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2017年1月2日月曜日

#読書メモ 『「学力」の経済学』by 中室牧子

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【新品】【本】「学力」の経済学 中室牧子/〔著〕
価格:1728円(税込、送料別) (2017/1/3時点)

冬休みに読んだ本のうちの 1 冊。
自分用のメモとして書き残しておく。

要旨

教育の話題になると、"自分自身の経験" や、"もしかすると特殊なケースに過ぎないかもしれない事例" にもとづいて "かくあるべし" と語る人が多い。
また、教育政策もそんなノリで決められている節がある。

意識高い系になれるスタンプ
  • それってエビデンスになるデータってあるんだっけ?
  • 施策の効果ってちゃんと仮説立てられてて、実施後に検証されてるっけ?
っていう問題提起から入って、主に海外のデータをもとに "どうやら効果があるっぽい" 教育のメソッドについて紹介されている本。

メイン目的はメソッドの紹介というよりは、教育もちゃんとデータドリブンで考えようよっていう提案と、日本は特にデータドリブンな教育論が諸外国より遅れている (というかデータ自体ちゃんととれていない・民間の研究用にアクセスできない) 現状に警鐘を鳴らすことだと思われ。

具体例いくつか

勉強に対するご褒美

  • 「テストでいい点をとったらご褒美」より「本を 1 冊読んだらご褒美」のほうが効果的
  • 遠い将来のリターンの効用は割り引かれる (目先の利益のほうが魅力的)
  • テストでいい点をとるための "方法" がわからないので、勉強の "仕方" を学ぶことがまずは大事
  • ご褒美によって "勉強をするのが楽しい" という気持ちは失われない
  • ご褒美は、子どもが小さいうちはトロフィーなどヤル気を刺激するもの、中高生以上はお金が効果的

どのように褒めて育てるべきか

  • 自尊心が高まれば学力や意欲が高まる、という因果関係はない (学力や意欲が高い子ほど自尊心が高い、という相関関係はある)
  • 「頭がいいのね」ともともとの "能力" を褒めると、子どもは意欲を失い、能力が低下する
  • 「よく頑張ったね」と "努力" "プロセス" を褒めると、悪い成績をとっても "(能力ではなく) 努力が足りなかったんだ" と考え、難しいことにでも挑戦するようになる

テレビやゲームばかりしてる子には

  • 単にテレビやゲームをやめさせても勉強時間は増えないというデータがある
  • "勉強するように言う" のは効果が低く、ときに逆効果になる
  • "横について勉強を見る" "勉強する時間を決めて守らせる" など手間がかかることが効果的
  • 男の子なら父親、女の子なら母親がやるのが効果が高い
  • 親ではなく、祖父母や兄弟などの同居者がやっても同様の効果がある

友だちが与える影響

  • 学力が高い友だちの中にいると、自分の学力にもプラス
  • ただしその影響は、もともと学力が高かったグループのみ
  • 習熟度別学級は、学力が低いグループには高い効果がある
  • "問題児" の存在は他の人の学力や行動にマイナスの影響がある
  • 環境が悪かった場合、引っ越しによって友だちを変えることで、負のピア・エフェクトから逃れられる

幼児教育について

  • 投資の収益率 (リターン) が最も高いのは就学前教育
  • 人生の初めに得たものはその後の教育で役立つため
  • ただし "認知能力" (IQ や学力) の差は 8 歳前後でなくなってしまう
  • その後も差が継続するのは "非認知能力" で、より具体的には "自制心" "やり抜く力" など一般に "生きる力" と呼ばれているもの
  • 学歴・年収・雇用など人生の成功に長期的に因果効果を持ち、教育・トレーニングで伸ばすことができる
  • 学力や点数ばっか気にしてもしゃーない (過大評価しすぎ)

その他、少人数学級の費用対効果の検証 (費用対効果悪い、または効果がない)、教員の質についての議論 (免許制を廃止し能力が高い人が教師になる参入障壁を低くすべき) などがあったけど、マクロな話なので割愛。

特に "子どもがいる人" や "教育政策に興味がある人" は読んでみると面白いんじゃないかと。
文体も、学者さん (慶應義塾大学 総合政策学部 (SFC) 准教授) の割に平易で読みやすかった。
(学者さんに対する偏見ですねゴメンナサイ)

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