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2017年12月7日木曜日

個人開発でもここまでできる!新作「Dual Match 3」開発の裏側にあった戦略思想、学習、ローカライズ

ぼく : 伊與田 (いよだ) さん、まずは新作 Dual Match 3 のリリース、および App Store フィーチャー、超おめでとうございます!!

伊與田さん (以下「いよだ」) : ありがとうございます。リリースして、実はレベルデザインどうしようかなと悩んでいたのですが、その間にフィーチャーされてしまいました。

ぼく : フィーチャー "されてしまった" なんて贅沢な(笑)。しかし、昨年 4 月以来の blog 出演ですね。お久しぶりです。

いよだ : お久しぶりになってしまいました。

ぼく : 前作って Dungeon Tiles ですよね。新作リリースはどれぐらいぶりですか?

いよだ : Dungeon Tiles が最後です。前作のリリース日が 2016 年 7 月なので約 1 年 5 ヶ月ぶりになります。ちょっと何してたんだろうって感じですね(汗)


前回のblog記事から

ぼく : ほんとですよ(笑)。何をされていたのですか?

いよだ : Dungeon Tiles の最後のアップデートが 2016 年 12 月 22 日なので、約 5 ヶ月半は前作のメンテナンスとアップデートをしていました。その後、今回の Dual Match 3 を作るためのゲームエンジンに何を使うか検討していました。

ぼく : 休養期間とかはなかったんですね。

いよだ : なかったですね。

開発ツールの変更 - Corona から Unity へ


ぼく : 今回から Corona ではなく Unity で開発されてるんですよね。なんで Unity に変えたんですか?

いよだ : 以前作った Number Balls というタイトルを Corona SDK で開発していたので、Corona SDK も検討していたんですよ。ライセンスを購入していたのですが、次第に「広告を使いたければ別のライセンスが必要」など、納得ができない条件変更が発生して、今後継続して利用するのは好ましくないと判断しました。

ぼく : なるほど。じゃあ今回、Unity の使い方もイチから身につけなきゃいけなかったんですね。

いよだ : そうなんです。2017 年から新しく Unity を使うことに決めたのですが、最初全くわからなかったので、2 ヶ月間勉強する時間を作りました。その間に Unity のマニュアルを読んだり、本を読んだり、チュートリアル動画を見たり、オブジェクト指向や C# の本を読んだりして、Dual Match 3 の設計イメージができるまでひたすらインプットをしていました。

ぼく : なるほど。以前アプリマーケティング研究所の記事にも出てましたが、おそらく金銭的にはそこまで余裕はない中...

いよだ : そうですね、Unity に変えるには学習コスト、時間がかかるので迷いましたが、運良く昨年賞金をいただいたので、Unity に変えるにはこのタイミングしかないと思い変えました。

ぼく : あ、そこで AppLovin の賞金 (※いよださんは昨年 AppLovin が主催する Apple TV アプリ開発コンテストで優勝しました) が役に立ったんですね。よかったです!Unity の勉強は大変でしたか?

いよだ : 結構苦労しました。開発や設計方法が全く異なったので、過去のコード資産や経験があまり役に立たない感じでした。普段あまり本を読まないのですが、多分 3,000 ページぐらいの本や資料を読んだと思います。

ぼく : 3,000 ページ!すごい、、、

いよだ : 残念ながら理解できてないことも多いですけど。

ぼく : で、2 ヶ月の学習期間を経て、新作の開発開始と。

いよだ : 3 月から開発を開始したのですが、初めてのゲームエンジンを利用したので知らないことだらけで大変でしたが、3 週間ほどでプロトタイプを作り、その後デザインの変更、機能追加、品質を上げる作業をしていました。全部で約 9 ヶ月間ぐらい費やしたことになります。

新作「Dual Match 3」とは?


ぼく : そうして作った新作、紹介をお願いします。

いよだ : アプリ名は「デュアルマッチ3 - Dual Match 3 -」といいます。2017 年 12 月 6 日にリリースしました。


デュアルマッチ3 - Dual Match 3 -
iTunes: https://itunes.apple.com/jp/app/id1235387591?mt=8
Webサイト: http://jp.i-yoda.com/press/dual_match3/

ぼく : 名前の通り Match3 (3 つ以上同じ要素をつなげるとブロック等が消えるパズルゲーム) ですね。

いよだ : そうですね。「同じ色のボールを 3 つ以上連続でつなげる」という単純なルールのマッチ 3 ゲームですが、斜め方向につなげることができるので、より多くのルートが作れます。つなぐ順番次第で得点が変化するため、上達するとスコアが大きく伸びます。決められた移動回数内で、全ての色の目標値が 0 になるとレベルアップします。

ぼく : 得点が変化するとは?

いよだ : 同じ色のボールを 3 つ以上つなげると数字の合計値がポイントになるのですが、同じ色で同じ数字を3つ以上つなげるとコンボとなりポイントが 10 倍になります。さらにコンボの数がポイントに乗算されます。


ぼく : なるほど。単純作業ではなく考えないといけないので、飽きずに継続して遊べそうですね。

いよだ : はい。また飽きないための工夫として、今説明したノーマルモードだけでなく、ハードモードも用意しました。

ぼく : え、それ僕やったことない。
(※注 : ぼくβテストに参加していたので、ノーマルモードはリリース前からプレイしていました)

いよだ : ハードモードは、基本ルールはノーマルモードと同じですが、同じ色のボールを 3 つ以上つなげるとポイントの合計値の “キューブ” が発生し、同じ色のキューブを 3 つ以上つなげるとキューブを消すことができます。


ぼく : 消えるまでにワンステップ増えるんですね。

いよだ : はい、キューブが邪魔になるので難しくなりますがキューブを消すと高得点を得ることができます。

ぼく : なるほど、やってみたいな。他にも工夫したポイントはありますか?

いよだ : ゲームの進行を助けるアイテムを 3 つ用意しました。ゲーム終了後にもらえるコインを消費して使うことができます。他には、リプレイ動画やベストムーブを SNS でシェアできたり、色が識別できない方のための色覚サポート機能があったり、カラーテーマが 3 つの中から選べたりといった機能を用意しました。

ぼく : 色覚サポート機能って初めて聞きました。優しいですね。マネタイズは広告だけですか?

いよだ : アプリ内課金もあります。広告削除と、ゲーム終了後に取得するコインが2倍になる特典を課金で売っています。

カジュアルゲームで世界を獲るには?成功例の分析


ぼく : プレイモードを2つ作るとか、課金を入れるとか、非言語で直感的に理解させるデザインとか、個人的にはとても好みだし世界を狙えるポテンシャルあると思っています。打ち手としてとても正しいですよね。やっぱ世界とりたいという思いがあるんでしょうか?

いよだ : 開発を始めた頃から米国をターゲットとして始めました。日本では、ソーシャルゲームが強く、個人開発では作家性が強いものが好まれているような気がします。

ぼく : 確かに、開発者さんの「色」が強いゲームのほうが受けている印象はあります。

いよだ : 私が開発できるゲームはそのような分野が苦手なので、欧米をターゲットとしています。ヒットさせるのは難しいですが、欧米の方がシンプルなゲームでもヒットしています。最近だと Voodoo、ここ 2~3 年では KetchappGram GamesBitMango など、シンプルなゲームでもランキングに常に入っていて、レビューもそれほど悪くないカジュアルゲームがたくさんあります。

ぼく : そのへんは AppLovin でも広告売上上位の常連ですね。

いよだ : ゲームのクオリティ的には個人開発でも可能性があると思うので、それ以外のヒットさせるための施策をどうするかが課題だと思っています。成功の事例も多いのでその辺りを分析すれば確率を上げることはできると思います。

ぼく : どのへんがポイントだと分析されたんですか?

いよだ : シンプルなルールとデザイン、非言語化、10 言語以上のローカライズ、広告+課金、複数のプレイモードは、上記パブリッシャーで共通していることですし、コストもあまりかからず実現可能な要素だと思います。できれば、世界中のユーザーに遊んでいただけるとうれしいです。

ぼく : 的確な分析だと思います。

意外とお金かかってない!?多国語ローカライズの工夫


ぼく : 言語は何ヶ国語に対応されたんですか?

いよだ : 英語、日本語、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、中国語(簡体字、繁体字)、アラビア語です。12 言語ですね。

ぼく : うげぇ、すごい。。。翻訳はどうやったんですか?こんなにたくさんの言語に...。お金もけっこうかかったんじゃないですか?

いよだ :  時間の余裕がなかったですが、ローカライズはどうしてもやりたかったので試してみました。まず英語への翻訳を知り合いのイギリス人の翻訳者の方に頼んで約 ¥10,000。そのあと OneSky っていう多分香港のクラウドソーシング的なローカライズ会社に翻訳をお願いして、¥60,000 ぐらいでした。なので、合計 ¥70,000 ぐらいだと思います。

ぼく : え、意外と安い。1 言語 10,000 円もかかってないじゃないですか。

いよだ : 韓国語は素晴らしい韓国語のローカライズをしている方にしていただけました (※ぼくも知ってる方ですが、まじで素晴らしい方です)。英語の翻訳はプレスリリースの翻訳も含まれています。実際の翻訳文書以外に、用語集・スクリーンショット・スタイルガイド・翻訳してもらう言葉の説明などを求められることがあるので、早めに対応した方が良いと思います。あと各言語ごとの翻訳者から結構質問が来る可能性があります。

ぼく : 翻訳者とのやりとりは日本語ですか?

いよだ : 全て英語でのやりとりになるので、全く英語がわからないっていう感じだとちょっと難しいかもしれません。

ぼく : 貴重な tips ですね。素晴らしい工夫だと思います!

いよだ : 依頼する前に、ローカライズのためのガイド本 (50 ページぐらい) を読んで勉強しました。

Dual Match 3 開発の背景


ぼく : しかし Match3 とは、えらく競争激しそうな領域ですね(笑)。

いよだ : 確かに競争激しいと思います。どこかのサイトで App Store だけでも Match 3 は 2,200 アプリ以上あるって書いてありました(汗)。

ぼく : それはやばい(笑)。しかも大手も多いですよね。King とか、最近だと PlayrixGardenScapes, HomeScapes とか。

いよだ : はい。ただ多くの Match 3は、Candy Crush のような “課金ベース” で “ステージクリア” のパズルだと思います。”広告主体” であったり “ハイスコアを目指す” タイプのカジュアルゲームはあまり記憶がないです。

ぼく : 確かに。そういう意味だとオリジナリティは出せると踏んだわけですね。

いよだ : ただ Match 3 は、”詰んでいるかどうか” の状態を検知するときやゲームバランスの調整に “再帰処理を用いた探索アルゴリズム” が必要になるので、Threes!2048 のようなパズルゲームと比べて開発コストは高いと思います。

ぼく : そんななか、どうしてこのゲームを作ろうと思ったのですか?

いよだ : 2014 年 1 月に同じような “Number Balls” というマッチ 3 パズルをリリースしたのですが、全くダウンロードされませんでした。しかし、周りの評判は結構よかったんですよね。なので、ルール・デザイン・アルゴリズムなどを全て作り直して、よりシンプルなパズルゲームとして開発しました。

ぼく : 原型がもともとあったんですね。デザインとかはどう変えられたんですか?

いよだ : 最初は “Dots” を意識していたのですが、3D で作ることにしたので、特に他のアプリを参考にせずに、良いと思える品質まで何度も変更しました。デュアルマッチ 3 という “ゲーム性” がアピールしたいポイントなので、好きなデザインを選べるようにテーマを用意しました。

ぼく : なるほど。ある意味、参考にするものがない状態って、イチから作る苦しみとかありますよね。

いよだ : そうですね。今までは 2D だったのでイラストレーターで画像を作ればよかったのですが、3D で開発したので思ったような色や質感が出なかったりと苦労しました。

今風!AI (人工知能) を使ったゲームバランス調整


ぼく : デザインのところはどれぐらい内製で、どれぐらい外部に投げてるんですか?

いよだ : エフェクトだけ、Unity の Asset Store で購入したものをカスタマイズして使っていますが、それ以外は内製です。といっても、ボールとキューブは Unity に初めから用意されているものに色の設定をし、購入したアセットのノーマルマップを適当に利用した感じなので、自分で 3D のモデリングとかはしていないです。

ぼく : そうなんですね。あと、開発中 Facebook で post されてましたが、ゲームバランス調整で AI にプレイさせてたじゃないですか。

いよだ : はい、やってました。これとかですね。

ぼく : あれはどうやって作ったんですか?内製ですか?そういうツール・サービスがあるんですか?

いよだ : 内製です。ヒント表示用に、経路検索のアルゴリズムと、ボールをつないだラインをアニメーションで表示する部分は開発していたんですよ。それを自動で動かして、ゲームオーバーしたら自動でリトライするように作っています。

ぼく : あー、なるほど。どれぐらい賢いんですか?

いよだ : 単純に経路検索をして得点が高いと思う経路を選択しているだけで、先読みはしていないため、人よりは賢くないと思います。先読みをすると計算量が多すぎて厳しいです。ただ、ゲームバランスのために利用するには、一定のアルゴリズムで動作するメリットもあると思います。

ぼく : それはどういう点ですか?

いよだ : パラメーターを変更した時に、クリア率やコンボ率がどのように変化するか?など数値である程度判断することができます。

ぼく : なるほどねぇ。人間にプレイさせると、けっこう数こなさないと統計的に正しいかどうか判断できないですもんね。

いよだ : そのあたり、数値では直感的にわかりにくいところは、Web でレポートをグラフで表示できるように開発しました。これも内製です。





ぼく : すげぇ...。毎回話聞いて思うんですが、個人でやってるとは思えない開発プロセスの洗練度合いですね。

最後に


ぼく : ズバリこのアプリの手応えは?どれぐらい狙っていますか?

いよだ : 予測は難しいですね。理想は、30 万 DL とか欲しいですが、アップルにフィーチャーされないと現実は、数千 DL ぐらいだと思います。フィーチャーされても DL 数が伸びるかどうはわからないので運次第って感じです。収益性は常に課題ですが、今回も低いと思います。パズルで非消費アイテムをたくさん活用できる案があると良いのですが。。。

ぼく : いやでも僕自身触っててかなり品質高いと思うので、フィーチャーもですが、アプリ自体の継続率や収益性をもっと高めて、プロモーションとかにもチャレンジしたいですね。本日はどうもありがとうございました!

Q

2017年12月3日日曜日

開発したアプリ「漫画ウォッチャー」を譲渡しました

先日プレスリリースが出ていた通り、ぼくが開発して夏にリリースしたアプリ「漫画ウォッチャー」を譲渡 (売却) しました。


先に言っておくと、某 CASH と違って、まったく金持ちにはなっていません。。。
NDA があるので細かいことはお話できないですが、かけてきた労力考えるとまったく割に合わない仕事 (金銭的には) です。。。
70 億円とか桁がいくつ違う世界やねん。。。

ただ、個人的にこの一連の経験から得られるものは色々ありました。

自分でサービスを企画して、外部のリソース (エンジニア、デザイナー) を借りてプロダクトを作り、世に出すまでの大変さ。

リリース時のだいぶふざけたプレスリリース、めっちゃ buzz って、PR Times 上では「お金のデザイン」社が 5億円調達したというニュースに (瞬間風速で) 勝ったりして、ちょっと深まった自信と期待。


からの、全然思っていたほどダウンロードが伸びず、不労所得の期待も夏の幻に。

追加したい機能や、今後こんなアプリに変えていきたいという思いはあれど、いかんせん子持ちサラリーマンの資金的限界。
(これからサービスリリースされる方は、どうかどうか、リリース後のメンテやアップデートのことも視野に入れておいてください。苦笑)

そこに差し伸べられた救いの手...なのかどうか最初は分からなかったけど、とにかく事業譲渡という初めての出来事。

半年で (きちんとサラリーマンやりながら笑) これだけ経験できたことは、ちっともお金にはならなかったけど、少なくとも自分の経験値と話題にはなったかなと思うので、ポジティブに捉えています。

他にも作ってみたいサービスやゲームはいくつかあるので、趣味的にでもぼくと一緒にやってみたい方はぜひ気軽にご連絡ください!
Twitter @tatsuosakamoto

あと、本件に関してでもそれ以外でも、質問ある方は https://tatsuojapan.sarahah.com/ こちらで受け付けてます!

Q

2017年10月29日日曜日

いまチャット小説がアツい!その理由と、市場として立ち上がるための条件

Balloon掲載『俺の理性は限界突破』が好きです。画像は Appliv より

「チャットノベル」アプリ9本比較&おすすめ作品。トーク画面風の新しい小説https://mag.app-liv.jp/archive/83053

この記事、非常によくチャットノベル (以下この記事では “チャット小説”) アプリごとの特徴をおさえていて素晴らしいと思ったのですよ。
そしてちょっと前からぼく、チャット小説はマンガアプリに続いて今後のメインストリームの 1 つになるポテンシャルがあると信じているんですね。

その理由を書きます。
(ファクトというよりはオピニオンなので、やっぱり有料販売ではなく無料公開することにしました)

1. 新しいデバイス・メディアが新しいコンテンツ消費のスタイルをもたらすから


1 つ目は『歴史的に見るとそうなるよね』っていう理由です。
ヘーゲルのいう "事物の螺旋的発展の法則" っていうやつです。
(これ超役に立つ思考法なので、知らない方は読んでみてください)

映画 (街に 1 館) がテレビ (1家に1台) になって、さらにそれが 1 人 1 端末の時代になるにしたがって YouTube など新しい動画コンテンツの消費の方法が生まれ、YouTuber といわれるような (銀幕タレント → テレビタレント、と同じ流れで) 新しい種類のタレントが勃興してきているよね。

リアルな場でのオークションが、インターネットの普及にともなってヤフオクになって、”リアルタイムで売り手と買い手が交流する” というスマホならではの価値によってメルカリなどのフリマアプリになったよね。
(間にガラケーの CtoC サービスもあったね。ビッダーズ / モバオクとか)

マンガもスマホになって、Comicoに代表される “webtoon” という縦スクロール型という新しいフォーマットが生まれたよね。
上位マンガアプリのアクティブユーザー数はすでに紙のマンガ雑誌の発行数を超えていて、要するにアプリでマンガを読むというのは一般ユーザーにとって “当たり前” になってるわけです。

つまり過去の流れとしては、リアルであったサービス (第一形態) がまずインターネットで第二形態になり、(一部途中でガラケー特化という特殊形態を挟んだのちに) スマホに最適化することで第三形態になってきているわけです。

小説を読む、というのはどうか。

もともとは紙 (第一形態) だったのが、PC とインターネットの普及で web になり (第二形態)、ガラケーの普及で “ケータイ小説” という新しいフォーマットが出てきた。

読んだことある人は分かると思うけど、"ケータイ小説" はいわゆる本で読む小説とは全然違うフォーマット (改行がやたら多い、短文中心、会話が多い、横書きである、etc) ですな。
“野いちご” “魔法のiランド” といったサイトを中心に UGC 型がブームになったのも特徴で、執筆も消費もガラケーという (当時) 新しいデバイスで行われていました。

じゃあこれがスマホになって最適なフォーマットが出てきたかというと、まだ出てきていないと思うんですよ。

Kindle や Kobo で読んでるのはあくまで紙の本を前提として書かれたテキストデータをスマホで読んでいるだけ。
"ケータイ小説"はスマホでも読まれてるけど、あんな文章をいまスマホで書く人なんていない、ってことは “ガラケーっぽい” 文章しかないから仕方なくそれをスマホで読んでるだけにすぎない。

スマホユーザーが慣れ親しんだフォーマットで、それ用に作られたオリジナルコンテンツを消費する時代が近く必ずくる。
じゃあスマホユーザーが一番接しているテキストコンテンツは何かというと、チャットだと思うんだよね。
(SNS はどんどんテキストレスに振ってきているし)


...というのが 1 つ目の理由。

(なので厳密にいうと、最終的にくるのは "チャット" 形式ではないかもしれない。
 けど少なくとも、今までのデバイスではなくスマホにより特化・最適化されたフォーマットではあるはず)

2. 複数プラットフォームが乱立できるから


ネットオークションやフリマのような “ネットワーク外部性” が強烈にきくサービスは、売り手も買い手も “一番人がいるサービス” を使う経済的インセンティブが働くので、基本的には一社総取りになるじゃないですか。

一方コンテンツ産業は、もちろん人気・不人気はあれど、プラットフォームとしては複数存在し得るわけです。

ジャンプがいくら強くてもサンデーやマガジンやスピリッツを読むユーザーは (そこに面白い作品がある限り) いなくならない。

マンガアプリも、MAU 数百万レベルのものは数が限られるけど、とにかくマンガがあれば読みたいというミッドコア・コアユーザー (そう、ぼくのような) は複数アプリを併用するので、二番手・三番手グループ (MAU 数万〜数十万) が成立する。

問題になるのは「チャットスタイルで書かれた小説を読む」という習慣がユーザーに定着するかどうかで、定着したら複数プラットフォームが成り立ち、マーケットの上限はどれぐらい面白い作品が生産されるかという "供給側" の事情が決める、と思うのです。
たぶんね。

3. マネタイズできるから


チャット小説コンテンツが十分な量生産され、ユーザーもチャット小説を消費する習慣が根付いたとして、産業として大きくなるかどうかは "十分マネタイズできるかどうか"、さらにいうと "生産者側にとってコストより十分大きなリターンが得られるかどうか" が鍵になってくるわけです。

以前、ぼくとジャンプ+ (プラス) 細野編集長との対談 (https://mag.app-liv.jp/archive/82203) のなかで、「マンガアプリ発で "億" 単位で売れる作品を出したい」とおっしゃっていたのが印象的だったんですね。

細野編集長 これも画像の出典は Appliv

紙のマンガ誌は、連載単体でももちろん、その後のコミックス、アニメ化、ドラマ化、映画化、ゲーム化など “うまくいった作品のマネタイズの道” がすでに出来ている。
ヒットするのが簡単なわけではないけど、ヒットしたときにはちゃんと “ドリーム” があるから、既存の作家さんも継続するし、新規の作家さんも入ってくる。

マンガアプリについても、アプリ内課金 (作品を読むのにチケットを消費させる、作品単位で買わせる、など)、広告 (作品を読むために広告を見せる、作品の前後で動画や静止画の広告を見せる、など)、からのコミックス販売、アニメ化、映画化と徐々にマネタイズは出来てきつつある。
色々あるから詳細は端折るけど、マンガアプリが世に出てきてから、色んな会社がマネタイズは試行錯誤してきてるんだ、これが。

チャット小説は、基本的にはマンガアプリの上手くいってるマネタイズ手法をトレースすれば恐らくマネタイズ出来て (小説はマンガと同じく、元々人間がお金を払う対象だった、という事実がとても大きい)、かつコンテンツ制作についてはマンガよりも比較的ハードルとコストが低い (絵が描けなくてもいいというのがとても大きい) ので、作家さんがそれで生計を立てられるレベルにまでは到達する絵が見える。
見えるぞ。

いつか立ち上がるかもね。いつ立ち上がるの?


と、ここまで「チャット小説市場が成立しそう」な理由を書いてきたけど、本当に立ち上がるどうか、どれぐらい早く立ち上がるかは、ひとえに “ヒット作の有無” に依存していると思う。

ケータイ小説があれだけメジャーなジャンルになったのは、『Deep Love』のヒットが最初にあったからだ。(知らんけど)
その成功を見て、プロの作家から素人まで、多くの人が作り手として参加してきて、それらを読む人が集まっていった。

需要と供給でいうと、コンテンツについては常に供給がないと成り立たない世界なのである。

新しいフォーマット・新しいプラットフォームが、今後産業として伸びていくかどうか。
それは、そのフォーマット・プラットフォーム “発” の IP が生まれているかどうかで、占うことができると思う。

例えばマンガアプリでいうと、紙で流行った作品をアプリに焼き直すのではなく、アプリで人気になった作品がコミックス (紙) になって、映像化されて、という流れがすでに起きてきている。

「その作品」を読むためだけに、(高いハードルを超えて) アプリをダウンロードして読もうと思う、そんなモンスター作品が 1 つでも生まれたら、そしてその作品がきちんとマネタイズできたら。

テキストを書いて生きているプロの作家が、プロクオリティの作品を作り、課金を中心にマネタイズするプラットフォーム (のいくつか) に掲載して、それらがメインストリームになる。

んで、どこかが “成功しそうな兆し” を見せると、たとえば出版社やテレビ局など、”コンテンツの作り手” および “IP” を持っている既存のプレイヤーが、作品を掲載するプラットフォーム and/or コンテンツ提供者として参入してくるだろう。
んでそこから、チャット小説発の IP として、映像化やコミカライズといったメディアミックス展開を大人力で進めてくるだろう。

あときっと GREE, DeNA みたいな IT 業界のビッグネームもプラットフォーマーとして参入してくるんじゃないかな。
(DeNA がやるならきっと安江氏がこの事業も兼任するでしょう。(適当))
DMM が TELLER やってるのも完全にその流れ。だと思う。

セプテーニの佐藤社長がマンガを好きなのと同じぐらい、小説やテキストコンテンツが好きな経営陣がいる会社があったら、数年単位で億単位で投資して、スマホ特化した小説を専門に書く作家とプラットフォームを育成したりしてくるかもね。
Abema に何百億円も投資する CyberAgent、よりは比較的少ない投資で済みそうだし。


それほどは人気がない作家やアマチュア作家の作品も、「課金するほどではないけどチャット小説をもっとたくさん読みたい」という比較的少数のユーザー向けのアプリで、広告を中心にマネタイズされるだろう。

んでいくつかのプラットフォームが、上手にマネタイズする仕組みと、ヒット作品を継続的に生み出す仕組みを作って、新たに上場するレベルで成功する会社も 1 つ 2 つは出てきてもおかしくないかな。

ほら、なんか “ありそうな未来” でしょ?

あと足りないのは、映画化されるレベルのオリジナルヒットコンテンツですよ。

カテゴリとしては、ケータイ小説をメジャーにした『Deep Love』や、マンガアプリ発の比較的初期の IP 化コンテンツ (Comico『ReLIFE』やマンガボックス『恋と嘘』など) といった過去の事例を見るに、最初にメジャーになるのは恋愛系なのかなぁ。

集客しやすいのは (特に今の世相だと) ホラー・スリラー・サスペンスなどブラック系カテゴリか、エロ系になるんだろうけど。

最初に当てるのは誰かなぁ。
楽しみ。

最後に、実際どれかチャット小説アプリ触ってみようという方は、冒頭にもリンク載せたこちらの記事に詳しく比較してあってオススメです。アプリへのリンクもあるし。
「チャットノベル」アプリ9本比較&おすすめ作品。トーク画面風の新しい小説https://mag.app-liv.jp/archive/83053

こんなかんじで!

Q

2017年10月20日金曜日

今ぼくがカジュアルゲームを作るならこうする


こんな投稿をしたら意外と fav が集まったので書いてみます。
文章としてちゃんとまとまるか不安。。


概要

達人が説明するよ!

コンテンツ

一言でいうと『隣で誰かがやってるのを見て、思わず "おいオレ様にもやらせろよ! (ジャイアン声で再生)" って言っちゃうようなもの』を作るべし

もうちょっと具体的には
  • ユーザーをあまり選ばないもの
    (世代、性別、文化を超えて広く遊ばれているものをベースにする)
  • 10 秒プレイ動画を見ただけで「こういうゲームね」って分かるもの
    (基本的なゲーム性は、昔からあるゲームと同じで OK)
  • "ちょっとだけ" 独自性があるもの
    (ビジュアル、エフェクト、など。ただし凝りすぎて対象ユーザー減らすのは NG)
ってかんじですね。
それが出来た上で、

プロセス

  1. ゲームのモック (メインのゲームプレイ) が出来た段階で、
  2. 完成に向けて走るのを一度やめ、
  3. 15 秒ぐらいのプレイ動画を作成、
  4.  Facebook / Twitter などセルフサーブで配信できるプラットフォームで流してみて、反応を見る。
  5. 動画の CTR (クリック率) が悪かったら、
    • ゲーム部分を大幅に修正するか、
    • 開発を中止する

動画の作り方としては、
  • メインとなるプレイの様子を中心に据える
  • 言語での説明は極力使わず、説明的な要素を入れたとしても、操作している指 (どこをタップ / スワイプするか) をビジュアルで表現するに止める 
  • 爽快感・サクサク感・(派手めな) エフェクトを盛り込む
といったところ。
これはリリース後に作るプロモーション用の動画でも基本的には同じです。
 


解説


まず大前提。
カジュアルゲームアプリで、日本だけをターゲットにして戦うのは、今後ますます厳しくなる。

気づかれない、ダウンロードされない問題


数年前ならいざしらず、何者でもないあなたがリリースしたアプリは、いくら面白かったとしても、ユーザーに気付かれることはない。
存在すらほとんど気付かれず、ましてやその面白さが "今、あなたのアプリを知らない" 人に伝わることは奇跡でも起きない限り、ありえない。

(...という前提に立ったほうが、戦略を立てる上では安全)

例外は
  1. (よっぽど有名な) IP (例: おそ松さん)
  2. デベロッパーなりゲームなりがブランド化している (例: hapさん)
  3. 出せば必ず一定人数が遊んでくれるカテゴリ (例: 脱出ゲーム)
など、要するに "すでに固定ファンがいる" 状態。

新しいユーザーに気づいてもらうためのチャネルで、無料で使えるものについても、状況は厳しくなってきている。

レビューサイト
勢いが衰えてきているというのは、暫く前から周知の事実。

(全てのレビューサイトがダメというわけではないよ。あくまで昔と比べたとき、レビューサイト経由で流入するユーザーの数が減っているということ)

フィーチャー
(どの枠かにもよるけど) 確かにパワーはある。
けど 3 つ問題があって、
  1. そもそもプラットフォーマーと関係性がないと可能性が低い
  2. 毎回フィーチャーしてもらえるかどうか分からない
  3. フィーチャーが終わると流入もガクッと減る
というわけで、安定した集客を確実に見込めるかというと、ここに依存するのは相当リスクが高い。

仮に 100% フィーチャーされるとしても、1 週間でトップフィーチャーで 10 万 DL、2 週間で 15 万 DL ってところだろう。(聞いた話を総合すると)
LTV 20 円だったとして、売上見込は 200-300 万円。
エンジニアとデザイナーの 2 人で 3 ヶ月かけて作ってトントン (厳しい) ってところ。

合計 6 人月で 100% フィーチャーされるアプリを作れるというなら、この戦い方でもいいのかもね。

自分がアプリビジネスをやるなら、フィーチャーはされない前提で計画する - そうしないと危なくてやってられない。

なので有償プロモーションで集客することが前提になる


プロモーションをするのであれば、黒字で健全に成長させるためには LTV > eCPI になってないといけない。

参考記事

つまり、ただなんとなくアプリを作っては全然ダメで、そのアプリの LTV はどれぐらいになるのか (目指すのか)、CPI はいくらぐらいで取れる見込みなのか、を (実際はやってみないと分からないとはいえ、目安となる目標として) 試算しながら作らないといけない。

その場合、とるべきアプローチは大きく 2 方向に分かれる。すなはち、
  1. 課金もそれなりに上がって LTV が 300 円以上のものを目指す
  2. 超どカジュアルで、CPI 数十円でとれて、リテンションが高くて、ほぼ広告だけでもトントン回収できるようにする
のどちらかだ。






LTV 300 円を目指すか

1. については、ゆーても課金率は数 % にとどまることを考えると、一部のユーザーが数千円〜 1 万円程度課金してくれないと厳しい。
(課金率 7.5% だったとして、ARPPU 4,000 円でようやく LTV 300 円)

なので、一部ユーザーががっつりハマって課金しちゃうようなコンテンツと、わかりやすい課金への導線、きちっとしたゲームバランス、可能であれば期間限定割引や限定コンテンツといった運営要素も必要になる。

ハックされてユーザー間のバランスがおかしくならないようなセキュリティレベルと、問い合わせ・返金などの対応も (規模が大きくなってくると特に) 必要になるだろう。

要するに「ゲームの中身が面白ければ勝てる」ものではないのだ。
(面白くないと勝てないけど)

さらにはこの領域、欧米だけでなく大陸方面からも参入が多く、特に韓国なんかは元コンシューマや大手出身のインディデベロッパーが本気出して出してきている。
日本も (課金環境の良さから) ターゲット国として注力されていて、果たしてそこに勝てるのか、というのも考えておいたほうがよいだろう。

CPI 100 円未満を目指そう

広告メインで LTV 100 円は...けっこう厳しいが 、広告で 70 円 + 課金で 30 円ぐらいであれば頑張ればいけるだろう。

仮に LTV が 100 円いかなくても、大規模にプロモーションを打って口コミやオーガニックでそれなりの流入が入ってくる状況まで押し上げることができれば、CPI 100 円でプロモーションを行っても全体としては黒字にすることは出来るだろう。

え、でも CPI 100 円でとれるの?
ソシャゲとかって CPI 数百円〜千円台とかでプロモーションしてるんでしょ?
それに勝てるの?

それは正直アプリによるけど、アプリによっては全然可能です。

CPI が低くてもインストール数を稼げるメカニズム

ソシャゲとかの CPI が高い理由って、
  • そもそもユーザーを選ぶ
  • ユーザー側もダウンロードまでにかなり吟味する
というのがあって。

要するに、広告を見た人が 1,000 人いたとき、クリックする人が 50 人しかいなくて、インストールする人が 5 人しかいません、みたいな数字感 (動画広告の場合) なんですよね。(数字は適当です)
このとき CPI が 500 円だったとしたら、広告主は 1,000 impression に対して 2,500 円払っている (つまり CPM は 2,500 円) ということになります。

一方 "ど" カジュアルゲームは、広告をクリックしてくれる人も多いし、ストアに行ってから「とりあえずやってみよっかな」とダウンロードに至る割合もとても高いです。
1,000 人が広告を見たら、200 人がクリックして、30 人がインストールしました、みたいなのがありえるんです。

このとき CPI が例えば 100 円だったとしても、CPM は 3,000 円になるので、先の例に出したソシャゲよりも impression を稼げることになります。
CPI を 50 円にしても CPM 1,500 円なので、まぁそれなりにボリュームは出せるでしょう。

(広告業界では当たり前の事実ですが、CTR ならびに CVR が高いというのは、非常に有利なことなのです)

最初から海外を目指さないといけない理由


ただ...この戦い方を日本 "だけ" でやるのは、実はけっこう大変だったりする。
理由は、広告枠に限界があるからだ。

海外だと、すでに "プロモーションによって大量の impression を抱えた" 広告モデルのカジュアルゲームがけっこうな数あるし、ソシャゲにも当たり前のように動画広告が実装されている。
要するに、クオリティ高いユーザーを獲得できる動画広告の枠が、日本と比べて格段に多いのである。

一方、日本ではその少ない動画広告の枠を、国内だけでなく国外の広告主も積極的に買いにきている。
(海外ゲーム広告主の動画、めっちゃ見ません?)
なので、ボリュームをとるために要求される CPM もわりと高い。

Google・Facebook・Twitter を合わせても、1 日数千〜 1 万 DL を 100 円未満でとり続けるのは、かなり大変なのである。
仮に最初のほう出来たとしても、すぐにサチって (saturate = 限界に達して)、CPI を引き上げないとボリュームが減ってきてしまう。

(それでもよいから、安い CPI でチョロチョロ取り続ける、ってのも (ROI がプラスなら) やらないよりはやったほうが良いんですけどね)

ここで、そもそも幅広いユーザーから受け入れられて、低い CPI で獲得できるようなタイプのゲームって、
  • ぱっと見て遊びかたが分かる
  • ぱっと見て「やってみたい」って思う
ようなものなので、要するに言葉で説明しなくてもゲームの魅力が伝わるようなものなはず。

ってことは、テキスト量比較的少なめで、ローカライズ (翻訳) にそこまでコストがかからないので...
なぜ海外を狙わないの?という話になるわけですよ。

アプリ作るのにかかった工数と比べると、たとえば言語を英語にするだけってそれほど大きな工数ではないはず。
(もしそこにコストが大変かかるようであれば、もしかすると言語を使いすぎている (直感的にわかりにくい) のかもしれない。そうじゃないかもしれないw)

とにかく動画だ、動画を作ろう




というわけで方向性としては
  • 多くの人がぱっと見て「面白そう」「やってみたい」って思う、シンプルで分かりやすい "どカジュアル" ゲームを作る (目標 LTV 100 円)
  • ほぼ非言語でコミュニケーションできるものにして、最初から海外を狙う
  • フィーチャー頼りではなく、プロモーションで集客する
というのが再現性高いカジュアルゲームの戦い方だということがお分かりいただけたかと思う。

最後に集客についてだけど、鍵になるのは動画。
理由として、まず主な集客チャネルになる Google (UAC), Facebook, 動画ネットワーク (AppLovin, Unity, Vungle など) でボリューム獲るときに必須になるフォーマットだということと、やっぱりテキストやバナーよりは "ほら面白そうなゲームでしょ" ってのを伝えやすいということ。
あと、ほとんどの (特に海外の) カジュアルゲームに動画広告の枠がある、というのも大きい。

このとき作る動画は、最初は特に、全然凝ったものでなくてもいい。
メインはゲームのプレイ動画で、推しポイントを完結にテロップで説明する (特に音声 OFF の状態で動画を見ている人向け) 程度。
最後にゲームのロゴが出てきて、エンドカード (最後の止め絵) で気に入った人をきちんとストアに誘導する (click to action ボタン的なものを用意する)。

変に凝ったものを作ると、ことカジュアルゲームにおいては逆効果になることもあるかもしれない。

電車で隣に座った人がやってるゲームを見て、「ちょっとやってみたいな」って思ってもらえる - それぐらいのイメージ。

もっと詳しい動画作成のコツは、この記事なんかも参考にしてみてください。
参考: 魅力的な広告作成のコツは? by Akira Taninaka on October 18, 2017

アプリをリリースするよりも数ヶ月前に


で、これはぼくのアイデアなのですが...
この動画を「アプリが出来てから」ではなく、「メインのゲームプレイが 5 割ぐらい出来たタイミング」でさくっと作って、Facebook や Twitter とかでプロモーションしてみる (知り合いに見せる、ではなく、まったく個人的繋がりがない人に見せる) のがいいんじゃないかと思うんですよね。

アプリを頑張って作り切って、出してから、全然ユーザーに響かなかった、ってなると辛いじゃないですか。

それよりずっと前に、なんとなくゲームのモックが出来た時点で不特定多数の人に見せてみて、どれぐらい興味を持ってもらえるかをテストしてみるといいと思うんですよ。
少なくとも、リリース後に動画広告でプロモーションしたとき、どれぐらい CPI 低く獲得 "できそうかどうか" が分かるはずです。

(CTR 何パーセントあればいい、というのは僕もやったことないので分からないですが...
 すでにゲームいくつか出してる方は、今すぐプレイ動画を撮って、Facebook で流して広告費 2-3,000 円ぐらいかけてみましょう。比較対象にする CTR のデータを得るために)

もし動画の CTR (クリック率) が他と比べて極端に悪かったら、ゲーム部分を大幅に修正する (その後もういちど動画化してテストする) か、開発を中止して次にいくのがいいと思います。
出しても当たらないゲームを完成させて、疲弊しちゃう前に。

最後に


思った通り長くなったし、いまいちまとまってないけど、実はまだここに書ききれていないことがあります。

  • リリース後プロモーションをして、なんの指標を見ればいいのか?
  • 大きくグロースさせようと思ったときに、実は潜んでいる落とし穴は?

実はこのへんを話すと、マネタイズとプロモーションの両方で AppLovin を使ったほうが良い明確な理由があるのだけど...
書くと営業っぽくなってしまうのでね。

興味ある方はお気軽にこの blog の中でのコメントか、Twitter @tatsuosakamoto までご連絡ください!

あと、自分で動画作れないって方は、比較的安価 (お友達価格) で動画作れる人を紹介するのでお問い合わせください!

こんな動画を作ってくれます。↓

Slash/Dots. (iOS | Android)
終わり方がかっこいいw
15 秒 / 30 秒、縦 / 横の 4 パターン作ってもらいました

少年騎士ヤスヒロ (iOS)
元素材はシンプルな静止画 + プレイ動画だったのに、すげー上手く料理されてる


以上!

Q

2017年10月1日日曜日

起業するので、株主になってくれる方を募集します!

っていうのは嘘なんだけどね。(2017 年 10 月 1 日時点では一切予定なし)

ちょっと前から、こういうやり方で資金調達できないものかなぁと妄想してます。

起業家のイラスト(男性) - いらすとや



1. とりあえず法人を設立

たとえば 10 月 1 日に設立したとする。

2. 初年度は株式の 10% を売り出し

11 月 1 日までの 1 ヶ月の間に、この法人の株を買いたいっていう人から、いくら分買いたいか (金額) を入札してもらう。

たとえば、100 万円出したいって人 (A) と、20 万円出したいって人 (B) と、5 万円出したいって人 (C) がいたら、合計 125 万円を調達し、時価総額は 1,250 万円。
A は 8%、B は 1.6%、C は 0.4% のシェアを持つことになる。

※割り算が割り切れなかったときの処理はうまいことする

3. 二年目の 11 月 1 日には、追加で 10% を売り出す

このときにも、この法人の株を買いたいっていう人からの入札を受け付ける。
また同時に、この時点で株を持ってる人は、好きな割合を売り払うこともできる。

たとえば、上記の A さんが持分の半分 (4%) を売り出したいと宣言した場合、このラウンドで流通する株式は 14% 分ということになる。

このラウンドで買いたいっていう人からの入札金額の合計が 1,400 万円だったとき、1% = 100 万円 (時価総額 1 億円) になる。
よって A さんは 4% 分の株式 (取得価格 50 万円) を 400 万円で売却できる。
(時価総額が 1,250 万円 → 1 億円と 8 倍になっている)

 4. 同じことを 10 年間繰り返す

この時点で創業者の持分は 0% (自分で買い戻さない限り) になっているので、この会社は晴れて社会の公器になりました!w



妄想のなかでいくつか検討・懸念していること。

ICO でやればいいんじゃないか

→ ICO による資金調達は日本だと法的に微妙 (少なくとも、IPO による EXIT はかなり難しくなる模様) らしい。
まぁでもこの形だったら EXIT する必要なんてなくなる?から別にいいっちゃいいのかなぁ?

事務手続きが死ぬほどめんどくさそう

→ 株主の数がかなり多くなり得るやり方なので、株主の同意を公式に得ないといけない場合とかがかなり面倒そう。
全ての手続きをオンラインで出来たりすると楽になるのかな。

全部議決権のない種類株にするとか?(可能なのか?)
上記のように ICO にすればいいのか?

株価が下がったときとか文句言われそう

→ まぁそれは上場してても一緒か。
VALU みたいに、基本は知り合いとか、自分を個人として知ってる / 応援してくれる人に出してもらうような形にして、攻撃的なネガティブフィードバックがあまり起こらないようにしたいなぁ。

VC とかはきっと出資してこないんだろうなぁ

株主とのコミュニケーションどうするべ

→ 日々の Facebook グループ (またはサロン的な何か) + 月次のメーリスかな


こういう法律に違反してるよ (多分いろいろ違反してるんだろうなぁ...) とか、こういうやり方でなら出来そうだよとか、妄想をもう少し現実的にするために色んなフィードバックもらえると嬉しいです!


※あらためて、 2017 年 10 月 1 日時点では一切起業の予定はありません!
今後絶対しないっていう意味でもないけどね。

Q

2017年9月12日火曜日

ロングインタビュー風!AppLovin 日本のマーケター Amy が仲間を大募集中

AppLovin 東京オフィスでマーケティング・PR を担当している、Amy Mills (エイミー・ミルズ)
今年 (2017 年) の 1 月に入社してから早くも半年以上がたち、アプリ業界の方ならすでに一度ぐらいは既にどこかでお会いになっているかもしれません。


写真は全てこの記事のために撮り下ろしました

そんな Amy と一緒に働くチームメンバーをこのたび募集することになりました!
https://boards.greenhouse.io/applovin/jobs/841003#.WbboFtMjHUq

AppLovin のマーケティングのお仕事のご紹介と合わせて、ぜひ Amy の人となりも知っていただいた上で、ご興味があればぜひ話を聞きにきてください & いい人がいたら気軽にご紹介ください!!

過去のメンバー紹介記事:まんでぃサニー谷やん




ぼく:気づいたら入社から半年もたっちゃってた...。ずっとインタビューしてなくてゴメンな。。。

Amy:No problem!

ぼく:じゃあ気を取り直して...まず簡単にプロフィールを教えてください!出身は Sunny と同じやったよね?

Amy:そう、こう見えて神戸出身やねん。普段は関西弁と英語のちゃんぽんで会話してる〜 lol


ぼく:(個人的にはそこもポイント高い) 学生時代はずっと日本?

Amy:いや、大学はシカゴの Northwestern University で Communications Major, Business Minor でした。
(※ Major = 主専攻, Minor = 副専攻)

ぼく:ギャングの街や...(ゴクリ

Amy:そんな治安悪くないよw でもとにかく寒かったわ。。で、そのあと東大の大学院で言語学を勉強してました。

ぼく:えっ、後輩やん。。無駄に高学歴やなうちの会社...。

Amy:たしかにね〜

ぼく:で、前職は Twitter Japan やったよね。毎日 1 回 140 文字以内で呟くお仕事、やったっけ?

Amy:呟きもしてたけどwそれだけじゃないで〜

マーケティングのお仕事


Amy:Twitter Japan での role (役割) は Content Marketing Manager (B2B Marketing) っていって。広告主が対象で、いろんな企業さんに Twitter についてもっと知ってもらって、もっと使ってもらえるように資料を作ったり、イベントなどをやってました。

ぼく:なんか...今 AppLovin でやってる仕事とほぼ同じ?

Amy:そうね〜、今も B2B Marketing やから近いといえば近いね!

ぼく:もうちょっと具体的には、今どんな仕事してるん?おれ一部しか知らん気がする。

Amy:大きく分けると、コンテンツとイベントかな。コンテンツのほうは、Twitter, Facebook, 公式ブログの更新のほかに、exchangewire, gamebusiness.jp みたいな業界誌への寄稿記事、プレスリリース、ケーススタディー紹介とか。

ぼく:Amy が入る前はおれの個人 blog と SNS でしか発信してなかったから、だいぶ AppLovin 発信の情報増えたよな〜。

Amy:もっとブログに力を入れていきたい!


ぼく:Amy の恋愛コラムとか、まんでぃの料理コーナーとかやったらええんちゃう?

Amy:そうねー...

ぼく:(汗) イベントのほうは?

Amy:CEDEC, Adtech のような業界イベントをスポンサーしたり、AppLovin が主催・共催するイベントや勉強会を開催したりとか。来週の TGS (東京ゲームショウ) でも gumi, Adjust さんとかと共催でパーティやるから、今はその準備をやったりしてる。

2017/9/21(木) 20時~開催しました!

ぼく:朝食勉強会とか、意識高くてええよね。

Amy:あれ日本発のフォーマットで、これから他の国でもやることになってん(ドヤァ

ぼく:おぉすごい。

Amy:他にも、blog の #デベロッパーさんに直撃 シリーズも日本発のフォーマットで、翻訳されて英語版でも展開することになってん(ドヤァ


ぼく:おれも外資系にずっといるから分かるけど、ローカル発でやった施策が本社とかグローバルで採用されるって実際レアやし、アガるよな〜

Amy:グローバルでも上手くいってほしいわ!

ぼく:AppLovin の日本オフィスメンバー以外やと、どんな人と仕事することが多いの?

Amy:社内だと本社のマーケチーム。私の上司は本社にいて、日本のマーケは私だけなので比較的自由。

ぼく:そのぶん責任重大やね。

Amy:そうなのよ〜。しかもマーケティングの専任メンバーがいないから韓国や東南アジアもカバーしてて、けっこう大変〜

ぼく:社外だと?

Amy:業界誌とかメディアの方たちと、あとは Adjust, TUNE, AppsFlyer みたいなトラッキングパートナーとよく共催でイベントをやるので、そのマーケ担当と連携することが多いかな。これは日本だけじゃなくて他の国でも!

ぼく:GDC や Casual Connect のときとか、よくやってるよね。Twitter にいたときと、マーケの仕事でここが違う、みたいなところはある?

Amy:前職では広告主サイドの仕事しかしたことがなかったから、AppLovin に入って developer-side を見ることができて新鮮!個人やインディーのお客さんとか、広告主とはやっぱり結構ちゃうね。

ぼく:違うね〜。でもその違いも面白いから、おれも両サイドやれるのは楽しいと思う!

AppLovin に入社した経緯


ぼく:ちなみに AppLovin のことって、どうやって知ったの?

Amy:どうやってかは忘れたけど、同じ業界にいたので、名前はどっかで聞いたことがあったのよ。そしたら高校の後輩の Sunny から、ある突然急に Facebook でメッセージがきて。

ぼく:けっこうよく連絡とってたん?

Amy:7 年ぶりだったw

ぼく:Oh.

Amy:当時はまだ Twitter にいて、そこまで転職のことは考えてなかったので、彼の “Are u interested in casually talking to our country manager? (うちのカントリーマネージャとカジュアルに会ってみない?)” に対し、私は “I’ll let you know when I’m interested (興味でてきたら連絡するわ)” みたいな適当な返事をして、、笑

ぼく:完全にお断りされてるやつやな、それw

Amy:でも 4 ヶ月後にようやくコンタクトしたのね。結構間が空いちゃったのでさすがにポジション埋まっちゃてるのかと思ってたら、まだ募集してて!びっくりしました。


ぼく:その頃めっちゃ Marketing Manager 探してたもん。。なかなか良い人いないし、ぼくらが良いと思っても本社に気に入ってもらえなくて。。大変やってんで。

Amy:確かに、経験者もたくさんいるポジションじゃないしね〜。

ぼく:どのへんが、AppLovin 入ってもええなって思ったポイントやったん?

Amy:やっぱり成長していて、将来性のある企業だと思ったから。あとはポジションがドンピシャ!なかなか IT 業界の B2B marketing のポジションはないので job description を改めて読んだ時、しっくりきたっていうのが大きいね。

ぼく:ほ〜、そうなんや。

Amy:あとは人!日本チームのみんなすごく優秀でハイスペックなのにすごく “chill” ...日本語でなんて言うのかな? で働きやすそうな環境だなぁって思ったよ。

ぼく:なんとなく分かる!無理はしないけど、みんなやることしっかりやってて、どうやったらもっと伸ばせるかも考えてて...。職人なんだけど、オーナーシップとハングリー精神がすごい、みたいな。

Amy:最後に、日本のマーケティングを立ち上げるのにもすごく興味があった!私で大丈夫なの?!って不安はあったけど。lol

ぼく:そこはやっぱ小さくて伸びてる組織に入る醍醐味やな!

AppLovin の印象


ぼく:いざ入社してみて、半年たって印象はどう?

Amy:最初は女性一人でちょっと心配だったけど、一日で不安がなくなったw

ぼく:まじか!

Amy:男性陣がみんな優しすぎたので♡全く心配する必要がなかったわ。


ぼく:思ってたんと違う、みたいなことはなかった?

Amy:びっくりしたのは社内ミーティングの少なさ。前職は mtg だらけだったので、最初はえ、大丈夫なの?!と思ったけど、AppLovin では本当に必要な時しかミーティングを行わないので、効率よく仕事ができていいと思う。

ぼく:日本チームの中でちゃんとしたミーティングみたいなのやったこと一回もないよな。

Amy:席にいながら話して終わり、やもんね。笑

ぼく:Amy から見て AppLovin の良いところってどんなとこやと思う?

Amy:スタートアップで少人数なのに、プロダクトがしっかりしていて、とにかく優秀。あと、社員を大事にする会社ですね。

ぼく:そもそもマーケ・広報の仕事って、おれは我流でしかやったことないんやけど、プロの Amy から見るとどんなところが楽しい?

Amy:PR やイベントを通してお客様が AppLovin により興味をもってもらえるような活動をしているので、「とても勉強になりました!」「楽しいイベントでした」「あの記事、とても参考になった」と聞くとやりがいを感じますね〜。

ぼく:なるほどね。裏方仕事やけど、お客さんと直接話すことでポジティブになれるのね。

Amy:そう。マーケは広範囲なので、とにかくいろんな人との出会いがあるので楽しいですね。広告主、デベロッパー、トラッキングパートナー、SSP/DSP、プレス、とかとか。

ぼく:そういうのが苦にならない、むしろ楽しめる人には面白い仕事かもね!

メンバー募集


ぼく:そんな Amy のマーケチームで最近人を募集しはじめた (Marketing Coordinator, Japan) けど、ポジションについてちょっと詳細と、どんな人と一緒にやりたいかを教えて!

Amy:一言でいうと私と一緒に、いま説明したようなマーケ・PR のお仕事全般をやってくれる人。今回募集してるのは特に、韓国語と日本語ができる人!!


ぼく:英語と日本語、じゃないんや。笑

Amy:さっき話したように、今は韓国のマーケティングも担当してるんだけど、韓国語できないので難しくて。。

ぼく:おれがもっと韓国語できたら助けてあげれたのにな。すまんの。

Amy:全然上達してないやん lol 本社とのコミュニケーションは私がメインでやればいいから、逆に英語はそこまで重要じゃないかな〜。ある程度喋れたほうがもちろんいいけど。

ぼく:広告の知識とかは?

Amy:アドテク業界の経験は特に問いません!主にイベント周りのサポートをしていただくので、イベント企画やオペレーションができる人だと嬉しいな。もちろん教えるので、そこまで経験なくても大丈夫。

ぼく:この記事で興味持ってくれる人でてくるといいね〜!

最後に


ぼく:最後に、Amy のこともっと知りたい!って人のために、プライベートなことも聞いていい?趣味とか。

Amy:その言い方なんか照れるわ。。趣味はジムで体を動かすこと!

ぼく:運動はずっとやってたの?

Amy:ジムは数年前からずっと行ってたけど、サボったりもしてて昨年から真面目に行き始めた。Tipness で筋トレ系のプログラムをやってます。


Amy:体も変わるし、体力もだいぶついたので、いつも元気です!目指せ six pack!!

ぼく:お、おれも目指す!

Amy:お酒も好きなので友達と飲みに行ったり。。でも最近は体のために控えようとしてる。

ぼく:(たまに二日酔いになってるしな。お互いもう若くない...)

Amy:あとイベントが好き!今年は 3 つも夏フェスに行きました。

ぼく:たまに Facebook で写真あげてるよな。3 つはすごいw めっちゃ元気やんw

Amy:それ以外では、普通の女子なので(笑)、買い物とか美容大好き。今年 30 になったので、お肌ケアにはまってる。老けないように頑張ります〜

ぼく:いつも忘れそうになるけど、意外と年齢近いんよな。いつまでも綺麗な Amy でいてください!




最後こんな締めでいいのかw

Amy やぼくと一緒に AppLovin でマーケティングのお仕事 (Marketing Coordinator, Japan) をしてくれる方はこのサイト https://boards.greenhouse.io/applovin/jobs/841003#.WbboFtMjHUq からぜひ応募してください!

応募する前にまず話を聞いてみたいという方や、Amy と合コン・デートしたいという方は、お気軽に @tatsuosakamoto までご連絡を!

※合コン・デートについては受諾されるか定かではありませんので悪しからず。


最後こんな締めでいいのかw

Q

2017年8月27日日曜日

#読書メモ 『スタートアップ・バブル』by ダン・ライオンズ

Amazon楽天ブックス

たまたま Kobo ストアで見つけて読んだ本。
衝撃的に面白くて、一気に最後まで読んでしまった...!

「ニューズウィーク」を突然クビになって、新進気鋭の IT スタートアップ「ハブスポット」に勤務することになった、50 代男性のルポ (ノンフィクション)。
映画「インターンシップ」みたいな、さえない中年男が奮闘する話かと思いきや、むしろ逆に "良識と経験のある" ビジネスパーソンから見ていかに "IT スタートアップ界隈" が狂っているかをエピソードを基に書いた、なんとも風刺と示唆に富んだ話だった。

明るく華やかなイメージとは裏腹に、テクノロジーの裏付けのないクソみたいな製品をセールスとマーケティングの力で顧客を騙して売ったり、経験のない若者を "カルト的に" 洗脳して薄給でハードワークさせたり、赤字続き (黒転の見込みもない) のに投資家ともども株価を吊り上げて私服を肥やしたり、など "どこかで聞いたような" 話が盛りだくさん。
笑えるエピソードなのに笑えない。。

そして終盤につれ、ちょっと頭のイカれた?上司からのパワハラからの即日解雇、そして辞めた後に起こったちょっとゾッとするエピローグ...と、最後のほうはかなりシリアス展開に。

もちろんこれは一方的な視点から描かれた内容で、創業者や、他の従業員や、投資家・市場関係者から見ると別の側面や意見があるのだろうが。
そして必ずしも、スタートアップが華々しさと勢いで従業員や投資家を惹きつけ、赤字のまま大きくなることが悪いことではないことも承知しているが。

スタートアップに対する批判的・懐疑的な見方を通じて、思考を膨らませるのにはとても良い材料だった。

しかし、問題の企業名も実名で、一部登場人物についても実名で、(機密情報・個人情報・顧客情報の類は含まれていないとはいえ) ここまでリアルな暴露本を出版できるってこと自体がすごいな。
増田ならともかく...

Amazon楽天ブックス

Q

2017年8月16日水曜日

ぼくには外国人コンプレックスがある

誤解を招きそうな表現だが、実はぼくには外国人コンプレックスがある。
外国人というよりかは、日本国外で育った人に対する劣等感、といったほうが正確かもしれない。

高校時代の留学に始まり、直近では前職の Google、現職の AppLovin で、多くの外国人と、同僚やビジネスパートナー、時には単なる友人として、付き合ってきた。

多くの場面で、あぁこれ勝てねぇな、と感じてしまうのである。

いらすとや「サイバー戦争のイラスト
スキル的な話ではない、と思う。
むしろ、同じぐらいのレベルにいる人 (例えば、同じ業界のトップ 20% のところにいる人) 同士を比べると、スキル的には日本人の方が勝ってる (もっと評価されてもいいのに) と思うことが多い。

違いを感じるのは、メンタルとか姿勢の部分だ。
多少嫌がられようが御構いなしに (気にしてるのかもしれないけど)、ゴリッと営業し、ズバッと断り、ドロッと社内政治かまし、ドーンと自己アピールしてサッサと昇進する。

あれは、参考にはなるけど、まんま真似は出来んわ。

サッカーで例えると、相手ペナルティーエリア内に入ったところで、くさびのパスを後ろ向きで受け、自分の後ろにはマーカーがついていて、チョンと落とせば味方がフリーでミドルシュート打てそう、って場面。

その場面で、強引に振り向いて自分でシュートを打てるか?
(入るかどうかは別として)

ぼくだったらやっぱり落としちゃうんだよなぁ。
そっちのほうがゴールの確率が高いという計算を言い訳にして。
ミスしたら監督に怒られるとか、チームメイトに嫌われるとか、メディアに叩かれるとか、恥ずかしいとか、そういう感情から目をそらして。

そこでリスクをとってでも、ゴールしたときの大きなリターンを取りに行くという、覚悟の違いなのかもしれない。

ただもうこれは長年染み付いてしまったメンタリティで、すぐには変えられないと思うので、そこまでのリスクを冒さなくてもゴールをとれるようにスキルを磨くなり、自分がゴールをしなくても周りが認めてくれるような圧倒的なバリューを出すなり、するしかないと思っているのだ。
いきなりイブラヒモビッチにはなれない。

こういうのが背景としてあるので、外国の人から実績や能力を評価されると、正直すげー喜んでしまう自分がいる。
お恥ずかしい。

以上、愛すべき外国人の友人・同僚・ビジネスパートナー達にリスペクトを込めて。

Q

2017年8月14日月曜日

なぜ競合他社の人とも仲良くしようと思っているのか

つい今しがた、競合他社 (アプリの DSP) 勤務の若手の子のメンタリング (悩み相談) をしてあげていた。
内容はさすがにセンシティブなので、ここでは割愛。

画像: いらすとや

彼に限らず、ぼくは同じ業界の競合他社で働いている人とも極力仲良くして、できる限り (自分の雇い主の利益に反しない限りは) 助けてあげるよう心がけている。

理由は、短期的で打算的なものも多少はあるけど (ええかっこしたいだけ、とか)、大きなものとしては、いま競合関係にある人であっても割と近い将来に立場が変わって、協力関係になったり、なんなら同僚になったり、みたいなことがリアルに起こり得るから。

特に外資系企業なんて、元々移籍サイクルが早いのに加えて、参入・撤退が定期的に起こるので (3-5 年ぐらい同じ会社にいる人のほうが珍しいんじゃないかってぐらい)、いまバチバチの競合関係にある人が、ちょっとしたらお客さんになってました、ってケースはしょっちゅうある。

なので、競合の悪い噂話をしたりして (※) 足を引っ張るみたいな真似をしていると、長期的に見るとその人自身の価値を毀損してしまうだけになる (恨みを買ってしまうと、後々のビジネスに影響する - 後々ということはお互い偉くなっている可能性が高いので、バカに出来ないぐらい大きなロスになるかもしれない)。

(※ ファクトベースで、悪いプロダクトやサービスについて情報交換するのは、必要なことなのでアリとしよう)

そのことが分かってる人は、変な行動をとらないので非常にやりやすい (フェアに戦える) のだけど、時々分かってない人が他社プロダクトや人に対する悪口 (しかも事実チェックもろくにしてない噂話レベルの) を言ってるのを直接的・間接的に聞いたりすると、あぁ勿体無いことしてるなぁ、って思う。

そして、自分はそんな人とは将来一緒に働かないように気をつけよう、と思う。
オッサンになるとなかなか染み付いた行動パターンって変えるのが難しいので、そういう人って次の場所に行っても同じようなこと繰り返すことが多いと思うので。

P.S.
もしうちのプロダクトについてネガティブな話を聞いたら、ぜひ直接教えてください!
後ろめたいことのない素晴らしいプロダクトだとぼくは胸張って言えるし、とはいえ何か改善すべき点があるのであればきちんと把握したいので。

Q

2017年7月25日火曜日

たつおの部屋 : アプリのCPIの計算で見落としがちなこと

前回同様、これから広告出稿しようかな〜っていうフェーズの、どちらかというとカジュアルゲーム作ってるデベロッパーさん向けの記事だよ!


【質問】

前々回の blog で "LTV > 獲得単価" ならどんどんプロモーションしてビジネスを拡大させるべきだって話が出てきました。
前回の blog では、LTV の計算方法が紹介されてました。

前々回の記事 : 成功から逆算してアプリを作る - 北京の車窓から http://www.tatsuojapan.com/2017/06/blog-post_30.html
前回の記事 : たつおの部屋 : アプリのLTVってどう計算するの? → 2つの方法を紹介  http://www.tatsuojapan.com/2017/07/ltv-2.html



じゃあ広告でユーザー獲得しましょうってなったときは、獲得単価は広告ネットワークの管理画面に出てる CPI のことですよね先生!?

【回答】 

 実はそれだけ見ていると、チャンスを逃してしまう可能性があるので注意が必要なのです!

どういうことか解説する前に、最近とあるデベロッパーさんからいただいた嬉しいメッセを公開。(文体を一部修正してます)

AppLovin で 1 週間ぐらい広告打ってみましたが、広告経由以外のインストールも伸びてるので全体としては ROI プラスになりそうです。
今後も継続できるよう予算取ります!

太字にしたところがポイントです。

広告を出稿したとき、広告ネットワークやトラッキングツールに出てくる "インストール数" は、その広告ネットワークで広告に "直接接触した人" が所定の期間内にそのアプリをインストールした数、になります。

ですが実は、広告を出稿することで、そこに反映されないインストール増が見込める場合もあります。例えば、
  • ランキングが上がったり、検索順位が上がったことで、アプリストアで発見してインストールしてくれるユーザーが増加
  • 広告経由でインストールしたユーザーが、友達や SNS にシェアすることでインストール数が増加
などです。

("広告に直接接触していないユーザーのインストール" のことを業界用語で "オーガニック・インストール" と呼びます。健康に良さそうです)

この副次効果が大きければ、広告ネットワーク上での (purchased install に対する) CPI が多少高くても、実質的な CPI (eCPI = effective Cost per Install) は LTV の範囲内に十分収まることは十分ありえます。

いくつか事例を紹介しましょう。
(実例をもとにしてはいますが、数字とかは超適当にいじってるので、実際の数字とは全然異なります)

事例 1 : 国内カジュアルゲーム

平均 CPI 100 円 で週に 500 万円を、SNS や動画広告ネットワークに出稿。(合計 5 万インストール)
その結果ランキングが TOP 10 以内に入り、オーガニックで 5 万インストールが発生。

結果として、500 万円かけたことで合計 10 万インストールが増えたことになるので、eCPI は 50 円の計算。
LTV 80 円ぐらいのアプリなので、ROI 160% (80 ÷ 50) が達成できる計算。
この eCPI が維持できる限りは継続出稿することにした。

事例 2 : 海外 (US) へのカジュアルゲーム出稿

平均 CPI 100 円で日に 10 万円ほど出稿。(1 日 1,000 インストール)

テストしてみた結果、
  • 平日はプロモーションしていない日と比べて +4,000 インストールが発生
  • 休日や長期休暇期間はプロモーションしていない日と比べて +1,500 インストールしか発生しない
ことが分かった。

検証しようがないが、これはおそらく平日に限り、インストールしたユーザーが学校や職場で周りの人に (平均 3 人ぐらい) 紹介してダウンロードさせてるのではないか? と予想。

もしそうであれば、1 件広告経由でインストールさせることで合計 4 件のインストールが発生するわけなので、eCPI は 25 円 (100 ÷ 4)。
ただし休日や長期休暇期間の eCPI は 66.7 円 (100 ÷ 1.5)。

平日に関してのみ eCPI が LTV 50 円を下回っているため、平日のみ出稿し、土日祝日・長期休暇期間は出稿を止めることにした。

〜〜〜

以上いずれのケースにおいても共通しているのは、トラッキングツールで捕捉できない間接的なインストールが少なからず発生していること。

上記のような (他にプロモーションや PR などを積極的に行っていない、またはその影響を無視できる) ケースでは、このインストールは "プロモーションによって発生した" インストールだとみなすことができるはず、じゃない?

これを、投資対効果や継続判断の際には無視してはいけないのだ。
(上記いずれのケースも、広告ネットワークの管理画面の CPI だけを見ると LTV よりも高いので、広告出稿を止めるという判断をしてしまい、成長機会損失につながる可能性がある)

ランキングに載ったりといった目に見えた影響がなかったとしても、プロモーションの開始をきっかけに、広告経由の直接的なインストール数以上にインストールが伸びることは多くのケースで起きる。
(冒頭でコメントを紹介したデベロッパーさんなんかはまさにそうだ)

複数の広告ネットワークに出稿している場合は、ネットワークごとの正確な値を算出することは難しいのだが、eCPI のいちばん簡単な計算方法はこれだ。

投下費用 ÷ {(プロモ開始後の日毎のインストール数 - プロモ開始前の日別のインストール数) x 対象日数}

簡単に言うとよーするに、
プロモに幾らかけたか ÷ プロモやって増えたインストール数の合計
という、これだけ。

  • プロモやる前までは 1 日 100 インストールしかなかったよー
  • 1 週間プロモやったら、1 日 300 インストールの状態が 2 週間ぐらい続いたよー
  • プロモに全部で 30 万円かけたよー
だったら、eCPI は
30 万円 ÷ {(300 - 100) x 14日} = 約 107 円
となる。
(30 万円かけて、2,800 インストール増えたので、1 インストールあたりの実質コストは 107 円)


最後に、以前同僚の雀鬼・谷やんが言ってて面白いなと思ったセリフを紹介したいのだが、それは「オーガニックインストールなんて無いですよ」というもの。

アプリストアでランキング上位にあげようと思ったら売上なりインストール数なりを積まないといけないわけで、そのためにはプロモーションをしないといけない。
フィーチャーされるためには、ストア担当者にアプローチしたり、フィーチャーされるに値する高いクオリティに仕上げたりと、(直接的なキャッシュアウトは伴わないとしても) 少なからずコストがかかる。
ストアの検索に引っかかるためにも ASO 対策をきちんとやってないといけない。

つまりアプリ広告業界で "オーガニック・インストール" と呼ばれているものは、"オンライン広告経由のインストールではない" というだけで、"コストをかけなくても自然と発生したインストール" という意味ではない、というかそんな自然発生的なインストールなんて世の中には存在しないんじゃないか、という論。

(...だと解釈しました。)

まぁ確かに、TVCM やって伸びたインストール数だって、トラッキングツールでは "オーガニック" ってカテゴリに入ってしまうわけで。

細かく数字を見ることも大事ではあるけど、時にはある程度ばっくり大きなドンブリに入れて計算してみることが、大きな方向性を決めるためには必要なんだな、っていう話でした。

〜〜〜

ちなみにぼくが先日リリースしたアプリ "漫画ウォッチャー" は、オーガニックでも全然ダウンロードされてないです!
みなさん冷やかしでいいのでダウンロードして ★5 つけてちょんまげ〜〜〜!!!

 
漫画ウォッチャー – 週刊マンガ誌の休刊情報をお知らせ
App Store (iOS) : https://itunes.apple.com/jp/app/id1247711148?mt=8
Google Play (Android) : https://play.google.com/store/apps/details?id=com.manga_watch

アプリ出したらワンチャンあるかもなんて、そんな甘くなかった!
でもまだ諦めずに頑張るもん!

Q

2017年7月6日木曜日

たつおの部屋 : アプリのLTVってどう計算するの? → 2つの方法を紹介

これから広告出稿しようかな〜っていうフェーズの、どちらかというとカジュアルゲーム作ってるデベロッパーさん向けに書くよ!

【質問】

前回の blog で "LTV > 獲得単価" という話が出てきましたが、そもそも LTV ってどう計算するんですか?
過去の売上の累計を、過去のダウンロード数の累計で割って計算しているのですが、合ってるか自信がありません。

前回の記事 : 成功から逆算してアプリを作る - 北京の車窓から http://www.tatsuojapan.com/2017/06/blog-post_30.html

【回答】

ざっくり 2 つの計算方法があります。

1 つ目は貴方が言っている、"売上累計" を "ダウンロード (DL) 数累計" で割るという方法です。
例えば、過去 2 ヶ月の累計売上が 200 万円で、DL 数累計が 10 万だったとしたら、LTV は約 20 円、という計算です。

この計算方法が成り立つ前提条件があって、それは
  • ちょっと前にダウンロードしたユーザーが、"累計売上" に大きな影響を与えるほどには課金しない
  • DL 数累計が大きな影響を受けるほどは、新規の流入がない
の 2 点です。
割り算の分子も分母もだいたい同じぐらいの変化率で上昇している想定ということですね。

なのでこの計算方法が向いているのは、ある程度リリースから時間がたっているアプリということができます。



この計算方法の別の問題点として、改善によって LTV が向上している場合にその影響がなかなか反映されない (改善前の LTV に引きずられる) ことと、リリース初期の LTV の計算には使えない (DL 数はその日に計上される一方、将来の売上はそれより先にしか発生しないため、本来の LTV よりも常に低く計算されてしまう - 序盤は特にその傾向が強い) という 2 点があります。

こんな風なグラフになる。X 軸は時間 (左端がゼロ)

じゃあリリース初期の LTV の計算はどうするのかというと、それが 2 つ目の方法で、ARPDAU と継続率を使います。

ARPDAU とは Average Revenue Per Daily Active User のことで、アクティブユーザー 1 人あたり 1 日にいくらの売上になるか、という指標です。

(ある期間の売上合計) ÷ (同期間の DAU の合計) で、ARPDAU がわかります
例えば、リリース後 1-7 日目に 70 万円の売上があり、日々の DAU の合計が 7 万人 (平均 DAU 1 万人) だったとすると、ARPDAU は 10 円 (700,000 ÷ 70,000) です。

次に、継続率からユーザー 1 人あたりの平均残存日数を計算します。
例えば、リリース後 1 週間 で継続率が 20% で、'過去の同様なアプリの傾向から) 30 日後の継続率が 10%、60 日後にほぼ 0% になることが予想できた場合を想定します。

初日にいた 100 人のユーザーは、1 週間後 20 人まで徐々に減っていき、1 週間の "のべユーザー数" は 300 人・日 となります。
100 + 50 + 40 + 35 + 30 + 25 + 20
同様に、8-30 日目まではのべ 340 人・日
(20 → 10 人まで、23 日間で一定ペースで減る計算。 (20+10) × 24 ÷ 2 - 20)
31-60 日目まではのべ 145 人・日
(10 → 0 人まで、30 日間で一定ペースで減る計算。 (10+0) x 31 ÷ 2 - 10)

つまり 100 人のユーザーがゼロになるまでの間に、合計 785 人・日 (300 + 340 + 145) 遊ばれることになるので、ユーザー 1 人あたりの平均プレイ日数は 7.85 日になります。
初日で離脱するユーザーも 50 人いるけど、30 日以上プレイするユーザーも 10 人いるので、平均すると 1 週間ちょっとは遊んでくれるということです。

ユーザー 1 人あたり 1 日に 10 円の売上になる × 休眠するまでに平均 7.85 日遊ぶ = LTV は 78.5 円
という計算になります。

この計算方法の前提は、計算する期間以降の売上 (特に課金) の傾向が一定だということ。
例えば、リリース 1 週間後の時点での ARPDAU を計算したのだけど、実はほとんどのユーザーが最初に課金するのはダウンロードから 10 日目以降だ、という場合はこの方法で計算すると LTV を低く見積もりすぎてしまいます。

課金傾向がある程度一定で、かつ、ある時点での継続率から将来の継続率がだいたい予想できる (または、誤差が無視できる) ようであれば、わりと早い段階 (1-2 週間目) で比較的正確な LTV を計算することが出来るようになります。

また、アプリのアップデート等によって継続率や ARPDAU が変わった場合、変わった時点から計算をやり直せば LTV をアップデートできるというのもメリットの 1 つです。


以上 2 つの方法をご紹介しましたが、LTV のそもそもの定義から考えると当然、2 つの方法で計算した数字は時を経るといずれ "本当の LTV" に向けて収斂 (しゅうれん) します

なので個人的には、2 つの方法の両方でリリース時から LTV を計算し、だいたいその間のどこかに "本当の LTV" があるはずだ、とアタリをつけるというのが実務上のベストプラクティスかなと思います。

Q

2017年6月30日金曜日

成功から逆算してアプリを作る - 北京の車窓から

5位のアプリに注目

某日本のチャット風 UI の恋愛シミュレーションゲーム (英語では Dating Sim と言います。これ豆な) がにわかに App Store 無料ゲームカテゴリ Top 10 に入って盛り上がっている、中国は北京よりお届けします。

1 週間こちらに滞在して、多くのゲーム・アプリデベロッパさんと会って話しました。

まず驚いたのが、AppLovin を使ってアプリを「マネタイズ」してるデベロッパさん (いわゆる "媒体" "メディア" の側) との会話の半分以上 (体感値) が「プロモーション」についての話題であるということ。

日本でいうと、広告でマネタイズしてるアプリ = カジュアルゲーム = LTV 低い = 有償プロモーションは出来ない、というのがこれまでの常識だったと思います。

中国のデベロッパさんがどこが違うかというと、まず
  1. カジュアルゲームでも課金がほぼ必ず入っているので、ARPU が広告オンリーのゲームよりも高い
  2. オーソドックスなゲーム (変にひねり過ぎない) を作っていることが多く、ゲームプレイを見れば内容をすぐに理解できるので、CPI が低い、かつ最初からグローバル市場を狙える
というところ。

特に 2. については、日本のカジュアルゲームと比較すると、日本のゲームのほうが「凝った」ゲームプレイやデザインになっているなという印象が強いです。

"クリエイティブだ" と言うこともできるけど、ユーザー獲得という視点からみると、どうしても「凝った」ものはユーザーの理解を得るのが難しかったり、ユーザーを選ぶ (万人受けしない) ので、獲得コスト (CPI) が高くなってしまう傾向があるんですね。
(もちろん例外はある)

あとは当然、日本の文脈にあわせた "ハイコンテキストな" ゲーム・アプリは、世界のユーザーからみるとより "理解しがたい" ものになります。
ときにはそれがプラスに働くことも...ないとは言い切れませんが...
逆にみなさん「中国っぽい」ゲームとか「ザンビアらしい」ゲームが、万人受けする可能性ってどれぐらいあると思います?

本当にクリエイティブな人なら、「凝った」作りでも直感的にユーザーに伝わって、かつ誰にでも楽しめるものを作れるかもしれません。

(例えば、最近個人的にハマってる "Ballz" とかは、クラシックなブロック崩し風のゲームプレイの分かりやすさを残したまま、新しいゲームプレイを作ってて凄いなーと思うんですのよ)

が、必ずしも全てのデベロッパさんがイノベーティブなことをする必要はなくて。
むしろ "クラシックな" ものをきちんと作り、マネタイズとかソーシャルといった周辺要素を "お作法通り" に作り込むだけで、"標準的な" ものは十分に作れるし、そのほうが "打率" は高くなるんじゃないかと感じています。

(あとは、オーソドックスなゲーム = 古くからユーザーが楽しみ続けてるゲーム と言うこともできるので、継続率も高いんじゃないかという仮説も持ってます (未検証)。
 Windows に入ってたソリティアとか、なんだかんだ延々やってる人とかいたやん?)

そうすることのメリットとして、"ユーザー獲得の単価" や "ユーザー 1 人あたりの LTV" などが読みやすくなります。
というか、【企画の段階】で "LTV > 獲得単価" とならない限りは、そのゲームは作るべきではないんだなぁと強く感じているのであります。

なぜなら "LTV > 獲得単価" の状態を維持できないと、当然ながらプロモーションを打つことができず、そうすると「たまたまジャスティン・ビーバーや PewDiePie に取り上げられる」か「App Store でフィーチャーされる」ことを【祈る】以外の選択肢が無いのである。

また、仮にレディ・ガガかマツコ・デラックスがゲームを紹介してくれて一時的にダウンロードが伸びたとしても、そのブームが終わったら最後、何もとれるアクションは無い。
次回作を出したところで、また誰かが紹介してくれる保証もない。

(背景水色のデベロッパさんみたいに、出せば固定ファンが必ず食いついて、ほぼ確実にランキングに載る、みたいにブランド化できてる場合は除く)

(または某鯉の王様や某リラックスしたクマのような、強力な IP を使えるラッキーな境遇にいる場合も除く)

要するに、こっちのデベロッパさん (ビジネスとして継続していく意思があるところ) は、"LTV > 獲得単価" という【成功した状態】を最初からイメージしてゲームを作っているのですよお兄さん。

(ちなみに、あえて "CPI" ではなく "獲得単価" と書いているのにも理由があります。
 その話はまた気が向いたら別エントリで)

 んで AppLovin の中国チームのメンバーは、「うちの広告を使ったほうが儲かりますよ」っていう 2000 年代の広告営業からはすでに脱却して、プロモーションも含めてどうやってビジネスを継続して伸ばすか・大きくしていくか、という話をしています。

羨ましい。
ぼくもそんな話を、日本のデベロッパさんともっとしたい。

幸い AppLovin には会社として、プロモーションのノウハウが世界一 (たぶん) あります。
儲かるゲームが出来たけどプロモする目先のキャッシュだけがない...という方を助けられるだけの経済的余裕もあります。

素晴らしいゲームを作ってるデベロッパさん、プロモーションのやり方が分からないとか、手元にお金がないとか、そんな理由でチャンスをフイにするのはスーパー勿体無いです。
全力でサポートしたいです。
させてください。



(......きこえますか...これを読んでいる日本のカジュアルゲームデベロッパさん...
 アプリ先生こと...たつおです......
 今...あなたの...心の中に...直接...語りかけています......

 今作っているゲームが...LTVより安く獲得できないようなら......
 そのゲームを作り続けるのを......止めたほうがいいかもしれません... 

 世界のユーザーが待っています...
 世界中のユーザーが待っていますよ......

 一緒に世界を取りに...行きたい方からの...
 ご連絡を......お待ちして......... @tatsuosakamoto )


Q

2017年6月24日土曜日

スリランカに家族旅行してきたよ


備忘のためメモ。
めちゃくちゃ写真撮ったけど、整理できてないから 1 枚だけあげとく。

家族 4 人で 1 週間スリランカ。
めちゃ良かったしまた行きたい!

小さい子ども連れなので割と良いホテルに泊まったから、清潔でサービスもよく、ご飯も美味しくて快適だった。
毎日違うホテルに泊まったので (妻が色んなところ体験したいというのでw)、日々新鮮でよかった。
ほぼ全てのホテルやお店で、子どもたちは店員さん・スタッフに可愛いといって絡まれ、頬をぷにぷにされたり、頭をなでられたり、抱っこしてもらったりしていた。笑

全ホテルにプールがあったので、空いた時間はひたすら子どもと泳いだ。
息子 (5) は腕につける浮き輪ナシで 5 メートルぐらい泳げるようになった。
(旅行前までは頭を水に沈めるのさえ怖がっていたぐらい)

シーギリヤという 200 メートルぐらいの高さの岩 (1,500 年前の宮殿跡で世界遺産) を、息子は無事 1 人で最後まで登りきった。(階段 1,200 段)
泳ぎとあわせて、ちょっと自信になったみたいで、表情が若干たくましくなった気がする!

ちなみに娘 (2) はぼくが抱っこ紐で背負って登った。
膝の軟骨がダメージを受けた。

他にもサファリパークで象を群れを見たり、象の背中に乗ったり、"象の孤児院" で象に餌を上げたり (象ばっかりw) とアクティビティ満載だった。
子どもにとっても良い思い出になったんじゃなかろうか。

ご飯は、スリランカ料理は辛くて特に子どもは食べられないものも多かったけど、ホテルの食事は洋食があったのでパンや卵料理やデザートを食べることが出来たり (フルーツはさすが美味しかった!)、カレーも中には全くスパイスが効いていないものもあったりしたので、問題なく生存できた。

スパイスの原木が生えているガーデンや、紅茶の工場を見学したりしたのも (大人にとっては) 興味深かった。
布の生地なんかを売ってるお店には、スリランカで生産したというブランドものの T シャツやポロシャツが、日本での売価の 20% ぐらいの値段で売っていたので、軽く買い漁ってしまった。

国内での移動が車で、長いときは 3 時間以上かかって、車酔いする息子・飽きるとグズる娘にとってはちょっと可哀想だったかな。
まぁこればっかりは仕方ない。

子どもがちょっと冒険ちっくな旅行も出来るようになってきたおかげで、色んな体験を共有して、後から思い出話をするネタをたくさん作れた。
あとはシンプルに、かなり長い時間を近い距離で一緒に過ごせた。
それだけでも行った価値は十分にあったと思える。

自分自身も、朝晩はホテルの wifi で仕事ちょっとはしたけど (会社のメンバーがかなりフォローしてくれていて助かった)、日中はインターネットの通じないところ (最初落ち着かなかった) で、のんびりリラックスできた。

何歳まで一緒に行ってくれるか分からないけど、毎年 1 カ国ぐらいは新しい国に連れていってあげたいなぁ。

Q

2017年6月7日水曜日

AppLovinに入社して約2年が経ちました

2年縛りとか別にないけども

Google を辞めてAppLovin にジョインしてから約 2 年が経った。

Facebook では定期的に報告しているが、ほぼ毎月日本における売上は過去最高を更新し続けている。

日々プロダクトを改善し続けてくれているエンジニアや、毎日楽しみながらハードワークしているチームメンバーはもちろんだが、何と言っても周りの多くの方に多大なるご理解とご協力をいただいていることに改めてマジ感謝
広告主さんや媒体 (デベロッパー) さん、彼らと僕らの間に立ってくれる代理店・DSP/SSP などパートナーさん、僕らのことを時折取り上げてくださるメディアの皆さん、オフィスの大家さん、毎日僕らを渋谷まで運んでくれている鉄道会社さん、主に神宮前・宮下公園周辺のレストランの方ならびに Uber Eats の関係者各位、広告主ではなく備品やドリンク等を販売してくれているという意味における Amazon やカクヤスなど業者さん、水道・電気・ガスなどのインフラ屋さん、携帯キャリアや端末メーカーの皆さん、クラウドサーバーさん、などなどここには書ききれないほど多くの方の助けで我々はビジネスを伸ばすことが出来ている。
本当にレペゼンありがとう。

2 年間の間に環境は色々と変わった。(Yeah)
個人事業主としてスタートしたのが、法人化し。
ノマド生活だったのが、オフィスを構え。
1 人で始めたのが、片手では数えられないほどの人数になり。(※両手で数えるとまだ余裕がある) (※二進法であれば 3 本指で数えられる)
誰も読み方さえ分からないサービスだったのが、アプリ広告においては (おそらく) 日本最大といっても差し支えない規模になり。
会社としても大資本の傘下に(入ることが去年の夏の終わりにアナウンスされたのが最終ステータス)
まぁ、わりかしシッカリした会社になってきた Yo

でもやってる感覚としては、正直まだまだ。
各方面で競争はあって、圧倒的 1 位にはまだなりきれていない。
当然まだお取引できていないところも多いし、プロダクト的に足りてない・作りたい部分もあるし、execution / operation の面も改善すべき点だらけ。

何より、「日本から世界ナンバーワンのアプリを輩出する (お手伝いをする)」通称 "目指せ日本発 BitMango" 計画 (※ぼくが呼んでるだけ) と、「全ての日本のソシャゲに動画リワードを導入してもらう」通称 "パズドラ・モンストに動画リワード" 計画 (※ぼくが呼んでるだけ) が道半ばすぎて。。。
このままだと「あの時歴史が動いた」に出ることは到底叶わないので、計画実現のために一層ギアを上げていく所存。

そんな我々、広告主サイドと媒体サイドで 1 名ずつ、新規営業ではなく既存アカウントのマネジメント職種で絶賛採用中 (2017 年 6 月 8 日現在)。
自薦他薦問わないので、成長続く未上場の外資アドテクスタートアップの、特に成長著しい日本 / APAC でチャレンジしたい方を、本気と書いてマジでお待ちしております。
一緒に働くメンバーや、職場環境は、正直カナリ良い (ぼくは相当気に入っている) です。

以上、神戸よりお届けしました。
嘘やで。呼ばれてまへん。

Q

2017年3月31日金曜日

競合ブロックって、本当にかけるべきなの?

広告ネットワークでマネタイズしている、媒体サイドの話。

出典: いらすとや

自社の競合であるサービスをフィルタリング (自社サイトやアプリの中に、広告が表示されないようにブロックすること) してる会社ってけっこう多い (特に大手媒体) と思うのだけど、あれって本当に合理的なのかなと疑問に思っています。

心情的には分かるのよ、ユーザ流出しちゃうんじゃないかって。
もしくは、ディフェンシブな部署がより保守的なポリシィを作ってしまうこともあるって。

でもね。
たぶんなんですが、自社サービスから競合の広告を弾いたとしても、自社サービスのユーザーって絶対ほかの媒体で競合の広告に接するし、なんなら広告に接しなくても普通に検索とかで (文字通り) オーガニックに競合サービスに行き着いてしまうのよ。

なので、本当の意味での "流出防止" は、自社サービスをすげー良いものにして、他のサービスを試そうとさえ思わないぐらいのファンにするか、仮に他のサービスを使ったとしても後に自分のところに戻ってくるようにするか、以外にない。
ってぼくは思ってます。

(あとは何らかの方法で縛り付けるか。)

合コン行くな、他の男とも会うな、っていくら言ってもストレスになるだけで意味ないのと同じですわ。

しかも広告の場合、類似サービスの広告って収益性が高いので、それをみすみす逃してる明確な機会損失が発生してるわけだからね。

ってなことを最近考えてるんですが、皆さんどう思いますか?

Q

2017年2月27日月曜日

年1回"社員旅行"があるのが当たり前!?韓国スタートアップの日本展開 [後編]

前半の記事はこちら→ アプリのDAUを倍増させながら収益も稼げる神プロダクトBuzzScreen [前編]

坂本:Buzzvil Japan でも採用中ということで、後半ではキャリアに関する話をできればと思っています。吉澤さんは Buzzvil Japan のカントリーマネージャとして、2 年前にジョインされたんでしたっけ?

吉澤さん見栄を切るの巻

吉澤:そうですね。その時は色々サプライズでした。


日本 1 人目で Buzzvil に入った当時のサプライズ


坂本:例えばどんな?

吉澤:なぜか最終面接が新宿の居酒屋で、CEO とビールを飲みながら。

坂本:えっw ビール飲みながらちゃんと面接するんですか?

吉澤:最終の前までにちゃんとした面接っぽい話は全部終わっていて。いい奴かな、酒飲めるのかな、とか見られたんじゃないですかねw

坂本:韓国っぽいですねw やっぱり同僚の方は皆さんけっこう飲まれますか?

吉澤:飲みますね。向こうのセールスの女性とかめっちゃ強いです。勝てないですね。

坂本:それで親交深めるところもありますもんね。

吉澤:あと、初出勤は韓国本社でした。メールで Expedia の航空チケットと Airbnb のリンクが送られてきて、「じゃ、韓国で!」という感じで、極寒のソウルに初出勤。マイナス 12 度でした。

坂本:ワイルドw

吉澤:というかそもそも日本にオフィスなかったですしね。なので帰ってきてから最初の仕事はオフィスを探すことでした。

坂本:AppLovin のオフィスからもすぐ近くの、渋谷のオシャレなシェアオフィスですね。1 階のコーヒー屋さん美味しいですよね。


吉澤:それから会計事務所探して…とか、ホントにスタートアップです。なので何でもやります。幸いにも日本のメンバーはこういうスタートアップの状況も楽しみながら仕事してます。

坂本:そういうのに文句言うタイプは日本の立ち上げとか難しいですよね。色々揃ってないのが当たり前で、その上でどうにか立ち上げて伸ばさないといけないし。

吉澤:それを楽しめる人にとってはスゴい楽しいですね。


生き残るための海外展開、しかしフットワークは軽い


坂本:Airbnb で思い出したんですが、2 年前ぐらい、Jihong (Lee = 韓国 AdMob にいた、坂本の元同僚。その後 Buzzvil → Supercell) がまた御社にいた頃、US 向けプロダクトを作るぞって、サンフランシスコに Airbnb 借りてエンジニア何名かと行って開発合宿とかしてましたよね。

吉澤:やってましたね。うちの会社は海外行く時は基本 Airbnb なんですよ。

坂本:そのノリがスタートアップっぽいですよね。でもそれをアメリカでやっちゃうのが、日本のスタートアップとは違うかんじがします。

吉澤:そうですね、そのときは実際アメリカでプロダクトを出すべきかどうかを市場調査するってのも兼ねてたと思います。現地を見ながら作ってみて、上手くいったらそのまま残る、ダメだったら韓国に戻ればいいじゃん、みたいな。

坂本:金銭的にはそこまでのリスクではないわけですし、それぐらいのノリでチャレンジするってのは良いですね。

吉澤:物凄いリスクがあるところにあえていくことはないんですけど、「もしかしたらやってみたら上手くいく可能性があるかもしれない」みたいなところだったら、「とりあえずチャレンジしなよ」みたいな文化ですね。

坂本:海外展開のスピードとかやり方にもそれを感じます。吉澤さんが日本 1 人目でジョインした 2 年前って、全社で何人ぐらいいました?

吉澤:どれぐらいでしょう。30 人前後ですかね。今でもまだ本社は 50 人ぐらいなので。

坂本:それぐらいの規模の日本の会社が、例えばアメリカとか中国に人を雇うかっていうと、そこはまだ日本で実績積むでしょ、ってところが多いんじゃないかなと。

吉澤:そうかもしれないですね。ただそこは韓国特有の事情として、やっぱり人口が少ないので、国内市場だけだと食っていけないよねってのが、やっぱり社会全体の意識としてあって。


坂本:あー。外貨稼がなきゃ、みたいな。

吉澤:そうしないと頭打ちだよねってのが多分、共通認識としてあると思うんですよ。その点では日本とか、とりあえず 1 億以上人口いるし、日本で成功してればある程度は安泰じゃないですか。もちろん未来永劫ずっとではないとはいえ、目先は。

坂本:広告も課金も単価高いですしね。

吉澤:人口って点では中国も多いじゃないですか。なので外に出て行く必要性は、韓国の会社が一番感じてるんじゃないかと思います。

半分以上がプロダクトサイドのチーム構成


坂本:今の本社の 50 人ってのはどういうチーム構成なんですか?

吉澤:開発がだいたい半分ぐらいで、アプリと広告をデザインするチームが 10 人弱ぐらい。残りがビジネス・セールス・オペレーションなどです。

坂本:広告のデザインっていうと、ネイティブ広告の見た目を決める、とかですか?

吉澤:実は韓国と US では、ネットワーク広告だけじゃなく直販もやってるんですよ。ブランド系の広告主を中心に。

坂本:いいなぁ。ブランド系がこういうデジタル系のアドネットワークみたいなところにもっと出稿してくれると、日本でも広告単価上がるのになぁって思うんですけどね。

吉澤:そうなんですよ。なかなか日本はそこまでいってないんで。韓国は結構ブランド系が出稿してますね。全画面ジャックできるっていうのと、男女や時間帯などで細かく出し分けできるってのが受け入れられてて。

坂本:配信面どこですかって話にもならないですしね。どのアプリ内の枠とかではなく、アプリのロック画面全部に出ます、っていうシンプルな話で。

吉澤:あと日本というか韓国自体が、ロックスクリーンの市場が成熟してるんですよね、日本に比べて。

坂本:昔からあって、普通にみんな使ってるよね、みたいな感じになりつつあると。

吉澤:競合もいくつか出てきてるので、そういう人たちがいくつかいることで、市場も盛り上がる。

坂本:なるほどね〜。日本とかだと、Buzzvil と、楽天ポイントスクリーンぐらいって状況なんで、広告メニューの候補としてぱっと思いつかない感じですもんね。

吉澤:そう、その盛り上がってる感が欲しいですよね。

坂本:競合がいたほうがいいって考え方は面白いですね。


多国籍で若くてスマートな Buzzvil チーム


吉澤:チームに関していうと、韓国のスタートアップにしては意外と多国籍で、台湾・アメリカ・フランス・エチオピアなど国籍は様々です。開発は全部本社で行ってます。他には台湾、アメリカにオフィスがあります。

坂本:そのへんの海外展開を担当してる Ohsu (注:彼が韓国 Google でインターンしていた頃から、坂本の友達でもある) とかまだ 20 代じゃないですか。チーム全体として若いんですか?

吉澤:若いですね。正社員で一番若いのは多分 20 歳です。アメリカ人なんですけど。

坂本:それはすごいw ノリとしては、勢いでゴリゴリいくタイプか、スマートなタイプかでいうと?

吉澤:どっちかっていうと頭いい人たちが多いかな、っていう気はします。韓国企業でよくある、トップダウンで上の指示は絶対、みたいなそこまで怖い文化でもないです。

坂本:エンジニアメインの会社ですもんね。まぁでも Ohsu とか前いた Jihong とかも元 Google ですし、絶対君主制でトップダウンな文化とかだったら、そういう合理的なタイプの人は受け付けないでしょうしね。

吉澤:そうですね、坂本さんも以前会ったことありますが、CEO もあんな感じなので。

Founder/CEO Johnさん

坂本:社長さんって元々どういうバックグラウンドなんでしたっけ?

吉澤:Buzzvil を立ち上げる前に、Ticket Monster っていう、韓国版 GROUPON みたいなサービスを立ち上げてバイアウトしてる、いわゆるシリアルアントレプレナーです。

坂本:すごい。

吉澤:でも本当に普通の人なんで。ほわっほわっとしてるっていうか。

坂本:会社の雰囲気もそういう感じですか?変にガツガツしてたり、社長に不自然におもねったりしないような。

吉澤:そうですね。Buzzvil では本社だと月に 1 回席替えがあるんですよ。CEO も含めて全員がごちゃっと。

坂本:えww チームごととかではなく、完全ランダムですか?

吉澤:完全ランダムです、くじ引きして。

坂本:誰の隣になるかなー、ドキドキ、みたいな。マジですか。小学校じゃないですか。

吉澤:小学校です。CEO の隣にデザイナー、とか。

坂本:やべぇ社長きちゃったよ、みたいなww

吉澤:っていうのやってるぐらいなんで、あんまり壁つくったりするとか、垣根があってみたいなのはないですね。でも意思決定はほんとに速いですよ。

坂本:そこはある意味、意思決定の権限を集中させることで速くできる、っていうオーナー企業の良さでもありますよね。例えばそこで、意思決定に対して「いやいやそれは」みたいなことは無いんですか?

吉澤:ぶつかることもあるんですけど、普通に議論できるんで、問題ないですね。あと韓国っぽいところでいうと、年に 1 回チームビルディングの旅行があります。


年に1回社員旅行があるのが当たり前!?



坂本:それって韓国っぽいんですか?

吉澤:韓国だとそれが普通なんですよ、スタートアップだけじゃなく大企業でも。各企業でチームビルディングやるっていうのが文化として根付いていて、みんなでどこかに旅行行くとか、何かアクティビティするとか。日本だといわゆる “社員旅行” とか “合宿” みたいなちょっと硬い感じになるところだと思うんですが。

坂本:みんなで遊びに行って仲良くなろうぜみたいな。ちょっとゆるい。

吉澤:そうです。なので年に大抵 1 回は韓国に呼ばれるんですよ。全ての国から韓国に集まって、一応近況報告とか共有とかってやるんですけど、最後に 2~3 日、みんなでドカッとどこか行って、遊んだりとか酒飲んだりとかして帰ってくる。

坂本:楽しそうw 最近はどこ行かれたんですか?

吉澤:去年の 6 月、フィリピン行きました、みんなで。


坂本:みんなでフィリピン。社費ですよね。けっこうお金かかりますよね。日本でやると VC とかから怒られそうw

吉澤:楽しかったし、仲良くなります。やっぱり普段話せない人が多いんでね、こっちにいると。

坂本:場所も役割も違う人だと、普段会話ないですよね。いいなぁ。毎年どこ行くか楽しみですね。

吉澤:そうですね。その前までは韓国国内だったんですよ。冬だったらみんなでスキーしに行ったり、夏だったらどこか海行くとか、山でバーベキューするみたいな。でも現地の人間が「国内もう嫌だ」と。

坂本:パパ海外連れていけとw

吉澤:まあそれなりに儲かってもいるしということで、しぶしぶ海外に去年は行くことになったんです。

坂本:そういうのが文化としてあるってのは良いですね。

Buzzvil Japan はどんな雰囲気?


坂本:日本の Buzzvil は今どういう状況なんですか?

吉澤:現在 3 人です。私がカントリーマネージャとして全体を見ているのと、BtoB 周りを担当しています。あとは BtoC プロダクトのマーケティング周りを担当しているマーケティングマネージャと、セールス担当が 1 人ずつです。

坂本:まだスタートアップみたいな感じですね。あのオシャレなシェアオフィスで。

吉澤:そうです。オフィスは基本フリーアドレスなので、来たら好きなところに座って仕事します。


吉澤:今のシェアオフィスにはキッチンがあって、当番制で週 1 回ランチを作る当番が回ってくるんですよ。限られた予算と時間でどれだけの物を作れるか毎回楽しみです。

坂本:面白いw もちろん「カップラーメン買ってきました」とかダメなんですよね?

吉澤:それやると自分の株が下がっちゃいますねw

坂本:もともと吉澤さんは料理できたんですか?

吉澤:そうですね、私料理好きなんで。次引っ越すときもできればできればキッチンあるところがいいなと思ってます。この周辺の野菜の値段とか分かるようになりました。

坂本:このへんスーパーないですよね。

吉澤:ないですね。渋谷駅の地下の東急か、ヒカリエの地下とかですかね。

坂本:ちょっと単価高めなw

吉澤:か、地元で買ってくるかですね。意外と人間性が出るので、面白いですよ。この人数だからこそ出来るってことでもありますしね。

坂本:確かに。10 人とかになったら給食だけで仕事になっちゃいそうですもんねw

吉澤:あとは毎日夕方に無料のコーヒーがキッチンで振る舞われるので、同じシェアお使ってる他業種の方との交流も楽しみの一つです。

坂本:少人数で個室借りたりしてると孤独感あったりするんで、それは良いですね。日本はこれから人を増やしていく予定あるんですか?

[募集中] パートナーシップ (事業開発) マネージャー


吉澤:まさに今、パートナーシップマネージャーを募集しています。SDK を導入して頂けるパートナーを探し、導入までを担当する役割ですね。

坂本:いわゆる biz dev (ビジネス開発) ですね。どういう人がいいとかあるんですか?

吉澤:本社とのやり取りも発生するので英語は必須になります。あと、お酒が好きで辛い物も OK だと韓国に行ったときに楽しめます。

坂本:そこはぼく合いそうっすw 最近弱くなってきちゃいましたけど...

吉澤:スキルセットでいうと、デジタル広告もしくはネット系のアライアンスや営業の経験がある方で、スタートアップの環境を楽しめる方だとベストですね。

坂本:スタートアップの環境を楽しめる、ってとこ超重要ですね。

吉澤:今のマーケティングの担当雇ったときもそうだったんですけど、ぶっちゃけもっと経験のある方とかも候補者の中にはいたりしたんですよ。ただ、スタートアップって結構特殊じゃないですか、できあがってる業界の方からすると。

坂本:本来の自分の仕事以外のこともやんなきゃいけなかったりとか。

吉澤:そう。例えば私も、会計事務所を選んだり、コスト計算したりとか、給与の振込まで自分でやってます。あと LINE のカード買って削ったり。

坂本:えっ LINE のカード?


吉澤:HoneyScreen で貯めたポイントの交換先として LINE ポイントがあるんですけど、まだ LINE と直接取引できてないんですよ。なので、コンビニで LINE カード買ってきて、削ってスキャンして、そのデータを韓国側で OCR でデータ化していて。

坂本:それ手作業でやってるんですかw けっこうな数のユーザーいますよね?

吉澤:そうなんです。なんで、マーケ担当とかも含めて週 1 回ぐらい、みんなでカードを削る日があって。ガリガリって。

坂本:つらいww でもカード削る仕事は極端ですけど、「私こんな仕事しに来たんじゃないんですけど」とかって言っちゃう人は、スタートアップにはつらいですね。

吉澤:つらいですね。「えーwこんなのやるんですかww」って言いながらニヤニヤしてる人とかのほうがいいです。

坂本:「マジあほですねww」とか言いながらやってくれるほうがいいですね。

吉澤:そういう考え方とか働き方に対応できるのかのフィットのほうが、過去の経験とかよりも大事かもしれないですね。

坂本:いや、でも LINE も韓国に母体あるんだから、そこはシステムで繋ぎましょうよ。

吉澤:ちょっと前やろうとしてたんですが、うまくできなかったのかな。また再チャレンジとは思ってます。

坂本:さすがに非効率的ですよねw

吉澤:数カ月前まではこの辺のコンビニの LINE カードを買い占めてましたからね。外出で打ち合わせ行ったりしても、コンビニがあると「ちょっと待って、買ってくる」みたいな。

坂本:LINE カードハンターだ。

吉澤:あほみたいな仕事もありますね。


坂本:でもその分やりがいはありますよね。

吉澤:ホントそうですね。まだ日本で市場が出来ていないところに自分たちで市場を作っていくエキサイティングな経験が出来るはずです。さらに急成長を自分で作っていける余地と可能性が十分にあります。滅多にないブルーオーシャンなのですごい楽しいと思います。

坂本:わかるわぁ。

吉澤:あと、この業界の第一人者になれます。

坂本:それもわかるわぁw でもそういう人探すの大変ですよね...

吉澤:ですね...

坂本:どのへんが大変ですか?

吉澤:言語の壁はやっぱり大きいです。あとは今話した、スタートアップの環境を理解して楽しんでくれるかどうか、サバイブできるか、そこを見極めるのが大変ですね。
 
坂本:そこは外資に限らず、スタートアップの採用で必ず苦労するところですね。日本はどれぐらいのサイズまで大きくしよう、とかってプランはあるんですか?

吉澤:可能であれば今年もう一人増やして 4~5 人の体制にしていきたいです。


カントリーマネージャーのこれまでのキャリア


坂本:あと最後に、順番おかしいんですが、吉澤さんご自身のことを少しお聞きしたいんですが。ご出身とか。

吉澤:出身はグンマーです。妻と 2 人暮らしですが猫を飼いたいと思ってます。

坂本:秘境ですね。すみません、以前働いてた会社って意味で出身を聞きましたw

吉澤:そっちですか。2015 年に Buzzvil に入る前までは 6 年ほどモバイルゲームの業界にいました。ガラケーからスマホまで。

坂本:Gameloft でしたっけ。けっこう大手ですよね。

吉澤:そうですね、上場企業ですし超デカかったですね。

坂本:日本の Gameloft は何人ぐらいいたんですか?

吉澤:いろいろ噂は聞かれてると思いますが (苦笑)、私が入ったのがたしか 2014 年で、その当時 20~30 人ぐらい。そこから最大 60 人ぐらいまで大きくなって、日本オリジナルタイトルを出すとかなんとかすったもんだあって…ごにょごにょごにょ

坂本:ものすごい色々端折りましたねwww

吉澤:色々ありました。そこはいわゆる “大きい会社” のやり方だったんですが、その前は、坂本さん “サンシャイン牧場” ってわかります?

坂本:mixi アプリでしたっけ。

吉澤:そうです。それを作ってた Rekoo Japan ってところにいました。

坂本:そうなんですね。いわゆるソシャゲの第一世代ですね。

吉澤:メインプラットフォームが PC 上の  mixi だったっていう。

坂本:ぼくがまだ大学生ぐらいだった頃ですね。

吉澤:Rekoo って中国の会社なんですけど、IVP (Infinity Venture Partners) の小野さんがそこに投資してて。

坂本:その日本立ち上げの話、記事か何かで見たことあります。お金だけじゃなくて、自分自身も経営メンバーとして突っ込んだみたいな。


吉澤:そうです。そのときは小野さんがメインで立ち上げて、私はその 1 年後ぐらいに入社しました。多分 mixi で最初に課金始めたのがサンシャイン牧場なんですよ。それまで一切無課金だったんです。ビジネスモデルがないというか。

坂本:ビ ジ ネ ス モ デ ル が な い

吉澤:厳密にいうと一応広告はありました。でもそんなの微々たるもんじゃないですか。で、mixi がついに課金モデルを始めるってなったときに、多分一番最初に飛びついたのが Rekoo で。

坂本:中国企業、良い意味で儲け話に貪欲ですもんね。

吉澤:そうなんですよ。やってみたら「すげえ儲かるじゃん」ってなって。

坂本:ソシャゲがうわぁーーーっと盛り上がっていく、その一番先を走っていたんですね。

吉澤:ちなみにそのとき mixi で Rekoo を担当していた方が、今モンストのプロデューサーをやってる木村さんです。

坂本:わぁ、超有名人じゃないですか。

吉澤:その時はいわゆるプラットフォームの CP (コンテンツプロバイダー) 担当で、プロデューサーっていう感じでもなかったですけどね。

坂本:そうなんだ、面白いですね。しかし吉澤さんは、Rekoo から Gameloft っていう大手みたいなところ行って、次またよく分かんない韓国の会社の日本法人 1 号目ですよね。

吉澤:そうですね。

坂本:Buzzvil 入るタイミングってもうご結婚はされてました?

吉澤:してました。

坂本:奥さん「ええーっ」ってならなかったですか?w

吉澤:んー、結婚してから何回も転職してるんで、「いいよ」ってかんじでしたね。

坂本:軽いw

吉澤:「またなのね」って。「今度どこの会社?」「韓国」って。

坂本:嫁ブロックみたいなのとか全然ないんですね。

吉澤:最初に中国 (Rekoo) を経験したおかげで、だいぶ耐性つきましたね。

坂本:ほぅ...


吉澤:私が Rekoo 入ったときはまだ 7, 8 人ぐらいかな、よく分かんない中国の企業で、その時は「大丈夫かよ…」って感じのリアクションはありました。

坂本:「何やってる会社?えっ牧場?ゲーム?何それ?」ってなりますよねw

吉澤:「大丈夫?生きていけるの、それで?」みたいな。知らない人から見ると訳わからないですよねw

坂本:でもそこで耐性ついたから、今はちゃんとサポートしてもらえるんですね。

吉澤:そこは理解があるので、助かってますね。あと Buzzvil もサイズはまだ小さいとはいえ、計 16M ドルの出資を受けてはいるので、会社として足元が不安定というわけではないですし。2013年に Softbank Ventures Korea から 3M ドル、2015 年に複数のファンドより 13M ドル調達してます。

坂本:こないだ米国の会社を買収されてたりもしますよね。


吉澤:そうですね。ファンディングだけでなく実績としても、2016 年は BtoC, BtoB のユーザー含め全世界で計 200 万 DAU、年間売上額 20 億円ほどまでに成長しています。

坂本:そんなに売り上げあるんですね。。

吉澤:日本でも 2016 年 1 月から 12 月で売上が 6 倍になり、しっかりとした収益化を実現することが出来ました。今年はさらにこの 10 倍を目標としています。

坂本:やっぱり伸びてるところにいるのが楽しいし、普通にやってても成長する感じがありますよね。大変ですけど。

吉澤:そうですね。すごい成長フェーズなんで、多分 AppLovin も同じだと思うんですけど、上手くいくとすごく大きくなる可能性があるんで。すごい楽しいと思います。あとはまだ IPO 前だし、いわゆるワンチャン的なのもあります。

坂本:良いですね。BuzzScreen SDK 使うとよさそうな会社とか、御社に入ると楽しめる人とかいっぱい周りにいそうなので、紹介します。

吉澤:お願いします。今日はどうもありがとうございました。

坂本:また近くで IPA 飲みに行きましょう。


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