理由は、Google Play・Apple 共にリリース直後のアプリが自然流入の面で優遇されていると私共は考えているためです。

ぼく:新着ランキングに入るからですか?

山口:それもありますが、他にもアルゴリズムの面で優遇されていると我々は分析しています。

ぼく:そうなんですね〜。ってことはそれだけ、比較的少ない費用でデータを集められるから有利ってことですね。

堂道:そうなります。また、ゲーム・非ゲーム問わずどうしてもユーザーの質が初期段階の方が良いので、そういったユーザーを囲うといった LTV 的な視点からも重要になってきます。

ぼく:リリースから時間がたったタイトルだと難しいんですか?

堂道:あくまで初期段階から導入した方がメリットが大きいということであって、リリース後でも対応や改善は十分可能です。実際そちらの需要の方が大きいので。

ぼく:アプリの寿命も伸びてますもんねぇ。

山口:また、広告費がゼロで ASO のみに頼ろうとする企業さんもいますが、そういう形よりむしろ、ASO を下地にしてプロモーションを行っていくことで、結果的にオーガニックユーザーを潤沢に獲得できるという良さがあります。

さすがにアプリ名は出せないけど過去事例...


ぼく:差し支えない範囲で、この施策がうまくいった事例と、その要因を教えてください。

堂道:例えば検索最適化の結果、CVR (転換率) が 20%→50% 以上、最終的にダウンロード件数も週次で 1 万ダウンロード増したアプリがあります。
 
ぼく:まじですか...!リバティーンズさんが入る前はどういう状態だったんですか?

堂道:関わらせていただく当初は、特定の 1 つのキーワードで 2~4 位前後にいただけの状態でした。そのため自然流入が増えずご相談いただいた経緯がありました。

ぼく:なるほど、やりごたえがありそうですね(笑)。どういうとこから手をつけたんですか?

堂道:例えばキーワード 1 つ 1 つも、「恐らくこれじゃないか?」という担当者の推定というか思い込みで選定されていただけで、決して根拠に基づいたものではありませんでした。

ぼく:そういうところ少なくなさそうですね。。

堂道:そこで、広告を運用しながら、キーワードの設計からアイコン・スクショその他の見直しのアドバイスなどを含め、徐々にチューニングを行っていきました。その結果、最もコンバージョン率が良いキーワード、有効な・有効でないキーワードの組み合わせ、など明確に定義しました。

山口:その結果、目的としたキーワード群ほぼ全てで上位に表示されるようになりました。特に、CVR が良いキーワードを抽出することで、ストア内で情報として何を推すかをデータドリブンで決められるようになるというのがポイントです。

ぼく:その施策が、先におっしゃっていた、週次でプラス 1 万ダウンロードという結果に繋がったわけですね。

堂道:また他の事例では、ASOを行うことにより、ユーザーの質の最大化が可能となり、インストール後の KPI が大きく改善した事例も多数あります。とても上手くいった例だと、課金率が 2 倍以上に改善して LTV が向上した、といったこともありました。

ぼく:え、なんでそんなことが。。。

堂道:検索型集客の特徴として、ご存知の方も多いかと思いますが、ユーザーの質があらゆる集客チャネルの中でも最上位クラスに位置するんですね。

ぼく:あぁ、もともとそのアプリを「探して」ダウンロードしにきてるユーザーだから...

堂道:はい、これは考えてみれば当然ですね。純粋に、本来アプローチすべきユーザーにリーチを行うという視点だけでも、課金率や継続率にプラスの変化を及ぼすことは容易に想像いただけるかと思います。

Apple と Google の検索広告それぞれについて


ぼく:それだけ重要なストア内検索なのですが、広告に絞っていうと Apple の search ad って米国はじめいくつかの国でしかまだ使えないですよね?

 
山口:現時点 (2017 年 12 月) では、アメリカなどの英語圏、メキシコ、スイスなど順次拡大されている様です。いつ日本で開始されるかはまだ不明の様です。恐らく日本語という独特な言語に対応するのに多少の時間を要するのだと考えていますが、そう遠くない将来導入されると考えております。

ぼく:御社でも運用実績あるんですよね?効果はやっぱり高いんですか?

山口:自社のアプリを含め、国内の事業者様の海外向けアプリも既に取り扱いさせていただております。広告効果は「やり方次第」といったところです。

ぼく:「すげーいいぜ」じゃないんですか?

山口:やはり単純に何気なく設定して運用を行うのではなく、根拠に基づいた運用手法とキーワード設定が必要です。更にこちらも ASO と組み合わせて行うことによりオーガニックの増加にも繋がります。今、国外向けに広告運用をお手伝いさせていただいているお客様にとっては、申し分ない結果が出ていると思っております。そのため日本でリリースされた際もお客様のお役に立てると思っております。

 
ぼく:逆に Google って、アプリプロモーションだと UAC (Universal App Campaign) しかできなくなったじゃないですか。御社に運用を任せると、ディスプレイ等も含めて全部お願いしないといけなくなるんですか?

堂道:基本的にはそうしていただいております。全て一本化にされたため、UAC を運用させていただく中で、検索広告部分についても最適化を行います。当然、他の代理店さんと同様、動画などのクリエイティブもお客様には無料で作成し、PDCA を回して、UAC 全体として見た場合も相対的に質の高いサービスを提供できていると考えております。

ぼく:検索広告とディスプレイ・動画広告等が別だったころと比べて、UAC になって出来なくなったこととかは無いんですか?

堂道:UAC に一本化されたことで、以前は把握できたキーワードごとの CVR などが把握しづらくなっています。しかし、我々は過去数年に遡ってこの事業を行っており、国内外問わず「この業態のこのアプリはこのキーワード」というのをかなりの精度で特定できています。こういった価値をお客様にご提供できるのも我々の強みになります。

ぼく:最低でもこれぐらい予算ないとやっても効果が見えにくい、みたいなラインってありますか?

堂道:アプリによりますが、約 50~100 万円/月、というところかと思います。あまりに予算規模が小さすぎると、何の情報も分からず終わるケースもあります。

ぼく:ありますねえ。AppLovin でもあります...。リバティーンズさんにお願いしようかどうかって迷ったとき、そもそも自分とこのアプリが ASO うまくやれてるかどうかを診断できる方法やツールってありますか?

山口:まず、ツールとしては存在していません。ASO の定義として、”広義の” ASO と “狭義の” ASO が存在しています。

ぼく:違いを教えてください。

山口:狭義的には、単純なキーワードのリーチと上昇など。広義としては、スクリーンショットやアプリページそのものも含めた CVR などを指します。もっと広義になると、アプリの内部にすら改善点が及ぶ場合もあります。

ぼく:なるほどなるほど。

山口:ここまで全て診断するとなるともはやツールでは対応できないため、我々の価値があると思っています。ツールはあくまで補助として活用され、その他を我々の様なサービスで補っていただければと思っています。

ぼく:キーワードごとの順位とか教えてくれるサービス、たとえば SearchMan とか MobileAction とかあるじゃないですか、あれの良し悪しとかってご存知ですか?

山口:個人的に SearchMan の方が使い勝手が良いかと思います。他のツールに比べて日本語にカスタマイズされているのと、API サービスなど、かなり遡って色々な情報が取得できる作りになっているので。サジェスト結果、トレンド検索の履歴など他ではない機能も提供しているようです。


ぼく:色んな情報を使って細かく運用しようというときに役立ちそうですね。

堂道:また、キーワードごとの順位を教えてくれるサービスの中には、日本のストアと異なっている順位を表示しちゃうサービスも多いです。そういった意味でもサービスインしてから長い間支持されているものを採用すべきだと思います。

ぼく:サービス・プロダクトが使われ続けてきているという実績が、クオリティを証明しているだろうと。

山口:創業者の柴田さんの知名度は今や鰻登りでもはや何も言う必要がないかと思いますが(笑)、国内事業者であれば SearchMan をオススメ致します。


決算が読めるようになるノート

ぼく:なるほど、ありがとうございます。

最後に


ぼく:いろいろ話していただきましたが、こんなに喋っちゃって大丈夫ですか?

山口:まだまだお話していないメソッドはたくさんあるので、大丈夫ですよ。

ぼく:お客さんの中には、リバティーンズさんからノウハウを学んだあと、「これなら自分たちでも出来そうだ」って自立というか、離れていっちゃうこととかないんですか?

堂道:そういう方も中にはいらっしゃいますよ。でも、多くの方が戻ってこられます。

ぼく:なんで戻ってくるんですか?オペレーションが大変だからですか?

堂道:オペレーションの面もありますが、ノウハウのアップデートが必要という側面が大きいです。SEO と同様に、アプリ内検索においてもアルゴリズムやトレンドが変わり続けています。弊社はこの領域だけをやっているので当然キャッチアップも早く出来ますが、よほどリソースに余裕のあるところでないと、アプリ事業者自身が全ての変化についていくことは難しいと思います。

ぼく:確かにおっしゃる通りですね。いやぁ楽しかった、今日はどうもありがとうございました。またちょくちょくお話聞かせてください!

山口:はい、またアップデートお届けします!



こんなかんじです!
もしリバティーンズ社に ASO と検索広告運用をお願いしたい・相談したい方がいたら、ご紹介可能なので気軽にお声がけください (о´∀`о)

Q

2017/01/29

"暇"の罪

いらすとや

Google を辞めて AppLovin で働きはじめた頃 (2015 年の夏前)、僕より先に Google を辞めて起業していた石田 健介先輩 (マネタイズパートナー社 (※) Co-Founder & CEO) に相談する機会があった。


ぼく:先輩、大企業を辞めたの初めてなので、この先上手くいくか少し不安です。

石田さん:達ちゃん、なんで不安になるのか、知ってる?

ぼく:分からないです。自信がないから、とかですか?

石田さん:暇だからだよ。


きょとんとする僕に対して続けて、


石田さん:暇で時間があるから、色々考えてしまうんだ。最初の 3 ヶ月だけでもいい、考える暇もないぐらい忙しくなったら、不安を感じることもなくなるよ。


アドバイスを真に受けた僕は、そこから半年ぐらい "Google カレンダーで 1 日の予定を全部埋める" を目標に、ひたすらお客さんとのアポを入れまくった。

1 日平均 4 アポ、多い日は 6 アポ入る日もあった。
オフィスが無かったので、全て先方のオフィスか、近くのカフェでの打ち合わせだったので、移動を考えると限界まで予定が入っていたと思う。

会って終わりではなく、朝晩には前日会ったお客さんへのお礼メールや、資料作成、もらった宿題の対応などが当然必要になる。
ので、日中以外の時間もずっとタスクに追われていた。

そして 2016 年に入る頃には、ビジネスも日本で無事に立ち上がり、サービス名も業界ではそれなりに知られるようになっていた。
めでたし、めでたし。

不安に感じる暇があるなら、とにかく動け。
シンプルだが力強く、とても有効なアドバイスだった。


本題とはズレるけど、最近何かあるたびに "叩く" 風潮が強いなぁって思ってて。
芸能人や有名人の失敗とか、あとこの業界だとアップトーキョーとかパクリアプリ作るデベロッパーを特定して叩いたりとか。

そういう人たちを擁護するわけではないけど、その叩く行為自体は (PVと、一時的な爽快感以外にw) 何も生み出してないってことは自覚しておいたほうが良いと思う。
成功したいんだったら、そんなことに時間を使うよりは、1 秒でも多く自分のビジネスに対して時間投下したほうがいいと思うよ!


前提条件


ただし、これはともすると「頭を使うのをやめろ」というメッセージにも捉えられかねないので、注意が必要だ。

僕の場合は、売るもの (AppLovin の広告)と、売る相手 (アプリ媒体、アプリ広告主、広告代理店、SSP) が既に決まっていた。
ので、相手にどうアプローチして何を喋るかってぐらいしか変数が無かったため、あとはアクションの数を増やすことがアウトプットを伸ばすことに直結したのだ。

(幸い、プロダクトも日本というマーケットで十分通用することが (事後的に) 分かった)

例えばこれが、売る相手が決まっていない (どの業界に対して営業かけようか...?) 場合や、売るものが決まっていない (まだプロダクト・マーケット・フィットに達したか分からない等) 場合なんかには、何も考えず走ってるだけでは当然ダメで。
意識的に "考える時間" を確保するようにしながら、PDCA を回す必要がある。

あと、休まないと死んじゃうので、睡眠時間は最低限確保しよう!
(時々徹夜しちゃうぐらいは仕方ないwけど、翌日や週末にゆっくり寝るとか)


※1 マネタイズパートナー社について


マネタイズパートナー社は主に web 媒体の広告収益化をコンサルしてくれる会社で、僕自身ささやかな額をエンジェル出資させてもらってます。
石田さんは Google 時代には AdSense チームのリーダーで、大手メディアを担当していた敏腕コンサルタントです。
AdSense や DFP、また Google 以外の広告も含めてサイトの収益化にお悩みの方は、お気軽にお声がけを。(ご紹介します)


Q

2016/12/27

行く年来る年 2016

昨年 (2015 年) の年末 post を読み返してみると、Google をやめて AppLovin に日本第 1 号としてジョインし、半年でそれなりに立ち上げた - というのがハイライトだったようだ。

今年 (2016 年) は、年始には日本には僕 1 人だったのが、メンバーが増え、オフィスも構え、日本法人もでき、個人事業からチームへと変容できたのが大きい。

左から、サニー・ぼく・ノリさん・まんでぃ・谷やん
 
3 月には IVS (のちに ICC カンファレンス) で長くボランティアスタッフ仲間だったまんでぃがジョイン、4 月には数年前から AppLovin 本社にいたノリさんが凱旋帰国。(いまだにインタビュー記事はないw)
5 月にはオーランドブルーム風のイケメン・サニー、8 月にはまんでぃの元同僚で雀鬼の谷やんがそれぞれ加入。

※ 余談だが、谷やんはオクタゴンという CA 藤田社長ご用達という雀荘の "最強戦リーグ・アマチュア部門" というのに出場しており、12 月 27 日時点で月間 2 位にランクインしている。

これによって、アポがない日中に寂しい思いをしなくてよくなったのはもちろん、昔は FW から GK まで全部やっていた (厳密には新規営業はやりまくっていたが保守運用はあまり出来ていなかった) のが役割分担できるようになり、得意領域により特化集中できるようになった。

そのメイン領域「アプリのマネタイズ支援」では、今年の大きなテーマの 1 つだった「ソシャゲへの動画リワード導入促進」でいくつか、誰もが名前を知っているような会社のメインタイトルに導入してもらうことが出来た。
来年以降もこの流れは徐々に加速しながら進んでいくと思う。

また、C CHANNEL をはじめとした著名ブランド媒体にネイティブ広告を実装してもらったり、AdStir やアドフリくんと組んだりもしながら全画面インタースティシャル広告の導入も増やし、「動画リワード "だけじゃない" AppLovin」の認知を広めることが出来た。

その結果、まだ締まってないけどおそらく今年の国内の売上トータルでは、前年比 +500% を余裕で超えるぐらいの急成長を遂げることができた。
個人的にベンチマークにしていた、「おそらく国内のアプリ広告の売上 1 位の会社はこれぐらいだろう」という "月間 X 億円" の大台も、12 月に達成できる見込みだ。
(AppLovin が日本一の売上のアプリ広告ネットワークだ、と心の中で宣言できるw)

来年もこの成長を維持できるかどうか。
6 月には早くも僕の AppLovin 歴は 3 年目に突入してしまうので、踏ん張りどころである。
 
ちなみに今年の 9 月に、AppLovin は中国の PE ファームに株式の過半数を売却することを決めた (プレスリリース)。
その直後から「おめでとう!次どこ行くの?」「うち来なよ」とお声がけいただくことが何度かあったが (勿体無いお誘い、有難う御座います)、まだ遠くない将来に本当の exit (MA か IPO) が待っているはずなので (希望含)、早くてもそこまでは成長に貢献できるよう頑張るつもりである。

(もちろん目論見が外れることもあるかもしれないが...現時点での意気込みとして)

営業のかたわら、上手くいっているデベロッパーさんの事例を深く掘り下げて世に広めよう活動にも今年は力を入れてきた。

我ながらよく書いたもんだ、こんなに文字数多い記事を。

その他にもちょこちょこアプリマネタイズ関連の記事を書いてたら、多分あまりそういう情報が他に表に出てないからだと思うけど、初めてメールしたり会ったりするデベロッパさんから「blog 読んでます」と言われることも超増えてきた。

そうやって「アプリの専門家」として認知されてきた結果...というよりは単なるご縁なのだが、10 月から教えて!アプリ先生という東京 MX (ローカル局) の番組に毎週出させてもらっている。
 過去の放送も YouTube で見られるので皆さん → こちらのチャンネルに登録 ← してね☆
放送は毎週火曜日の 20 時から (ただし 1 月は特番で放送ないらしいので、たぶん 2 月から再開)。

ちなみにこの番組への出演は完全にボランティア
タレントさんと一緒にテレビに出れる機会なんて、もしかすると二度とないかと思って...笑
思いの外、長続きしている。

あと本業以外では、副業的なことは今は全然やっていないけど、スタートアップに少額でエンジェル投資ってやつを年に 1-2 件ぐらいのペースでやっている。
数えてみたら今ちょっとでも株式を保有している会社は (ストックオプション除くと) 6 社あった。
来年は今予定してるだけで確定 1 社、可能性あるとこが 2 社。
(そのうちこれについてもう少し詳しい記事を書こうかな)

基本的にポジティブ人間なので、"出来たこと" はすぐ出てくるけど、"出来なかったこと" はあまり思い浮かばない。
(個人の成長という観点からはあまり褒められたことではないと思う)

唯一悔やまれるのは、今年はあまり地方のデベロッパさんのところに直接お邪魔することが出来なかったこと。
来年は自ら機会を作り出し®️、北海道・九州・沖縄・関西・東北などに最低 1 回ずつは行きたい。
(2 ヶ月に 1 回か...わりとけっこうな頻度だな...)

あと個人的には、中国 Cheetah Mobile や韓国 BitMango のような、スーパーなカジュゲーデベロッパが日本から出てきて欲しいと本気で思っているし、そのために出来ることを考えてやっていきたいと思っている。
ただこればっかりは自分だけでは何ともならないので、共感してくれるデベロッパさんと引き続き仲良く切磋琢磨していきたい!

というかんじで、今年も皆さんに助けられて、遊びも仕事もあまり境界なく好き勝手できた年でした。
来年も引き続き楽しい試みを色々やっていきたいので、どうぞよろしくお願いいたします!

Q

2016/12/23

担当者に電話すると単価が上がる!?アドネットワークの謎

背景

こんな tweet を見たから。(抜粋)




んでニーズもありそう (見れない方のために: 90% 以上のひとが「ある」と回答。N 数 100 以上)

先に注釈


ぼく自身、前職は Google で AdMob というモバイル広告ネットワークを、現職では AppLovin というモバイル広告ネットワーク (どちらも外資) を広める媒体営業という仕事をしています。

なのでこの post では、特定の広告会社や、国内の広告会社を dis る (それにより自分が担当している/していた広告会社の株を上げる) ことがないように注意して書きます。

そもそもアドネットワークのビジネスとは


  1. 広告主からマーケティング・プロモーション費をお預かりして
  2. 媒体に対して広告を配信して
  3. 掲載費という形で媒体に対価をお支払いして
  4. その間でマージン (手数料) を抜く
というのがビジネスモデルです。

参照元ページはこちら

たとえば、TOYOTA がプリウスの広告を朝日新聞に掲載するときを考えると、
  1. 広告主 (TOYOTA) が広告代理店 (電博とか) に広告宣伝費を払う
  2. 広告代理店が媒体 (朝日新聞) に媒体仕入れ費を払う
  3. 広告主からもらったお金から、媒体に支払ったお金を引いた分が、広告代理店の粗利になる
っていうモデルです。

このケースだと、広告主も媒体も 1 社ずつです。
アドネットワークってのは、超ざっくりいうと
  • 広告主も媒体も "すげーたくさん" あって
  • どの広告をどの媒体に配信するのかってのをシステムがやってくれるもの
です。

モバイル領域だと例えば、広告主は
「おれっちのアプリのダウンロードを増やしたいから、とにかく色んなアプリ媒体に広告を出して、高い効果を出したい!AppLovin さんヨロシク頼むよ!」
媒体は
「アプリにとりあえず動画広告枠だけ作ったよ!どのアプリの広告が出てくるかは任せるから、いい感じに収益性あげといてよ、AppLovin さん!」
っていうことをやっています。

この場合も、広告主からもらったお金のうち、何割かがアドネットワークの取り分になり、残りが媒体に支払われます。
そのシェアは AppLovin も含めほとんどのアドネットワークは公開していませんが、Google AdSense は「68% が媒体、32% が Google」だとヘルプページで公開しています。

なので普通は 3-5 割程度がアドネットワークの手数料だと思っておけば、大外しはしないと思っていいでしょう。
ただし例外はあります (後述します)。

アドネットワークの競争力


ご存知の通り、アドネットワークはもんげーたくさんあります。
ちょっと古いですが、カオスマップという業界地図の日本版 (2014-15) を xAd Japan の近藤パイセンが作ってくれているので、ご紹介します。
参照元サイト

なので、この同じ/近いカテゴリにいる会社同士は、他の会社と激しくシェアを争ってるわけです。
どうやったら勝てるんでしょうか。

広告枠をバナナに例えてみましょう。

そもそもバナナ (広告の配信先) が無いことには、広告主に対して売ることは出来ません。
なので広告ネットワークは、媒体からバナナを仕入れないといけません。

ただし媒体が持っているバナナの数は有限です。
そして媒体はなるべく高くバナナを売って、たくさん儲けたいと思っています。
なので、バナナに高い価格をつけられる広告ネットワークが、仕入れの力が強いということになります。

一方広告主は、同じお金を出してバナナを買うなら、なるべく美味しい (効果が高い) バナナを欲しいと思っています。
また、同じ質のバナナを買うなら、なるべく安く売ってくれるアドネットワークから買いたいと思っています。
そうしたほうが費用対効果 (同じお金をかけて、より美味しいバナナを食べれたかどうか) が高くなるからです。

なのでアドネットワークとしては、なるべく高く媒体からはバナナを買って、なるべく安く広告主にバナナを売らないと、競争に勝てないわけです。
これは大変です。

じゃあどうやって勝つのか。
色々あるのですが、単純化すると 3 つしか答えはないと思っています。

  1. 営業を頑張る
  2. テクノロジで解決する
  3. 利ざやを削る
ちなみに僕の好き嫌いでいうと、1 と 3 は明確に嫌いです。
1 つずつ解説します。

1. 営業を頑張る


ここでいう「頑張る」とは、例えば...

対して収益性が高くないアドネットワークなのに、媒体に対して「うちはどこより収益性高いよ!」「あなたの媒体なら eCPM 1000 円は間違いないよ! (保証はせんけどな)」っていう甘い言葉を囁いたり。

広告主に対して「他のアドネットワークより安くユーザー獲得できるよ!」「どこよりも質が高いユーザーがいる媒体を抱えてるよ!」と吹いてみたり。

そういうやつです。
(あー、あるある)

これは情報の非対称性があるから - つまり、媒体はどのアドネットワークが収益性が高いのか完全な情報は持ちえないし、広告主もどのアドネットワークが効果が高いのかやってみないと分からないから - 成り立っています。

また、実際に媒体/広告主に、複数のアドネットワークを試されると、実力がないことがデータとして露呈してしまいます。

(なのでこういうところは「独占でやらせてください」みたいなことを言って、他のアドネットワークの情報が入らないような策略を練ってきたりします。)

(そんなことしたってこの時代、横の繋がりでいくらでも情報入ってくるのにねぇ)

なので基本的には、次々に新しいお客さんを捕まえては逃げられ...を繰り返すので、焼き畑になってしまい、ビジネスが積み上がっていきません。
ひたすら疲弊するばかりで、本質的にはなんの解決にもならないので、同業者でやってる方がいたら止めておいたほうがいいですよー。

2. テクノロジで解決する


ぼくが唯一好きなのはこれです。

先の説明では端折りましたが、媒体にも広告主にもそれぞれ「色」があります。
媒体でいうと例えば、ゲームなのかツールなのか、ユーザーは男女・年齢どの層が多いのか、リピーターが多いのか新規ユーザーが多いのか、などなど。
そして、それに合った広告主や広告案件というのが存在します。

例えば、日経新聞に「妖怪メダル」の広告が出てきたり、VERY に「一皮ムケた男になる!」の広告が出てきたりしても、明らかに合わないじゃないですか。

ルナルナには化粧品とか女性服の広告が出ているべきだし、カジュゲーにはゲームの広告が出ていたほうが効果が高そうだよなって、直感的に分かるじゃないですか。

適切な媒体・ユーザーに、適切な広告を見せることで、同じ回数広告を見せていても、クリックやコンバージョンやその後のサービス利用に繋がる "率" が高くなります。
なので、広告主にとっては効果が高くなる (ので、高い単価で出稿し続けていても費用対効果が見合う) し、その結果、媒体にとっては長期的に収益性が高い状態を維持できるわけです。

じゃ、どの媒体・ユーザーに対して、どの広告を見せるのかって、誰がどうやって決めているのか?

先にも書いた通り、広告媒体も広告案件もめちゃくちゃたくさんあります。
例えば AppLovin だと、日本だけで案件は常時数百、媒体は数千あるので、組み合わせはその掛け算通り (ざっと 100 万通り以上) あるんですね。

配信する前から「どこにどの案件を流すのが、最も効果が高いか」分かっていたら苦労は無いんですが、実際にはそんなことはありません。
なのでアプローチは「人間が恣意的に決める」か「データをもとに学習する」かの 2 つになります。

前者の「人間が恣意的に決める」とはどういうことかというと、個別の広告案件について、相性が良さそうな媒体をアドネットワークの中の人が目で選んで、手で配信設定する、ということです。
その際に、媒体ごとの単価も手動で個別に設定することもあります。

これは短期的に見ると、広告主にとっては最初からそれなりに効率がよくなり、媒体にとっても最初から相性がいい案件が流れてくるので、一見よさそうなのですが、いくつか問題を抱えています。

まず媒体にとっては、限られたいくつかの案件 "しか" 流れてこないことになるので、時間がたつと (潜在ユーザーが大方その案件のアプリをインストールしてしまうと) 収益性はだんだん落ちてきます。
その前に、新しい良い案件をすぐ流してもらえれば良いのですが、そうならなかったら気付いたら収益性がすごい下がってたってことになりかねません。

また、規模が小さい媒体や、アドネットワークの担当者とコンタクトがない/頻繁に連絡をとっていない媒体は、良い案件を配信してもらえなかったりします。

アドネットワーク担当者に悪気があるのかないのかは分かりませんが、事実として媒体は日本に何百・何千とあるので、全ての媒体の特性を把握して、小さい媒体にも漏れなく案件を流すのは、人力では物理的に無理だと思います。

媒体の数も案件の数も、人間が全て把握できるぐらい少ない場合においては、この仕組みでも回せるかもしれません。

なので中小規模のアドネットワークの戦略として、一部の大きな媒体だけをしっかりと囲い、それらの媒体に相性のよさそうな案件だけを営業でとってくる、というのはアリです。
例えば「女性に特化したアドネットワーク」なんかはその代表例と言えるでしょう。

また、広告主側にとっては、限られた媒体にしか配信できないため、
  • 規模が限定的になる
  • もしかすると相性よかったかもしれないが、担当者が気づかなかった媒体に、配信するチャンスを逃す
  • 効果が "枯れる" のが早い
といった問題があります。

「初速よかったんだけど、すぐ効果が悪くなったし、ボリュームも出なかったな」となるわけです。
(あるある〜)

それをテクノロジでどう解決するのかというと、簡単にいうと
  1. ある案件を、色んな媒体にまずは配信する
  2. データから、その案件と相性が良い媒体を判定する
  3. 相性が良い媒体に対する配信割合を増やし、相性が悪い媒体に対しては {配信割合を減らす} or {配信単価を下げる}
  4. それを全ての案件について、なるべく速く行う
ということになります。

そうすると、十分なデータが溜まってからは...
広告主にとっては
  • 相性の良い媒体を漏らすことなく、それらの媒体から多くのユーザーを獲得することになるので、品質とボリュームの両方を実現できます
  • 新しい媒体が出てきたときにも "相性が良い? 悪い?" を自動的にテストして、良ければそこに対して配信が厚くなるので、高い効果が長く継続します

また媒体にとっては
  • 担当者と特に連絡をとらなくても、(ほぼ) 全ての案件が待ってるだけで流れてきます
  • 流れる案件は徐々に相性が良いものに偏っていくので、だんだん収益性が上がります
  • 案件の種類も多く、新しい案件も次々に入ってくるので、気付いたら収益性が大崩れしていた、みたいなリスクが小さいです

ただしデメリットが全くないかとそうではありません。
例えば広告主にとってのデメリットとしては、最初のうち (統計的な意味で十分な量のデータが溜まるまで) は相性が必ずしもよくない媒体にも配信することになるので、そのための "学習費用" がかかります。

同様に、新しくリリースされたばかりの媒体は、どの案件が相性良いのかどうかがまだ分かっていないため、いろんな案件を配信してテストしないといけません。
その間 (相性が良い案件が見つかるまで) は、本来のポテンシャルよりも収益性が低くなってしまうことは十分ありえます。

その期間がどれぐらいかかるのかは、時間というよりはデータの量に依存するので、広告主にとってはたくさん広告費を使うほど、媒体にとってはたくさん広告を表示するほど、速く最適化が進みます。
(なるべく少ないデータ量で、より確からしい最適化が出来るっていうのが、このタイプのアドネットワークの競争力になります)

なのでそもそも小さい媒体は、時間がたってもなかなか収益性が上がってこない、ってことがありえちゃうんです。
もうこれは仕方ない。

だって例えば通算で 5,000 インプレッションしか発生してない状態って、例えば 10 案件に 500 インプレッションずつ分け与えてたとして、それぞれの案件からせいぜい 1-2 インストールぐらいしか発生しないわけですよ。(CTR 5%, CVR 5% で、期待値 1.25 インストール)
たまたま 3 インストール発生した案件があったとして「これは他の案件の 3 倍相性良い!」と言えるかというと、そんなことはなくて、ただの統計の誤差なんですね。

こういう特性を理解しておくと、例えば媒体規模が小さいうちはあまりたくさんのアドネットワークに少量ずつインプレッションを分散させないのが良いのかなとか、やるべきこと/やらないほうがいいことが分かると思います。
それは長くなるのでニーズあったらまた別の機会で...

3. 利ざやを削る


前の項目が長くなっちゃったので忘れてる方もいるかもしれないですが、「アドネットワークとしての競争力をどう出すのか」の 3 つ目です。
ちなみに 1 は「営業を頑張る」2 は「テクノロジで解決する」でした。

アドネットワークのビジネスモデルは、広告主から広告費を預かり、媒体に仕入れ代を支払い、その差額で儲ける、というものでした。

ここで、全くテクノロジが同じアドネットワークが 2 つ (A, B) あったとします。
A は、広告主から 100 の広告費を預かり、媒体に 50 の仕入れ代を払い、50 の粗利をあげています。
B は A に対抗するため、媒体にはより多く 60 の仕入れ代を払い、広告主には同じアウトプットに対してちょっと割引して 90 しか広告費を請求しませんでした。(粗利率は A の 50% に対して B は 33% になります)

そうすると、媒体としては当然より多くの在庫を B に売るのが合理的ですし、広告主は B に出稿したほうが費用対効果がよくなります。
結果として、市場シェアは B のほうが大きくなりました、めでたしめでたし。

とは、残念ながらなりません。
何故なら、詳しくは長くなるので端折りますが、A と B が競争をすると、双方が自分のマージンを限界まで削ってシェアを取りにいくことになるので、両社とも粗利がゼロになるからです。
(ゲーム理論ではそうなります)

粗利がゼロになってしまうと、当然販管費などがかかるため、営業利益は余裕の赤字になります。
それだとビジネスは継続できなくなります、残念でした。

実際には、各社とも長期的に利益を最大化することがミッションになるので、アプローチとしては、テクノロジを磨いて・十分マージンをとっても高い広告効果/収益性を実現できるプロダクトを作り、実力でシェアを伸ばしていくという道からは逃げられないでしょう。

短期的に、広告主から預かっている以上に媒体に払い出しをして (粗利をマイナスにして)、競合から媒体を奪いシェアを伸ばすような会社も中にはあるようです。

例えば
  • 上場や資金調達を見据えてトップライン (媒体費用を引く前の、対広告主の売上高) だけを伸ばしたい
  • まずシェアを高めておいて後から通常の粗利率に戻して利益を確保しにいく戦略
などの事情があるんじゃないかと思います。

が、当然ながら赤字垂れ流しの状態なわけなので、長く続けることは出来ないですし、利益を取りに行くフェーズまでにプロダクトが十分強くなっていなければまた競合にひっくり返されるだけなので、あまり賢い戦略ではないような気がしています。

ちなみに AdMob (Google) ではマージンの比率を変えることは一切できませんでした。
なので短期的にはそういうことをやってる競合に負けることもありましたが、コツコツとプロダクトを磨き続けた結果、最近では「結局バナーでは AdMob の収益性が一番高い」と、AdMob 回帰が起こっているように見受けられます。

というわけで結論


すげー長々と書いてきましたが、恐らくこの記事を一番読んでいるであろうアプリ媒体の皆様におかれましては、今後も「一番稼げるアドネットワークを使う」のを続けていただければ良いかと思います。

が、決してアドネットワークの営業担当の甘い言葉に踊らされるのではなく、きちんと良し悪し (アドネットワークとして競争力があるのかどうか) を見極めるのがよいでしょう。

その際のポイントとしては
  • どうして収益性が高くなるのかを、担当者が説明できるか
  • その内容は、長期的に高い収益性があがる理由を論理的に説明できているか
です。

そこがきちんとしていれば (担当者が嘘をついていない限り)、頻繁に中の人と連絡をとって調整してもらったりしなくても、高い収益性が安定的に・長期的に見込めるはずです。

媒体の皆様のアドテク (の裏側のロジック) に対するリテラシが更に上がり、良いネットワークを正しく選んでいただけるようになれば、皆様にとってハッピーであることはもちろん、常に「良いプロダクトだけを売りたい」と願っているイチ営業マンである僕としても幸甚の極みであります。

最後に、こんなクソ長い記事になるとは最初は思っておらず、何度か途中でキーボードを叩き割りたくなりましたが、応援してくれたついったらーの皆さんどうもありがとうございました!




Q