2016/11/29

「あっ坂本さん長ズボンなんですね...」って冬に言われた際の反論


絶好調!建設業のマッチングサービス「ツクリンク」内山 達雄さんからのコメントへの反論です。

<以下本文>

だって、普通に寒いから少なくとも上着は着るじゃないですか。

そしたら半ズボンでも「あっ、あの人ほんとは寒いのに無理して半ズボンはいてるんだな」ってバレるじゃないですか。

そうならないためには上も半袖にならないといけなくて、それはさすがにロシア人でも風邪ひくレベルなんじゃないかと思うんですよ。

あと間違ってロングコートの下に半ズボン履いちゃったりなんかしたら、パッと見完全にヤバい人ですし。
まぁ実際半ズボンの時点で十分ヤバいんですが。

そもそも暑いのに自分に嘘をついて長ズボンをはかないといけないって体制へのアンチテーゼで半ズボン履いてたところもあるのに、寒い自分に嘘をついて 半ズボン履くのは、むしろ 目的を見失ってると思うわけですよ。

このコメントもだいぶ見失ってますよ。

<以上>

Q

2016/11/28

この秋読んだ本を紹介するよ

数冊しか読んでおらず恐縮ではあるが、最近読んだ本が割と当たりが多かったので紹介。

(基本、パワプロアプリでスタミナ/チケットが切れたとき、かつ、その日発売の漫画誌を既に読み終えたとき、にしか本は読まないのだ)

1. 筋トレが最強のソリューションである


「筋トレをすることで、人生万事うまくいく!」というテーマの頭おかしい本だった。

【内容情報】(出版社より)
世の中の99%の問題は筋トレとプロテインで解決します。本当ですー。尋常じゃない熱量で筋トレ愛を叫び、Twitterフォロワー3万人を突破した怪アカウントがついに書籍化!

メンタルがボロボロ…仕事がうまくいかない…痩せない…モテない…人生のほとんどの悩みは筋トレで解決します!筋トレがもたらす気分高揚効果と成功体験の積み重ねは必ずあなたの人生を変えていきます。

自身も筋トレ中心の生活で40キロのダイエットに成功した”マッチョ社長”Testosteroneがあなたの悩みを吹き飛ばす革新的ソリューションを提供する1冊。初心者用筋トレメニューやダイエット法も大公開。

1 ページごとの短いエッセイ形式なので読みやすく、スキマ時間の暇つぶしにちょうどよい。

まんまと乗せられて、週に何度かは筋トレするようになりました...


2. プライベートバンカー


金持ちが、税金逃れのためタックスヘイブン (この本ではシンガポール) に移住する。
その金持ちの資産を運用するプライベートバンカーの実情を、異常に生々しく描いた作品。

商品説明
大金持ちをタックスヘイブンの国に誘う「カネの傭兵」。それがプライベートバンカーだ。
野村證券のトップセールスマンからプライベートバンカーに転じた主人公が見たのは、本物の大金持ちの世界だった。

シンガポールに移住し、ただ時間が過ぎるのを待つ元大手製薬メーカー会長、若くして300億円を手にしたIT業界の寵児、伝説の相場師、そして脱税を見逃すまいと潜伏する国税庁の美人調査官。

やがて、バンカーの周囲では、カネを巡る詐欺と殺人未遂事件まで発生する。
バンカーが実名で明かす衝撃のノンフィクション!

新人プライベートバンカーの一人称視点で語られるので読みやすく、金持ちの生活や心情など全く知らない世界のことも垣間見えてとても興味深かった。

個人的には「お金を持つ = 幸せ、ではない」というのと「何かから逃げながら、という後ろ暗い生き方は幸せから遠ざかる」というのが強く感じたことだった。

自分個人が何百億とか資産持つようになったら、違う考え持つようになるんかな〜...


3. 地政学入門


4. 学校では教えてくれない地政学の授業


地政学の入門書を 2 冊読んだ。
もうちょっとだけ難しそうな佐藤優の本を購入済で、12 月に読む。

世界史は暗記科目だと思い込んでいたため、受験生の頃は積極的に嫌いだった。
けど、こんな風にきちんと「民族・宗教的なバックグラウンドと思想原理」「地理的条件」「近隣国との関係」など関連性を持たせてインプットすれば、だいぶ興味を持って勉強していたかもしれないなぁ。

世界史に限らず、ニュースを見るときなんかは常にその行動の背景にあるものを裏読みするのを心がけたいものだ。


5. 論語と算盤と私 #これから読む


今日から読む。
面白いとぼくのタイムラインで評判だったので、楽しみ。

Q

2016/11/10

【後編】アジアのゲーム市場にクソ詳しい人たちのマニアックな対談

前編のハイライト

というわけで後編です!
後編はアジアとか特定の国・地域についての話ではなく、日本と海外のゲーム性や課金のさせ方の違い、Apple/Google との付き合い方、海外カジュアルゲームの新潮流とかについて語っているよ٩( 'ω' )و

そしてお待ちかね、前編では出てこなかったアプリ☆ゲット編集長の阪森さんが登場するよ!
かわりに、前編で一番人気?だったあの人物は、後編ではほぼ沈黙... (寝てた?)

それではいってみましょう!

☆.。:・★.。:*・☆.。:*☆.。:*・★.。:*・☆.。:・★.。:*・

日本と海外の課金のさせ方の違い


黒上 (Snail Games Japan) :日本と海外の「課金で何を満たしているか」って、大きく違うよね?

坂本 (AppLovin) :ユーザーのどんなニーズを満たしてるか、ってこと? 

黒上:そうそう。海外のゲームと日本のゲームで一番違う点だと例えば、海外のゲームって体力回復とか、建物を建てるのにかかる時間短縮に課金させるケースが多いやん。ユーザーの何を満たしてるかでいうと「我慢させない」というのが多い。Time is money 的な。 

坂本:そういう系多いね。逆に、我慢すればどんだけでも無料でプレイできて。 

黒上:一方、日本のゲームって、コレクター欲とか所有欲というか、そういうのをくすぐるゲームが多い。結局「全部集めるまでの時間を短縮する」っていう観点では時短なんだけど、「ゲームクリアするまでの時短」の感覚でガチャをしちゃうと、それには直結してないから、海外のゲームユーザーからするとイライラしちゃう、みたいなのがあるみたい。 

坂本:期待とのギャップ的な。 

黒上:日本のゲームって意外と、アメリカとかでも凄く CPI 安く取れることがあるんだよね。普通に $3 とかで取れる。けど課金がうまく上がらないのはこういう点なんじゃないかなって思う。ユーザーが満足しなくて、リテンションがめっちゃ低くなっちゃうから。 

坂本:ふむ。けっこう抜本的にゲームの作りからローカライズしないといけないのかな。

これ一応オフィスです

キム (FluQuar) :スマホゲームを台湾とか中国とかに出すときも、よく現地のパブリッシャーから言われるのが「早くストーリーを追加したい」ということ。 

坂本:どういうこと? 

キム:台湾とか中国の人たちって「ストーリーそのもの」を重視で考えるところが多いから「時短で早く進めたい」っていうユーザーニーズがあるんだよね。日本のパブリッシャーからすると「キャラクター収集」とか「イベント」みたいな、「周辺でまだやれること」があるから、それをやってもらわなきゃ、っていう考え方だったりするんだよね。 

坂本:あー確かに、ぼくもストーリー進めるのと同時並行で、イベントとかやってるときは絶対やっちゃうわ。図鑑埋めたりとか。それ自体が「日本のユーザーっぽい」行動なのか。 

キム:そう。そのライセンサー・ライセンシー間のコミュニケーションがかみ合わない事例が多いんじゃないかなと思う。 

坂本:なるほどねー。面白い。でもこれ変えようって思ったら、ゲーム性もガラっと変えなきゃ厳しいよね。


デッキコストの話


黒上:あと一個だけ思うのは、「デッキコスト」の概念をゲームから無くすことが重要だと思う。そうすると、少し将来性は見えてくるはず。ガチャでもなんでも、課金してゲットしたキャラを何人でもデッキに入れられるようにする。 

坂本:そしたら「課金→強いキャラGET→楽にステージクリア」で時短に繋がるから?

阪森 (アプリ☆ゲット):でももう既に日本でも、デッキコスト系ゲームって少数派な気がする。アプリゲットでレビューするために調べてても、デッキコストを採用しているゲームは評価は下がってる傾向がある。


ようやく阪森さん登場

坂本:そうなんや〜。最初から最強キャラを使えちゃうと、序盤のステージを何の苦労もなくクリアできまくっちゃって、バランス崩れちゃう様な感覚があるのだけれども。 

阪森:黎明期は、みんながそうしてたら気付かなかったけどね。コロプラ辺りが最初にデッキコストを無くしてから、そっちがスタンダードになってきた。今はスタミナもコスト概念ももう無いから。 むしろ今スタミナとコストがあったら、ちょっと古いなって違和感を覚えるっていうレベルまできている。 

坂本:そうなんだ、、、 

阪森:海外ゲームってスタミナあるけど、ほぼ切れない仕組みになってるよね。スタミナって二年前の設計な気がして、古く感じる。ただ、デッキコストってゲームデザインの上だとすごくやり易いから、開発は楽ではあると思うよ 。コストを取っ払うとバランス調整が難しいと思う。

坂本:コストも無くて、スタミナも無かったら、ガチャの出現率でバランスとるとかかですよね。 

阪森:ユーザーのプレイ時間とかを計算した上で設計しなければいけない。そうするとユーザーにとっての難易度が高めになっちゃうので、こんどはその離脱も考慮しなければいけない。 

坂本:ユーザーのレベルがまだ低いうちは、そんなバランス崩れるようなアイテムはバンバン出さないんだけど、それだとゲームがそんなに進まないから、ちゃんと進むようにシナリオを設計しなければいけないってことか。 

阪森:ストーリーが進みづらいし、ちょっと作業感が出てしまうというのも難しい。コスト概念がないと、海外展開は楽になるのかな? 

黒上:まだマシになる気はする。今はコスト概念があるゲームも少なくなりつつあるのであれば、コスト概念自体をよく考えた方がいいのかもしれない。
 

ゲーム性の違いとプラットフォーマーとの付き合い方


坂本:あと海外の、特にカジュアルゲームを作ってるデベロッパーで日本と違うのが、戦略的にフィーチャーを狙ってるところ。
 

岡田:どういう風にやってるんですか?
 

坂本:例えば AppleTV に対応するとか。
 

岡田:なんかコンテストやってましたよね、AppLovin で。日本人が優勝したっていう。
 

参照: ロングインタビュー風!AppleTVアプリ開発で世界一になった日本の個人デベロッパ
 

坂本:伊與田 (いよだ) さんですね。日本人が優勝したのは本当に偶然で、びっくりしましたw 決勝に進んだとき彼から「3 位以内に入れなかったら、渡航費が無駄になるんですが...どうしましょう...」って相談されてたんですよ。「ダメだったらそのとき考えよう!」みたいなノリで無責任に背中を押したんですが、無事賞金とれてよかったですww
 

岡田:AppleTV にアプリ出すと実際儲かるんですか?
 

坂本:現時点ではユーザーがまだそんなにいないので、儲かるとは言えないです。が、App Store でのフィーチャーを狙うなら真剣に対応を考えていいと思います。というのも、Apple とか Google のようなプラットフォーマーって、新しいデバイスや機能に早く対応してくれるデベロッパーを大事にしてくれる傾向があると思うんですよ。
 

岡田:Apple TV とか Apple Watch みたいなのですか?
 

坂本:そうそう。あと 3D Touch みたいな機能もですね。僕も元々 Google いたんで肌感覚で分かるのですが、例えば Google Watch 出ましたみたいなタイミングって「それに対応している良いアプリがあるかどうか」って凄く重要なんですよ。
 

岡田:確かに、せっかく買っても使えるアプリが無かったりショボかったりすると、ガッカリしますもんね。
 

坂本:そういう時に真っ先に対応をしてあげると、プラットフォーマーとしても大事にしたくなる、みたいなところはあるんじゃないですかね。
 

岡田:で、フィーチャー・オススメ枠にも入れてもらいやすくなると。
 

坂本:もちろん、ゲーム自体のクオリティが、他のフィーチャーされてるアプリ並みに高いことが前提ですけどね。そこも含めて、海外のカジュアルデベロッパーは、超真剣にフィーチャー枠を狙いに行ってる。
 

岡田:日本のカジュアルデベロッパーは確かにそうでもないですね。
 

坂本:もちろん日本にも、毎回良いゲーム作ってて、かつプラットフォーマーとも仲が良くて、高確率でフィーチャーされてるカジュアルデベロッパーもいくつかありますよ。でも、今そうでないデベロッパーはそこを目指してフィーチャー枠を狙いに行くかわりに、アップトーキョーしたりとか、アプリの中にスペースがある限り広告で埋めたりとか...
 

岡田:あえてフィーチャーから遠ざかる動きをしてるとこも多いですよね。
 

坂本:そーなんですよ。。例えば、本当にフィーチャーを狙ってる会社の例でいくと、各国でフィーチャーされているアプリの傾向を調べて、次の予測立ててから作り始めたりとかしてますね。まぁ日本の市場だけを見るんなら、フィーチャー狙わずにアップトーキョーとかゴリゴリやって、短期的な収益最大化を狙うっていうのは有りなのかもしれないけど...
 

阪森:そもそも日本のユーザーがアクション系のカジュアルを求めてない気がしていて。日本製だろうが、海外製だろうがあんまりハマってるのがなくて。
 

坂本:ほほう...


ヒットするカジュアルゲームのカテゴリの違い


阪森:アプリゲットで海外の人気のアクション系カジュアルゲームに、翻訳もつけてレビューをすることがあるんだけど、あんまり数値も伸びなくて。それよりも放置育成系の方が反応が良いですね。

大学生の頃「宅飲み」してたのを思い出しました
  
岡田:放置育成系こそ、日本人の習慣っぽい気がしていて。世界ではアクション系のカジュアルが流行っている気がする一方で、日本で人気な、日本を代表する有名タイトルって、アクションよりも RPG に多い気がします。
 

坂本:古くからあるドラクエ・FF の系譜ね。
 

岡田:RPG ってコレクション要素が強い気がしてて。日本で出して海外で爆発的にヒットしたタイトルだと、マリオやロックマン、ソニックとか凄くアクション系が多いと思うんですよね。FF やドラクエも流行ってはいますが...
 

坂本:日本での人気を考えると、それほどでもないね確かに。
 

岡田:なんか海外の人々と比べると、根本的にゲームの楽しみ方が違う気がしまして。
 

黒上:大陸で結構違うもんね。結局アジア圏って何を大事にするかって「自慢できること」だと思うんだよ。コレクションして自慢したりとか、こんだけ強いぞみたいなのを自慢したりとか。
 

坂本:前編での「自慢できるじゃん?ww」がこんなとこで効いてくるのか。
 

黒上:中国とか韓国とかってそれが結構顕著だと思うんだけど。北米のゲームって、ユーザー本人のスキル上げだよね。日本人がやる音ゲーみたいなもんで。

カジュアルゲームのマネタイズの違い


岡田:あと、動画広告って海外で先行で流行ったと思うんですけど、凄くアクションゲームに相性が良いですよね。コンティニュー課金とか。日本のカジュアルゲームってバナー広告中心のものが多い気がしてるので、海外攻めるとしたらもっとアクション性の強いものをつくらなきゃ難しいのかもしれないですね。

坂本:マネタイズの話でいくと、日本だと広告ガンガン入れまくっていけば 1DL 50 円とかいったりするじゃないですか。でも 50 円以下でユーザー獲得できる手段って、アップトーキョーか、YouTuber や IP とか元々人気のものに乗っかるか、しか無くて。 

岡田:アップトーキョーに怒られないですかこれ。 

坂本:日本から海外を攻めるときは、そういう手段も使えないからそもそも厳しい。だから、海外でやっていけてる日本のカジュアル系のタイトルは、基本は Apple・Google と仲良くて、リリースしたらグローバルでフィーチャーされて、でもそれ以降はユーザーが入ってこなくて中ヒットで終わる、って系が多い気がする。 

 どこかの社外秘の資料が投影されているはず

岡田:海外とかで Clash of Clans とかを超えているカジュアルゲームとかってあるんですかね? 

坂本:売り上げを抜かすとまではいかないけど、日本のカジュアルゲームの標準から考えると考えられないぐらい売り上げている会社はあるよ。広告だけで 1 日数百〜1 千万円とか。 

岡田:ふわぁ。 

坂本:あと、カジュアルゲームってソシャゲとかと比べると CTR や CVR が良いんで、CPI で見るとめっちゃ安くとれるんですよ。ソシャゲはダウンロードする前にすごい吟味するけど、カジュアルゲームは「とりあえずやってみっか」って気軽にインストールするんでしょうね。 

岡田:いくらぐらいで取れるんですか? 

坂本:引きが強いアプリは、AppLovin の動画広告でも日本で 1 インストール 50-80 円くらいで取れてたりします。そこそこのアプリでも 100-150 円ぐらいで、日に数十〜数百インストールは取れますね。 

岡田:そんな値段で取れるもんなんですね。 

坂本:実はそうなんですよ。日本のカジュアルゲームのデベロッパーさんも何社かやってます。で、課金も含めて 150-200 円ぐらいの LTV があれば、100-150 円でとれば、粗利がずっと発生する形になるので、ぐるぐると回し続けることができるよね、っていう。これができている日本のカジュアル系はまだ全然少ないですよ。 

岡田:海外だとそういうところがあると。 

坂本:中国の Cheetah Mobile の Piano Tiles 2 (iOS | Android) や Rolling Sky (iOS | Android) とか、最近だと韓国 BitMango の Block Hexa Puzzle (iOS | Android) とか、売上も広告出稿量も凄いですよ。だから、仲のいいデベロッパーさんとは最近、AppLovin 使ってよ〜って話とかはほとんどせずに、さっきみたいな仕組みをどうやったら作れるかって議論を一緒にしてます。

ゆーほど飲んでないけど盛り上がった

岡田:日本からもそういうアプリが出てきますかね。 

坂本:ゲーム自体は良いのが多いので、お作法を覚えれば可能性あると思いますよ。バナー外して、フラットデザインにして、AppleTV 対応とかして、課金も入れて。それで LTV 100-200 円狙えるようになったら動画作って広告回して、みたいな。 

黒上:意外とカジュアルゲームとかの方が海外に進出できるのかもしれないね。 

坂本:全然できる気がする。 

阪森:やんなきゃいけないことが、グッと減るからね。

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いかがだったでしょうか?

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Q

2016/11/08

【前編】アジアのゲーム市場にクソ詳しい人たちのマニアックな対談

ニッチな話題ですが、ゲームの海外展開を本気で考えてる方にはかなり有益な情報があるんじゃないかと!

さっそく本編いってみましょう!

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坂本 (AppLovin) :まずは日本と海外のゲームアプリの環境の違いに関して話しましょうか。誰かネタある人?

アプリ先生 坂本

岡田 (Fuller) :仕事柄、各地域でよく使われてるアプリの MAU の推移をかをよく見てて、特にアジア圏と北米圏をよく見てるんですよ。コミュニケーション系が絶対上位に来るんですが、Facebook・LINE・WeChatとか、どこが覇権を握っているかを見るのが楽しいですね。

キム (FluQuar) :国によっては LINE 強いですよね、課金も含めて。例えばタイとか、LINE がセールスランキングでも 1 位になりますもんね。

タイの話


坂本:「みんな使ってるから」以外に、タイの人が LINE を好む理由って何かあるんですかね?

キム:タイの文字って読むのもタイプするのも難しいみたいなので、みんなスタンプを凄く活用するんですよ。

FluQuar Founder/CEO キム氏

坂本:えっ、タイ人にとってもタイ語って難しいのww

キム:そうみたいですw あとタイのバンコクでは、BTS と MRT っていう電車が通っていて、その近辺の栄えているエリアなんかは比較的通信環境は良いです。電車の中で SNS やってる人はタイでもよく見かけて、むかし「韓国では地下鉄でみんなスマホ触ってます」っていうのがわかる写真が出回りましたが、タイもまさにそんな感じ。

坂本:SNS の他にはみんなどういうアプリやってるんですか?

キム:最近だと女性でもサマナーズウォーとかセブンナイツとかやってたりしますね。「グローバル版」では言語を選んでプレイできるんですが、あの辺のゲームはタイ語に翻訳されてます。グローバル版出してる韓国のゲームは、ほとんどタイ語対応されてるんじゃないかな。

黒上 (Snail Games Japan) :中国のゲームも大体、タイ語対応してる。中国系の会社だと、まとめて翻訳ができる企業があるから安くてそこにお願いしちゃうみたい。翻訳費用考えても、多少の課金があがるのであれば全然ペイできるはず。

坂本:へー、そんなにコストかかんないなら、そりゃやったほうがいいっすよね。

現地に海外企業としてどう入り込むか


黒上:あとは、中国の企業だと、「海外展開してるぜブランディング」に重きを置いてる事もあると思います。世界に俺たちのゲームを出してるんだぜ!みたいな。

坂本:ブランディングすると何がいいことあるの?

黒上:ん〜と、自慢できるじゃん??w

(一同笑)

Snail Games Japan 黒上氏

キム:タイに限らずだと思うけど、ブランディングを大事にしているって話は最近よく聞きます。タイのパブリッシャーのゲームではまだ大きいのが少ないから、海外から来たゲームに関しては、「有名ゲームを作っている会社だ」って認知されると、次に出すゲームも当たりやすくなる。

坂本:ブランディングね。例えば Supercell って東南アジアでも人気ですか?

キム:Supercell は東南アジアでも人気ですね〜。シンガポールみたいな、英語で出せるところは特に!だけど、タイ、ベトナムなんかは、その国に合わせてローカライズしてるコンテンツの方が強いかも。中国と韓国の会社が特にしっかりとやっている。

坂本:そうなんや。日本と同じで言語の壁がけっこうあるのね。

キム:タイのランキングを見ると、TOP10 は韓国のゲームばっかり。10〜100 位までは中国のゲームばっかりみたいな笑

坂本:その、韓国と中国のゲームの違いって何なんですかね?

黒上:デザインな気がする!韓国って元々 MMO が強いから、すごくグラフィックのクオリティが高い。特に違いを感じるのはキャラクターの色塗り。韓国はアニメ塗りとか水彩とかが多いのに対して、中国は厚塗りだから絵が暑苦しい印象を与えますよね。

坂本:意外とそこで違いが出るんや。

黒上:タイはアニメ好きも多いから、視覚的に好まれるのは韓国な気がする。 で、韓国ゲームも中国ゲームもそんなにゲーム性は変わらないから、ユーザーは比較的デザインいい方にいく気がする。

会場: Bar AppLovin Tokyo (嘘)

坂本:なるほどね〜。タイ以外だと今どこが熱いんやっけ?東南アジアで。

キム:タイ以外だと、中国系はベトナムがほとんど。中華系のタイトルばっかり増えてるから。

ベトナムの話


黒上:ベトナムとかって CPI がめっちゃ安かったりするよね。CPI が日本の CPC レベルだった時があったしね。$0.2 みたいな。

坂本:CPI 20 円はやばい。笑

黒上:そういえば去年ベトナムに行ったんだけど、思ったのが、皆んな携帯が古い。iPhone4 もめっちゃ見た。意外とベトナムは狙い目だよね。

坂本:地政学的に言えば、原則として「隣の隣の国は仲良くなりやすい」ってのがあるんよね。間にある中国とは日本もベトナムも緊張関係を強いられるから、ベトナムと日本は仲良くなりやすいベースがある。他には、フィンランドと日本もロシアが間に挟んでるから、実はすごく相性がいい。

キム:ベトナムは PC オンラインゲームの市場が大きいし、スマホゲームでも狙い目だとは思うんだけど、複雑で市場がわかりにくいんだよね…。第三者決済の比率がすごく高いって聞く。あとはベトナムの現地の会社と組んで上手くやることが重要だよね。ベトナムに法人があったとしても、外資だったらパブリッシングはできないとかいろいろ制限があるみたい。ライセンスまわりも結構複雑みたいだし。

坂本:そのへんはちょっと中国っぽいね。

キム:通信環境はそんなに悪くないから、どちらかというとベトナムは端末のスペックがの方が課題な気がする。通信環境が課題な国はインドネシア。

インドネシアの話


キム:2015 年くらいまではインドネシアの会社がプレゼンする時は「インドネシアの 3G は遅いです」っていうのが決まり文句だった笑。

坂本:そこでドヤるんだ笑。

キム:そうすると容量の重いコンテンツの場合、そもそもダウンロードができない問題が出てくる。インドネシア出張した時に、日本のゲームは全然リソースダウンロードが終わらなくてプレイできなかったりした。

黒上:逆に中国とか台湾にいくと、どこにでも Wifi があるからそういうので成り立ってるのかもしれない。タイもそうで、意外とどこにでも Wifi がある。今後、Wifi が整ってる国は伸びる可能性がある。

坂本:総じて、東南アジアって進出先としてはどれぐらい魅力なんだろうね?

岡田:Fuller が China Joy に出展した時に、ブースに来てくれた人や会った人がどこの国にアプリを出したいかニーズを調査したら、「東南アジア>中国>韓国>日本>ユーロ圏」って結果でした。

坂本:US とかじゃないんや。

岡田:意外と US を聞かれることは少なかったです。で、大手どころは日本気にしているんだけど、とりあえず東南アジア。かなりデータを欲しがってました。

黒上(こいつ腹出とるな〜)

坂本:でも東南アジアって、キャリア課金とかがまだきちんと整備されていないから、ゲームとかまだマネタイズ出来ないんじゃないかなって勝手に思ってたんだけど。LINE みたいなプラットフォーム系は先に「みんな使ってる」状況にすれば強いから、今のうちから進出しとくのは分かるんだけど。

東南アジアの課金インフラ


黒上:タイとかその周辺って、意外と 3rd party payment がしっかりしてるよね。Android で3rd party payment に対応してたら、マーケット情報としては出て来ないから、ストアの統計データとして認識されている金額よりかは、課金は上がっているはず。

キム:東南アジアの決済は MOL が強い!タイトル、地域にもよるけど、全体の売上の 20-30% くらい、場合によってはもっとあったりするみたい。

※注:MOLPay http://www.molpay.com/v3/

キム:だから「Apple, Google の課金」だけしか計算してないデータよりも、実際には売上規模はもっと大きいよね。でも面白いのは、一部の売上上位の企業ではあえて第三者課金を使ってないこともある。

坂本:それってプラットフォーマー (Apple, Google) に嫌われたくないから?

キム:それが一番大きいみたい。韓国の会社とか特に、グローバルワンビルドでやる事が多いから。

坂本:国ごととか地域ごとにビルド分けないんや。

キム:韓国ってプレイヤーが溢れすぎているんですよね。開発費用もかかるし、マーケティングコストもかかるけど、市場の大きさでいうと日本や中国、US にかなわない。だからソフトローンチでまず東南アジアに出すっていう会社も多くて、まず東南アジアを見ている企業が多い。

坂本:なるほど。

キム:それで、グローバルワンビルドで出すとなると、プラットフォーマーとうまくやらなくてはいけないので、第三者課金は必然的に使えなくなる。

黒上:中華系デベロッパーは結構 3rd party payment 使ってるイメージあるなぁ。中華系デベロッパーにとって台湾は言語化も楽だから、とりあえず出すみたいな感じでやってるんだけど、1 年前ぐらいまでは Mycard とかの 3rd party payment を使わないと課金が成り立たない状態だったのね。で、東南アジアへの進出は台湾の流れで...みたいな事も多いから、3rd party payment は意識してるんじゃないかなって思う。

坂本:デベロッパーの側が慣れてるんだ。

黒上:ただ、第三者課金って、かなりキャンセルが多いんだよね......半分くらいになっちゃうんじゃないかな。

坂本:結論、中国・韓国のディベロッパーは東南アジアを見まくってるってこと?

黒上キム:見まくってますね。

☆.。:・★.。:*・☆.。:*☆.。:*・★.。:*・☆.。:・★.。:*・

後編に続く!

Q